高校中退後に長距離トラックの運転手になったものの、10年ほど経った頃に原因不明の難病にかかり半身不随。強靭な精神力によって打破し、4年間の勉強の末に司法書士試験に合格。
ウソのような話だが、正真正銘の実話だ。大阪市に『リベラル・リーガル・オフィス』を構える中原彰氏は、従来の「敷居が高い」というイメージを払拭してくれる奇想天外な司法書士。当時漢字を読むにも苦労していた中原氏が、いったいどうして司法書士を思い立ったのか。きっかけは労働組合の闘争だった。難病克服後に勤めていた会社の設備があまりにもひどかったため、労働組合を立ち上げて改革を起案。賛同者が一人もいなかったのにも関わらず、中原氏は別の会社の労働組合から知恵を拝借しながら一人で闘い、見事勝利した。見違えるほど働きやすい環境が整った会社を見た氏は法律の力を実感し、司法書士受験を決意に至ったというわけだ。
原因不明の難病に打ち勝ち、労働争議にたった一人で臨んだ男に怖いものなどない。四年間の猛勉強の末、司法書士試験に見事合格。消費者金融に相談しながら多重債務問題に対応するなど、ユニークな手段で切り抜けながら駆け出し時代を過ごし、昨年一月には『リベラル・リーガル・オフィス』として登録を果たした。不動産登記、会社・法人登記、借金の整理手続きを主な事業内容として日々奮闘している。
そんな中原氏の目下の野望はテレビ出演。お堅いイメージが強い司法書士がメディアを通じて面白おかしく話をすることで、相談者との垣根を壊すのが目的だ。敷居の高かった司法書士業界に革命が起こる日も、そう遠くはないかもしれない。司法書士としてのさらなる発展はもちろん、新感覚タレントの有望株として今後の活躍に心から期待したい。
プロフィール
昭和60年 4月 兵庫県立武庫工業高等学校入学
昭和61年 8月 同高等学校を中退。以後、トラック助手を2年経験し、運転免許取得後、長距離トラックの運転手になる。
平成 8年 原因不明の難病(多発性硬化症)にかかり、半身不随になり、車椅子の生活になる。
平成10年 闘病生活、リハビリを経て病気を克服し、司法書士受験を決意する。
平成14年11月 司法書士試験に合格する。
平成15年 2月 自宅で司法書士事務所開業。
平成15年10月 大阪市福島区へ事務所移転。ここでは主に多重債務問題に取り組み、単身で月に15件〜30件を処理する。
平成19年 1月 現在の場所へ事務所移転、事務所名称をリベラル・リーガル・オフィスと登録して新規スタート。 |