「将来的に、お昼は思い思いに過ごしていただき、夜は宿泊できる施設を構えたいと考えています。それと並行して子育て支援の活動にも着手したい。この仕事は私の生きがいです。」と語る中尾孝子さん。
地元長崎茂木町でも友人、知人などの支援もあり、これからもっとより良い老後を迎えられるよう、介護サービスを心がけている。
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利用者が本当に望むサービスを
在宅ケアとスタッフの環境設備も目を向ける
ときにはハードな仕事だと思われがちの介護職。スタッフの仕事環境にも気を配ることが必要とされる。『ヘルパーステーション ねこ』の代表・中尾孝子さんはいつも朗らかに、誠実に利用者一人ひとりと向き合い、ヘルパースタッフの働く環境設備にも目を向け、広い視野で介護サービスを実行している。
「私の介護に対するモットーは精一杯手抜きしないでお世話することです。御利用者様をわが身内と思って対応する。一番欠かさないようにしているのは、いつも笑顔を絶やさないことです。笑顔は万国共通子供からお年寄り総ての人に通じるからです。私の座右の銘は〝為せば成る 為さねば成らぬ何事も〟です」と熱く語るのは、長崎市内を中心に訪問介護事業を行う『ヘルパーステーション ねこ』の代表・中尾孝子さん。祖母、母親の介護経験をきっかけに45歳で介護施設で働くようになった中尾さんは、働きながら介護福祉士とケアマネージャーの資格を取得し、勤務先の事業を引き継ぐ形で『ヘルパーステーション ねこ』を立ち上げたときには、還暦目前だったという。「姑・両親を送ったり、娘の出産のサポートをしたり、気付けば還暦を迎えていた、という実感です(笑)」と朗らかに語る中尾さんだが、今や9名のヘルパーを率いる代表者だ。
中尾さんが今気になっているのが、「現行の介護保険法は本当に利用者のために機能しているのか」ということ。自宅での介護を希望する場合、今の介護保険では必ずしも十分なケアが受けられていないのだと感じている。お年寄りの中には住み慣れた我が家で最期を迎えることを希望する人は少なくないのだ。そこで中尾さんは在宅ケアを望む利用者に対し、早朝や夜中の連絡にも丁寧に対応し、利用者やその家族の負担を軽減することに努め、できるだけ長く在宅介護を継続できるよう支えている。また、介護業界の離職率が高いことも懸念しており、幼い子どもを抱えていても安心して仕事ができるよう、スタッフが働きやすい環境設備にも目を向けている。今後、子育て支援業務の着手も視野に入れているということで、中尾さんのこれからの活動にも注目だ。
(ライター/奈須美子)
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