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老朽化したインフラの長寿命化に貢献
構造物の劣化進行抑制
高度経済成長期に集中的に整備された道路橋やトンネル、河川管理施設、港湾施設などのインフラが耐用年数の目安といわれる50年を経過し出し、老朽化が社会的課題になる中、金属やコンクリート製の構造物の耐久性を飛躍的に高めるメンテナンス用の特殊塗料を開発し、インフラの長寿命化に貢献しているのが『株式会社クラタ・テクノシステム』だ。二代目代表取締役の倉田公一さんは、創業から22年の歴史の中で蓄積された技術と知見を基盤に特殊塗料の可能性と機能性を追求していく決意だ。
同社の製品の代表格が2011年に開発したシリコーン樹脂塗料『バッファーコート』。
「高い防水性、防食性、耐候性を兼ね備えたシリコーン樹脂100%の塗料で、良好な付着性を発揮し、伸び率は350%から400%の追従性を持ち、弾性塗膜を形成します。Si-Oの結合によって極めて劣化しにくいのが特長です。金属、コンクリートどちらにもコーティングでき、沿岸部のコンクリートや鉄部の保護のほか、化学プラントの配管設備やタンクの防錆にも効果が期待できます」
コンクリート構造物の長期保護で活躍するのが2015年発売のシラン系コンクリート表面含浸材『ディープインシラン』だ。
「クリーム状なので上向き面、垂直面へも容易に塗布できます。コンクリート構造物に深く含浸し、長鎖炭化水素基の疎水層を形成し、劣化因子である水分、塩化物イオンなど外部からの劣化要因の侵入を抑制します。水蒸気は透過するので内部の水分を調整します。1回の施工で標準塗布量を塗布でき、作業効率が高い機能性コーティング材で、コンクリート構造物の劣化進行を抑制し、長寿命化を実現します」
2023年4月には、『ディープインシラン』と同じ機能を持ち、0℃以下でも施工可能な無溶剤型シラン系コンクリート表面含浸材『ペネトラントシラン』を発売した。
「『ペネトラントシラン』を塗布した後、耐候性に優れた『バッファーコートNS』を塗布すると、防錆性、耐候性、撥水性、柔軟性、水蒸気透過性のある塗膜が得られることが中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋株式会社との共同研究で明らかになりました」
三つの塗料とも国土交通省の建新技術情報提供システムNETISに登録されている。
(ライター/斎藤紘)
Eメール/info@kurata-techno.com
CSP事業部 TEL/06-6829-7200
インフラの点検や測量で社会に貢献
高価値高画質映像提供
空の産業革命といわれるほど様々な分野に大きな影響を与えている無人航空機ドローン。その開発、操縦、運用に先駆的に取り組み、ドローンオペレーションのパイオニアといわれるのが『株式会社シーズプロジェクト』代表の大髙悦裕さんだ。ドローン操縦は35年超の経験があり、その業務は、高解像度カメラを搭載したドローンによるインフラ構造物の点検、測量、地形や形状のスキャン、映画などの空撮協力、社内ドローンの運用・管理のコンサルティングなど多岐にわたる。中でも社会貢献度が大きいのが、非GPS環境に対応したドローン『HoverMap』の活用だ。
「『HoverMap』は、位置特定と環境地図作成を同時に行うSLAMシステムを搭載したドローンで、自動の衝突防止機能が装備され、GPSの測位や方位センサーを使うことなく自律安定飛行し、広範囲に及ぶ地形や建物の内部、外部の形状をスキャンして3Dデーターを作成することができます。橋梁や砂防ダム、トンネル、煙突などのインフラ点検、防災上の観点からの地形の点検、建設現場の危険個所の点検、工場の大型プラントの点検などで活躍します。『HoverMap』による測量で得た地形の3Dデジタルデータは国土の有効活用や都市計画にも役立ちます」
もう一つ、技術の高さを示すのが『8K空撮』だ。
