日本が誇るビジネス大賞 2016


イギリス生活情報誌 
月刊
ミスター・パートナー
〒160-0022
東京都新宿区新宿
2-15-2岩本和裁ビル5F
TEL.03-3352-8107
FAX.03-3352-8605
有限会社 スリースターズ 代表取締役 
メイプル薬局 平群店 代表 永田哲彦氏

長崎県出身。九州の大学の薬学部で学び、薬剤師資格を取得。福岡の病院内薬局で約 3年、大阪の薬局で約4年勤務後、奈良・天理の薬店、ドラッグストアに転職。別の調剤薬局経て「スリースターズ」入社、経営権を得て2007年、「メイプルファマシー」FCとして『メイプル薬局平群店』開業。

薬剤師を目指した信念を胸に
地域住民の健康温かく支える

 生駒山麓に広がる奈良県内屈指のベッドタウン、生駒郡平群(へぐり)町で調剤薬局『メイプル薬局平群店』を営む「有限会社スリースターズ」の永田哲彦さんは、地域の人々の健康を温かく支えている薬剤師だ。薬局運営と並行して家庭や介護施設を訪問して服薬指導をしたり、地域包括ケア活動に積極的に関わったり、その活動は薬局でしか接することのない薬剤師に対する世間一般のイメージを変えるものだ。その原点には「人の健康を助けられれば」との思いがある。
「高校まで長崎県で過ごし、その後、九州の大学の薬学部に進学しました。薬剤師の道を志したのは、以前に私のいとこが心臓病を患ったことがきっかけでした。残念ながら、いとこは亡くなりましたが、その闘病生活、治療に懸命に励む医師の姿を見て 、私も医療に携わる仕事をして、人の健康を助けられればと思ったのです」
 卒業後、薬剤師の国家資格を取り、福岡県内の病院内薬局で勤務。その後、大阪の知人の薬剤師から誘われ、その手伝いで大阪の薬局に入る。さらに奈良県天理市の薬店、ドラッグストアで 約16年勤務した後、別の調剤薬局勤務を経て、『メイプル薬局平群店』を営む「有限会社スリースターズ」に入社、経営権を譲り受け、2007年に地域医療に貢献する調剤薬局グループ「メイプルファマシー」のフランチャイズ店として、3人の薬剤師をスタッフに営業を始めた。
「病院の場合、医師を頂点とした組織ですから、院内薬局の薬剤師もその一員として治療に携わっていくことになります。一方、調剤薬局はかかりつけ薬局という言葉も最近は使われているように、地域に根差した業務になります。院内薬局、薬店、ドラッグストアといろいろ経験したことを生かしながら、地域みんなの待合室と呼べる薬局を目指すメイプルファマシーの理念を実践していきたいと思っています」
一般的に薬局と言っても、医薬品医療機器等法上は条件によって名称が異なる。薬剤師のいない店舗では店舗名に薬局を使うことはできず、薬店とかドラッグストアなどの名称を用いる。また、調剤薬局は医療法で医療提供施設と位置づけられ、医療を提供する場と明文化されている。
 薬に関わる様々な業務形態での経験、医療提供施設としての役割などを背景に、永田さんの活動範囲は広がっていった。その一つが地域包括ケア活動だ。地域包括ケアは団塊の世代が75歳以上になり、高齢化がピークとなる2025年問題を乗り越える方策として厚生労働省が主導する政策。高齢者が人生の最期まで住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続ける上で必要な支援体制づくりを市町村ごとに進める。
「生駒郡では、個人として尊厳を保って生活できる社会を築く、健康で生きがいのある暮らしを実践する、地域において支え合う社会を築く、という3つの理念を掲げて、高齢者はもちろん、障がい者、子どもなども住みやすいまちづくりを推進しています。私はこれまで同業者をはじめ医師や看護師、介護士、ケアマネジャーなどとの人間関係を積極的につくるよう心がけてきました。地域の世話役として連絡調整などの形で地域包括ケアに関わり、そうした医療従事者たちが協力するネットワークの構築を進めています。病院を退院した患者さんを医療のプロたちが協力し合って支援していく地域医療の実現を目指して少しでも地域包括ケアの力になることが努力目標です」
 薬局経営といっても、来客を待つ受け身の姿勢ではない。医師からの依頼で患者宅を訪れて薬を届けたり、服薬指導したりする仕事にとどまらず、かかりつけ薬局として顧客宅を訪問して相談に乗ったり、介護施設に出向いて健康について指導したりしてきた。
「医師にはなかなか話せない、聞けないことでも、我々薬剤師に言って下さる患者さんは多いのです。薬や体調のことだけでなく、ご家族のことなどいろいろと話して下さる方もいます。ホームドクターと同様にかかりつけ薬局に対する要望はますます大きくなっていくでしょう」
 いとこを亡くした辛い経験から医療に携わる仕事を目指すようになった永田さんは、愛娘も病気で失うさらに辛い経験も持つ。
「健康の大切さを人一倍感じていますし、そこに携われる仕事に誇りを持っています。高齢化が進む時代、薬剤師の役割をしっかり自覚し、地域の健康を支え続けていく、これが使命と思っています」
(ライター/斎藤紘)

