日本が誇るビジネス大賞 2015


イギリス生活情報誌 
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里程元標跡(高麗橋)
江戸時代、京街道・中国街道・紀州街道など諸国への道程の起点は、高麗橋の東詰にあった。1876年(明治9年)明治政府は高麗橋東詰に里程元標を置き、西日本の道路の距離計算の起点とした。現在は道路元標として梅田新道交差点西北角に移されている。

京橋川魚市場跡(京橋北詰)
江戸時代に海魚とは別に川魚を扱う市場があった。明治末年には中之島6丁目付近へ移転した。

代表取締役 千田明氏
「株式会社東電通(とうでんつう)」に入社。NTT関連アクセス部門で通信工事の施工管理に従事。東営業所所長、EGW工事部長、取締役などの役職を歴任。「東電通」は同業大手と合併し「株式会社ミライト」になる。退職後、複数の電気工事会社から請われて2011年5月に電気工事業、電気通信工事業を業務とする『株式会社GNR』を設立し、代表取締役に就任。NTTやNEXCO(西日本高速道路)などから受注した電気通信や電気設備の工事をグループ会社に振り分け、事業を牽引してきた。

東海道五十七次の歴史を紐解く随筆
電気通信工事のプロの尽きぬ探究心

東海道の起点が好学心刺激
研究成果を示す史実の点描

「東海道五十七次・大阪を訪ねて」と題したエッセーが、電気通信設備工事業大手「ミライト」社の退職者でつくるOB会の会報に掲載された。筆者は、退職後、関連会社の企業間協力を牽引する『株式会社GNR』を設立した千田明社長。長年、高度な技術を持つエンジニアとして電気通信工事の施工管理などの第一線で活躍、その多忙な業務の合間に足を運んだ歴史探訪と蓄積した研究の成果の一端だ。
「仕事柄、全国各地に出張する機会が多くあり、また、歴史に興味があったこともあって、行く先々で、仕事の合間に史跡、寺社仏閣など歴的建造物などを見て回り、デジカメで撮影したり、文献や書籍など資料を集めたりしてきました。退職後、ゆっくり整理しようと思っていましたが、会社設立で今はなかなか整理できない状態です」
 東海道五十七次に興味を持ったのは、大阪市中央区北浜にある「ミライト」社の民需部門の支店近くに、東海道五十七次の起点とされる高麗橋があったからだという。一般に知られる東海道五十三次ではなく五十七次としたことの解説と共に、エッセーは概要次のように記す。
 北浜の道修町には昔、道修谷と言う谷があり、薬草を作っていた。道修町は薬問屋街であり、大阪を代表する武田薬品等の薬品会社の発足の地でもある。その東端に支店があり、近くに高麗橋が位置していたことから興味を持った。東海道五十七次というのは、江戸時代西国の大名は京都を通過することを禁止されていたので、大坂から守口、枚方、 淀、伏見の宿場を経由して大津に抜けていたことに由来する。
 千田社長は暇をみては、歩いたり、電車やバスを乗り継いだりして大阪市内を見て回るのが趣味。地形や箇所箇所の特徴が頭に入っていて、回ったところは一枚地図や道路地図にマーカーで記録している。

逸話で大阪の姿を浮き彫り
資料整理し続編執筆に意欲

 大阪市内の東海道も文献やネット上の情報などを元に、少しずつ歩を進め、京都まで到達したという。エッセーは沿道に存在する史跡や歴史的建造物などについての史実やエピソードを紹介しながら、東海道にまつわる大阪の姿を浮き彫りにする。エンジニアの習性か、構造物、特に橋に関する記述が目立つ。その概要は次のとおりだ。
 難波橋。奈良時代僧行基が作った橋と伝えられ、大阪で一番長い橋だったと思われる。明治時代に大洪水に見舞われ、ほとんどの橋が流され、以後鋼鉄の橋に架け替えられた。
 高麗橋。公議橋の中でも最も格式が高かかったと思われる。明治時代は西日本の道路の里程起点に定められた。名の由来は豊臣時代、高麗の使者の宿泊施設が近くにあったとか、いろいろな説がある。
 天神橋。新撰組の近藤勇が相撲取りと争い無礼討ちにした時、裁きに無礼があったとして奉行所の与力を惨殺、首を天神橋にさらしたため、新撰組を警戒して2年ほど天神祭が開催されなかったようだ。
 天満橋。橋げたの上に橋を架けた二層構造の大阪では珍しい橋。桜の季節、天神祭、造幣局の通り抜けの時期はすごく混雑する。
 公議橋とは、江戸幕府が架設した橋。エッセーはこうまとめる。
「大阪は町人で作った町橋がほとんどで、作った人の名前や屋号(たとえば心斎橋、淀屋橋等)が付けられました。もっとも大阪は東京に比べ橋が少なかったのですが、江戸の八百八町と対比するため八百八橋と町衆の自信の程を言ったと思います」
 エッセーは雑魚場(ざこば)から発展した中央市場がある京橋付近の紹介で終わっているが、町衆の自信は、グループ会社から請われて会社を設立し、NTTやNEXCO(西日本高速道路)などから受注した電気通信や電気設備の工事をグループ会社に振り分け、時にチーム力を結集して相乗効果を生み出す千田社長の事業牽引力と心意気と重なる。
「歴史には多様な側面があり、興味は尽きません。東海道五十七次をはじめ歴史探訪の記録を残していきたいと思っています」

株式会社 GNR
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