「現行ハイビジョンの16倍の画素数のハイクオリティカメラを搭載したドローンによる空撮です。空撮における8K映像は、大画面での視聴が前提であったり、高精細ゆえに機体の僅かな揺れや微振動が映像に影響しますが、当社では、8Kカメラ、電子制御の映像ブレ補正装置ジンバル、無人航空機体の3点を保有し、テストフライトを重ね、調整を行うことで、お客様のニーズに応える安定したブレのない滑らかな『8K空撮』が可能です」
高精細カメラを搭載したドローンによる撮影技術は、ドラマやドキュメンタリー、情報・教育番組、CM、映画などの制作、学術調査などにも生かされる。
「撮影現場のロケーション、天候など様々な撮影環境での状況の変化を察知し、多角的な視野と思考による判断に従い、ドローン機体と撮影機材を起動性と機動力を生かして運用することで、他では得られない価値の映像を安全に提供することができます」
様々な産業分野で活用されるドローン。大髙さんの経験と専門知識、技術が生かされるシーンも広がっていく。
(ライター/斎藤紘)
Eメール/otaka-yse@fuji.tnc.ne.jp
https://seeds-pro.co.jp/
働きやすい環境整備など経営努力結実
マイナスイメージ払拭
10人でスタートした会社を創業から8年で社員約60人、協力会社も含めると約200人という規模まで成長させた経営者がいる。総合解体業『株式会社DSK』代表取締役会長の佐々木雄太さん。人材育成と社員の人格形成に力を入れ、福利厚生や作業着、道具に至るまで社員が仕事に誇りを持てる環境作りに取り組んできた経営努力の成果で、建築施工管理技士や建設機械施工管理技士の国家資格、解体作業、特定化学物質作業、石綿作業、足場組立作業などの作業主任者を含め多数の資格保有者を擁するプロ集団として成長軌道を歩み続けている。
「解体業は、スクラップアンドビルドという社会の循環の中でなくてはならない大切な職業でありながら、危険、荒っぽいといった負のイメージが強く、これを払拭したいという思いを強く持ち続けてきました。労働環境の改善に加え、社員一人ひとりが会社の顔であり、営業マンであるという自覚を持ってもらうため、社会人としてのモラルやマナー、言葉使い、礼儀に関して厳しく指導してきた結果、社員が解体という職業に誇りを持って定着し、採用拡大にもつながったのです」
同社の仕事は、解体工事、斫(はつ)り工事、アスベスト工事が3本柱。東京都、千葉県を中心に関東全域から工事依頼が絶えない。
「解体工事は、主な取引先より委託を受け、鉄筋コンクリート造解体、鉄筋・鉄骨コンクリート造解体、木造解体、構造物などを除いた内装のみの内装解体、アスベストが使用された建物の解体に伴うアスベスト工事、アセチレンなどのガスを用いて鋼板を切断するガス溶断等を行っています。看板撤去などの特殊解体工事にも対応しています。斫り工事は、解体工事現場や改修工事現場などでコンクリート製品を削ったり、壊したり、穴をあけたりといった作業全般を行います。アスベスト除去工事は、アスベストの検体採取、分析から各諸官庁への書類申請、そして除去工事から産業廃棄物の処理搬出まで一貫して行っています。若いながらも豊富な経験を積んでいるスペシャリストが各事業部のトップや現場の最前線にいることが当社の強みです」
佐々木さんの前職は、飲食店やホテルでの調理師。23歳の時に新たな挑戦として解体業界に転じ、技術とノウハウを得て30歳で独立、起業。仕事の品質と顧客満足度を高めながら前進し続ける。
(ライター/斎藤紘)
Eメール/kaitaidsk@hotmail.com
https://www.kaitaidsk.com/
コンクリート構造物の切断に高評価
作業効率の向上に注力
2016年創業の『株式会社DAI企画』は、コンクリート構造物を対象に配管配線用の穴を開けたり、耐震工事のために切断したりする特殊な工事の確かな仕事ぶりが発注元の建築・土木工事会社に高く評価され、急成長している会社だ。工事で使うのは、世界で一番硬い石といわれるダイヤモンドの粒子を固着させた特殊工具。職人を牽引して作業に当たる代表取締役の徳丸浩樹さんが業務で重視するのは、作業の安全性、無駄な作業をしないことによるコストダウン、作業効率の向上だ。