有限会社 スリースターズ メイプル薬局 平群店
TEL:0745-46-2170 FAX:0745-46-2171

株式会社 ダク・エンタープライズ
代表取締役 阿部龍治氏

神奈川県横須賀市出身。神奈川大学工学部電気工学科在学中、米国に私費留学。大学院工学研究科卒業後、日本IBM入社。1994年、父親が1969年に創業した『ダク・エンタープライズ』、1987年設立の『首都圏ビルマネジメント』に取締役として入社。2009年、代表取締役に就任。

不動産の仲介・管理が相乗効果
情報処理能力を生かし事業展開

 新虎通り(旧マッカーサー道路)開通により、昭和のオフィス街から平成の近代的なビル街に変貌しつつある東京、新橋・虎ノ門エリアを拠点に事業用不動産の仲介事業を展開する『ダク・エンタープライズ』の代表取締役阿部龍治さんは、2万件超の仲介実績を持つ同社と60棟超の不動産を管理・リフォームサービスを提供する「首都圏ビルマネジメント」を両輪に、システムエンジニアとしての情報処理能力で事業を大きく前進させてきた気鋭の経営者だ。
「不動産業界にもコンピュータが欠かせない時代になりました。日本IBM時代にシステムエンジニアとして培った経験を役立てたいと思い、父が創業した両社に役員として入社しました。社内の管理、営業、システムに関わる部門を支えながら、お客様に信頼される不動産コンサルタントとなることを目指して業務に向き合っています」
 社長の経営方針は両社の強みを最大化してクライアントのビジネスのさらなる発展を応援することが主軸だ。
「両社は業務内容ごとに分社はしていますが、適宜連携させることによってワンストップで不動産に関するサービスをご提供できるのが強みです。管理の良い建物には自然と良いテナントが集まる、これが当社の基本スタンスです。仲介業務と管理業務が一本化された窓口を通じてスムーズに行えるので、不動産オーナー・テナント・仲介業者にとってもメリットの高い交渉ができるのです」
 名刺にビジネスパートナーが9千人超・有資格70超(生涯目標100)と刷った阿部さん、様々な分野の専門家との人脈を生かしながら、新たな市場開拓に挑む。
「市場やクライアントに合わせて柔軟に変化させていくつもりです。日本に進出して不動産を売買及び賃貸する欧米や中国、台湾、シンガポールなどの海外の企業が増えていますが、そうした場面で海外の中小企業をサポートしていきたいと思っています。国内外問わず、異業種ビジネスパートナーとのコラボレーションにより強みを発揮できるプロジェクトも推進中です」
(ライター/斎藤紘)

