読者が選ぶ売れすじ大賞　2009年度版

　アクティブに行動することで、自分の可能性を広げる現代の女の子たち。情報過多で楽しみの種類が増えることで飽和状態になり、貪欲さに欠ける若者が多いといわれるが、本当にそうだろうか。携帯片手に向かい合うのは、限られたヴァーチャルの世界ではない。何か新しいワクワクに出会いたい、そんな祈りのような思いをこめて、液晶の向こうに待ち構えている未知のフィールドへ挑んでいるのである。　この世の中を、ハッピーに生きていきたい。背筋をすっと伸ばした女の子たちは時代を泳ぐ勇敢な冒険者さながら。彼女たちを元気づけ、軽やかに前へ進もうとするときに背中をおすのは、何より身にまとうものたちではないか。そのカラダを包み込む多彩なファッションのパワーは計り知れない。ある時はシャープに、ある時は柔らかく、ある時は思いきり弾けた「私」を鼓舞する。「女子」であることを楽しもうと、セクシーなドレスは恒常的に人気。恋愛モードを高めるフェミニンなデザインのワンピースは、幸せガールの象徴のよう。おしゃれという枠を飛び超えて、内面的な女性らしさを引き出してくれるアイテムたち。体のラインを美しく見せるトップス、ふんわり揺れるスカートなど、形や素材でくるくる変わる表情を映し出す。素顔に近そうでありながら、研ぎ澄まされたセンスでこそ光るのが、カジュアルスタイル。フットワーク軽く-様々なチャンスを逃さない女の子たちが目指すのは、着心地がよく、しかしディテールに小ワザがきいて誰の真似でもない「極上の、さりげない可愛さ」である。自分の本来の魅力を引き出してくれるものこそ本物。彼女たちにはそれが解っている。そしてそれらを直感で選びとる。　ある物書き稼業の有名人は言った。「ひたすら机に向かって独りで作業するときこそ、大好きな洋服とお気に入りの靴でテンションを上げるの」と。またある海外のハイセンスな婦人は言った。「家にいる時こそ、きちんと着飾って美しくするべきよ」と。外へ向かう時と内面へ向かう時とは、つながっている。何かが起こるのを待つのではなく、自分自身が発信地になる時、肌にまとうものが輝き出す。