工法は三つある。その一つが『ダイアモンドコア』。
「工業用ダイヤモンドを多数埋め込んだダイヤモンドビットという刃物でコンクリートの壁や床に穴をあける工事です。電気や空調設備などのケーブルや配水管の穴を明ける作業でよく用いられる工法です。専用のノミなど使って人力で削る斫り(はつり)工事に比べ、穿孔精度に優れており、騒音やホコリなどの公害を最小限に抑え、短時間で施工することができます」
切断精度が要求される改修や耐震工事などに用いられる工法が『ウォルソー』だ。
「刃の部分にダイヤモンドの粒子を使用した非常に硬度の高い切削工具であるダイヤモンドブレードを使用し、コンクリート構造物の壁の切断を行います。予定切断線に沿ってレールを設置してレールにマシンをセットし、レールの上を走行しながら躯体を切断していきます。切断面の凹凸が少なく、短時間で綺麗で正確な切断が可能です。エンジンカッターと違って排ガスなども発生しないので室内工事に最適です」
曲面状の構造物の切断で威力を発揮するのが『ワイヤーソー』だ。
「ピアノ線にダイヤモンド砥粒を固定したダイヤモンドワイヤーを用いて、高速回転させながら切断対象物にワイヤーを巻きつけ切断する工事です。ワイヤーは柔軟性に優れ、切断面の形状に合わせて切断できます。また、曲面状の構造物や大規模な鉄筋コンクリート構造物、自重の大きい躯体や人が接近できない構造物の切断に威力を発揮します」
発注元の予算やニーズに合わせて作業工程を選択するなど細かいフォローが評判になり、業績を伸ばして2021年には法人化を果たした。
徳丸さんは、本業とは別に副業として2022年12月に立ち飲みの「酔っぱらいスタンドぴぃーちゃん」を開店。棚にズラリと並んだこだわりのお酒を楽しめると大好評でリピーターが増える一方だ。
(ライター/斎藤紘)
Eメール/diamondcore@daikikaku.com
https://www.daikikaku.com/
動力プレス機械特定自主検査
県外からの依頼も多い
ものづくりのまち、新潟県燕市に本拠地を置く『有限会社中央技研』は、動力プレス機械特定自主検査を主軸に手掛ける企業。数多くのものづくり企業を下支えする同社は、県外からの依頼も多く寄せられ、信頼の厚い企業として多くの方々から支持されている。日本が誇るものづくり技術の一つである「プレス加工」を行うための機械である動力プレス機械。労働安全衛生法には、動力プレス機械を使用するためには年1回以上、有資格者による動力プレス機械特定自主検査を行わなければならないとの規定が定められている。この検査を行っていないとプレス機を使用中に事故や災害が発生した場合、改善命令、操業停止命令等の行政処分を受けることになってしまうという。そういった背景もあり、同社では様々な企業に赴き、確かな技術と豊富なノウハウを以て検査を行っている。動力プレス機械特定自主検査では、プレス機の安全性に関するチェックや機械の性能試験、動力プレス機械の各部位における作動状態など多岐に渡る。これらの検査を厳正に行うことで業務における品質向上や作業員の安全確保につなげている。また機械特定自主検査の実施はもちろんだが、日頃からの機械のケアが動力プレス機械の故障を未然に防いだり、長く稼働させることにつながるという。例えば、安全装置の点検。動力プレス機械には安全装置が備わっており、この安全装置を定期的に点検することで正常な作動の確認や故障の早期発見にもつながる。また十分なスペースを確保し、障害物や人が近づかないようにするなど作業環境を整えたり、作業後の清掃も機械の故障の防止には大事になってくるという。このように動力プレス機械特定自主検査だけではなく日々のアドバイスも含めた手厚い対応で信頼を獲得している。代表取締役の松井貴博さんの人柄も同社が熱い信頼を寄せられる理由の一つ。公私共に多趣味だという松井さんは、特に車やバイクは自ら修理も行うほど。休日には遠方まで出かけては現地の美味しいものを食べ、現地で必ず友だちを作り、羽目をハズしているのだという。でも本当のところは恥ずかしがり屋さんで冗談好きのオヤジという憎めないキャラクターが、修理を頼みたい、あれこれと相談に乗ってもらいたいと仕事に繋がっているのだろう。ものづくりのまちである新潟県燕市では、動力プレス機械特定自主検査のニーズは多い。そんな中同社は、松井さんが掲げる「できるところまではやり切る」ことを信念にこれまでの実績とともに技術やノウハウを次世代に伝えながらものづくり産業を支え続けていく。