株式会社 ダク・エンタープライズ
TEL:03-3574-9651 FAX:03-3571-7587 Eメール:aberyuji@daku.co.jp
ホームページ http://www.daku.co.jp/

スペースプロ 一級建築士事務所
代表 岡田俊彦氏

兵庫県出身。神戸大学工学部環境計画学科卒。1989年、一級建築士登録。梓設計に入り、意匠設計チーフとして活躍。2004年、独立して『スペースプロ 一級建築士事務所』設立。福祉住環境コーディネーター。兵庫県建築士事務所協会・兵庫県建築士会会員。神戸大学工学振興会会員。
卓抜の設計でスペースを演出
狭小な建築空間活用に新手法

 山、川、海を表した物語性のある坪庭を雪見障子越しに望む和室、吹抜けのある開放的で明るいリビング。『スペースプロ一級建築士事務所』の代表岡田俊彦さんの設計になる僧侶の庫裏を兼ねた邸宅。和と洋を違和感なく結合させた快適な住空間の形成が、施主の感性、想いに沿ってスペースを美しく演出する匠の技を象徴する。
「住宅はそこに暮らす人の知性と感性、暮らしぶりが街に表出される構造物です。設計に当たっては、敷地を越えた空間の広がりを大切に、快適で広々と感じて頂ける空間づくりを行います。暮らす人に楽しく豊かな空間、大好きな場所と思って頂ける住空間のデザインを描きながら、同時に通りを歩く人々が心地よい空間と感じられる雰囲気づくりも大切にして、建築スペースに相応しい姿を形成していきます」
 1989年に一級建築士登録をして以降、大阪伊丹空港空間アメニティ、ポートライナー神戸空港駅などのデザインの提案、コンペの当選などで高評価を獲得、スペースデザインのスペシャリストとしての地歩を固めてきた。大型企画に止まらず、狭小なスペースにも技術を生かす。その一つが「木(もく)テナー」による建築。
「木テナーは長さ5m、幅2m、高さ2.5mの木製コンテナー状のモジュール。これを連結させて必要な面積の住宅を作る新しい建築手法を提案しています。10坪以下の土地でも単身者や夫婦二人暮らし向けの住宅、別荘、事務所などが建てられ、普及の可能性は広がっています。今、明石事務所に2階建木テナーをモデルハウスとして公開中です」
 個人住宅、集合住宅、オフィスビル、医院、福祉施設などの設計を手がけてきた岡田さん、絵画や音楽、ガーデニング、車、ペット、料理、家具調度類など幅広い分野の知識も貪欲に吸収してきた。それが独自の設計思想を育み、スペースの演出に表出し、「面積や価格では測れない、豊かで楽しい大好きな家」の形成に結実する。
(ライター/斎藤紘)

スペースプロ 一級建築士事務所
TEL:078-946-8880 Eメール:okada-888@ninus.ocn.ne.jp

株式会社 K15建築設計事務所
代表取締役 上村允郎氏

鹿児島県・屋久島出身。高校までを屋久島で過ごし、大学進学のために大阪に移住。卒業後、大阪の建築事務所に就職、転職を経て大規模修繕工事の仕事に出会う。その分野での経験を積み、独立して2012年に『K15建築設計事務所』を設立。マンション管理基礎セミナーなどで講演も行う。
団地のスラム化回避で構想
外付けエレベーターがカギ