(ライター/長谷川望)
Eメール/cyuougiken@gmail.com
建設土木や防災など多様な分野で貢献
視野に「SDGs」への貢献
「理学の知識を工学に応用した技術、物理探査をもって社会の安心、安全に貢献する企業として社会的使命を果たす」
総合地質コンサルタントとして44年の歴史を刻む『大和探査技術株式会社』四代目代表取締役社長の長谷川俊彦さんは、同社のこの経営理念を先進的な探査技術の導入によって具体化し、建設土木工事、防災対策、環境保全、資源探査、考古学調査など幅広い分野で貢献できる体制を築き上げた経営者だ。
「日本の主要都市は、氷河期後に堆積した新しく柔らかい地盤の上に形成されているところが多いため、雨が降れば洪水が起こり、地震が発生すると、液状化、建物の倒壊といった災害が起きたりします。ビルを建て、橋を架け、トンネルを掘るにしても、基礎となる地盤の安定性に問題がないかを見極めなければ工事を始めることはできません。しかし、地盤の状況については地表からでは見ることができません。地面の下にどんな可能性があるのか、どんな課題を抱えているのか、地中に隠されている様々な情報を調査して明らかにする必要があります。当社では物理探査という手法を武器に、見えないところを広範囲で調査することを可能にします」
物理探査は、人間の目では直接見ることのできない地中を様々なセンサーを利用して可視化する技術だ。
「物理探査には、測定原理が異なる様々な方法があります。人工の地震波である弾性波を利用する弾性波探査、地中を流れる電流の流れやすさを測定する電気探査、電磁場の変動を利用する電磁探査、地磁気によって誘導された磁気異常を利用する磁気探査、地下の密度の違いによって生じた重力異常を利用する重力探査、電磁波の反射応答を利用する地中レーダ探査、ガンマ線を測定して地下の破砕部分を検知する放射能探査、地下の温度を測定する地温探査などがその代表例ですが、当社で弾性波探査、重力探査、浅層反射法探査、常時微動測定、電気探査、電磁波探査、地震探査反射法、ジオトモグラフィ、表面波探査、地中レーダ、VSP鉛直地震探査、放射能探査、地温探査、物理検層などが可能です」
長谷川さんは、北海道から沖縄まで17の支店、営業所を展開。海外では、ベトナムとシンガポールに拠点を構え、各地域特有の探査ニーズに迅速な対応ができる業務体制を構築した。
「これからはグローバルな視点に立ち、蓄積してきた技術でSDGsにも貢献していきたいと思っています」
(ライター/斎藤紘)
商品価値高めると多様な注文相次ぐ
図案や文字などを施す
レーザー光を対象物に照射し、商品や贈答品、各種部品(パーツ)に素材の種類に関係なく、図案や文字、ロゴなどを彫刻やマーキング、切り抜きを施すレーザー加工で存在感を高めているのが『レーザープロ』代表の堀内勇示さんだ。芸術的な仕上がりの美しさから「商品の付加価値を高める」と評判になり、仕事量は増える一方だ。加工に使うレーザー機は、光の波長によって加工できる素材が異なるため、CO2レーザー機、YVO4レーザー機、UVレーザー機の3種類を使い分ける。それに研磨材を吹き付けて加工するサンドブラスト機も適宜使って加工する。対象となる素材は金属、ガラス、セラミック、プラスチック、アクリル、木材、本革、合皮、陶器、布、紙など多岐にわたる。
「加工のご依頼も様々で、木の表札、アクリル看板、ステンレス・スプーンとフォーク、タンブラー、ガラスコップ、銅カップ、陶器マグカップ、万年筆、ボールペン、Bluetoothイヤホン、革財布、紙化粧箱などはその一端です。 最近では県外の方にお祝い事の贈答品として贈る山梨県産の一升瓶ワインに祝いのメッセージを彫刻して喜ばれています」
堀内さんは、父が創業した「堀内貴石」に入社し、水晶などの天然石製品を手掛けていた約28年前、日本に輸入され始めたレーザー機と出合い、「開運・厄除けの意味がある水晶に縁起の良い文字や絵を彫刻できたら面白いのでは」と導入に踏み切り、「石に彫刻」をキャッチフレーズに始めたのがレーザー加工だ。 その後、流量計メーカーからガラス管への目盛り彫刻を請け負ったことを機にレーザー加工の専門工房にシフト、2019年に屋号を『レーザープロ』に変えた。
「お客様からお預かりした材料や商品に支給されたデザインやイメージデータを使用した委託加工が多いですが、要望があればオーダーグッズの企画、制作も行います。趣旨とご予算に応じて、どんなものが制作できるかご提案します。どこにでもある既製品(例えば100円均一商品)を利用することで低予算での制作も可能です。このレーザー加工されたものは、印刷と違い、洗浄しても熱を加えても消えることはありません。まずはお気軽にお問い合わせください」
山梨の地場産業である宝飾関係の会社からの依頼で、ダイヤモンドにマーキング、真珠に彫刻を施すレーザー加工の試作にも成功、その加工技術と芸術的センスを活かすシーンは広がる一方だ。
(ライター/斎藤紘)
https://laserpro.jp/
事業の柱になった蛇口凍結防止器具
主軸の設備工事にも力
「誰かのお困りごとを解決するアイデア商品の開発が好き」という自身の天性に従って開発した製品が企業業績を支える主力事業の一つになった経営者がいる。『有限会社明石設備』二代目代表の遠藤高史さん。その製品、蛇口凍結防止カバー「でるモン」は、同社が設備工事を手がけた保育園の関係者から冬季に水道の蛇口が凍結して苦労していることについて相談されたのをきっかけに開発したものだ。
「水道管の凍結を防ぐためにタオルを巻いたり、凍結したら電熱ヒーターで溶かしたり苦労しますが、その苦労を解消するのが『でるモン』です。工具を使わず、ワンタッチで取り付けることができ、しかも経済的です」
遠藤さんは保育園から相談を受けた後、3Dプリンタを購入し、使い方やプログラミングも一から勉強して試作品を作り、金型会社と形状について何回も擦り合わせて完成させたという。遠藤さんはさらに、『でるモン』を事業の柱にするため、量産体制を整えた上で、専門のオンラインショップも立上げた。保育園や幼稚園の水飲み場、マンションベランダの蛇口、工事現場の仮設水道、住宅の庭先や車庫などの水栓柱蛇口などに採用されるなど売り上げを伸ばしているという。
同社は、遠藤さんの義父が1980年に立ち上げた会社。建築設備工事の請負を主軸にマンション建設や老人施設、幼児施設、住宅建設などの工事で前進してきた。遠藤さんは大手輸入車ディーラーで整備士をしたり運送会社に勤めたりした後、結婚を機に経営を承継した。アイデア商品の開発に力を入れるは、経営環境も考えてのことだ。
「建設業界は、深刻な人手不足や材料の高騰など厳しい経営環境の中にあます。加えて、少子高齢化がこのまま進むと、十数年後には3軒に1軒が空き家になるとも言われ、空調や給水給湯設備などの工事の需要も落ち込み、仕事量が減っていくでしょう。そのような厳しい未来を生きていくには、新たに事業の柱になる仕事が必要と思いついたのがアイデア商品の開発です」
遠藤さんはこれまで、外出先で簡単に温かいミルクが飲める哺乳瓶やコンパクトエアコンなども開発してきたが、『でるモン』は商業ベースに乗ったアイデア商品の第一号だ。
「これからも設備工事と、人のためになるアイデア商品の事業を二本柱に厳しい経営環境を乗り切っていきたいと思っています」
(ライター/斎藤紘)
Eメール/akashi-setsubi@tbp.t-com.ne.jp
https://dellmon.jp/