 経済成長と共に都市郊外にベッドタウンとして形成された4、5階建ての団地の住民が高齢化し、階段の上り下りの苦労を嫌って転居するケースが増えているという。この事態が進行すれば団地の空き室率が高まり、スラム化を招きかねない。老朽マンションなどの大規模修繕工事コンサルタント事業を展開する『K15建築設計事務所』代表取締役の上村允郎さんはこの事態に着目、団地のスラム化を回避するプロジェクトを構想、その実現に向けて動き出した。その柱はエレベーターの設置。
「築40年を超す公団住宅は建築基準法でエレベーターの設置義務のない4、5建て。その一つ、神戸市郊外の約30棟が建つ大団地の空き家が目立つ分譲エリアを対象にエレベーターの外付けによって団地を甦らせるプロジェクトで、様々な角度から検討を進めています」
エレベーターの設置を可能にする条件整備が課題だ。
「公団住宅の大半は階段の両側に居室がある階段室型。敷地も広く、エレベーターを外付けできるスペースがあります。工事自体はエレベーターと階段の踊り場をブリッジで結ぶだけで済みます。これを実現するためには住民の合意形成、資金計画の作成、公的助成、エレベーターに関する規制の緩和などが必要であり、自治体や国を巻き込み、エレベーターメーカーと提携することも視野に入れています」
 上村さんは、空き室の有効活用も構想する。高齢の居住者との交流を条件に学生に格安で高層階の空き室を提供し、大学に学課履修の1単位と認めてもらう方法だ。エレベーターを外付けし、企業に賃貸住宅として丸ごと一棟買いしてもらう方法も選択肢として提案する。
「団地住民の高齢化から発生する問題は全国に共通し、放置できない社会的な課題。そのソルーションとなるモデルケースとして賛同してもらえるようプロジェクトを軌道に乗せたいと思っています」
(ライター/斎藤紘)

株式会社 K15建築設計事務所
TEL:06-6809-4303 FAX:06-6809-4304
ホームページ http://www.k15.co.jp/

京葉建設工業 株式会社
代表取締役 久保田直樹氏

東京三鷹市生まれ。木更津へ引っ越して20年になる。学業終了後、溶接工として働く。その後自分の技術を磨くべく、とび職、鉄筋、塗装を学び、21歳でとび職として独立し、29歳でに法人化する。この家族と仲間を大切にする若き経営者を多くの人が慕っている。
高い人間力で大きな目標に
向けて邁進する若き経営者

 千葉県木更津市でプラント工事や建設工事、仮設工事・足場施工・管理を手掛ける『京葉建設工業』。代表取締役の久保田直樹さんは、21歳で鳶職として独立し、順調に業績を伸ばした後、29歳の時に、大手企業との契約を機に法人化を果たす。そして35歳までに10億円の売上げをあげることを目標にがむしゃらに突き進んできた。
「1年前に比べて仕事量は倍になり、売上げは倍になっています。人数は変わっていないので、仕事が増えた分忙しくなってはいますが…。独立した当初は、仕事がいくらあっても、資材やマンパワーが足りずに請け負ってもこなすことができないので、1日いくらで仕事をする『常用』という契約でしか仕事を受けることができませんでした。1つの案件当たりいくらという『請負』契約で仕事ができるようになったのは、5〜6年経ってからです。『請負』の場合は、資材や人件費の増加などで赤字になることがあります。当時は下請けさんを使わず社員だけでやっていたので赤字は最低限に抑えることができ、仕事を増やして挽回していきました。仕事の件数と量が増えてくると、その仕事をこなすために資材が足りなくなります。そこで足場を組むための資材を自己資金だけで購入しました。さらに資材置き場として借りていた土地が買い上げられることになり代替地を探していたところ、運良く紹介された地主さんから600坪の土地を格安な価格で購入することができました。2015年はその土地を1000坪に拡張し、資材置き場の他、機材整備のためのヤード、簡単な内作ができる小さな工場を整備しているところです。また弊社は現在無借金経営です」。このすばらしい躍進の鍵のひとつは、出会いや縁を大切にする久保田さんの人脈と、それを可能にした人徳に他ならない。
 久保田直樹さんは、2017年の2月に35歳を迎える。「ここが正念場とがむしゃらに突き進んでいます。目標まであと一歩という数字ではないが、大きな目標を掲げたからこそここまで来られたと思っています。そしてこれは社員一人ひとりのおかげでもあります。以前は私が会社を引っ張っていましたが、今は社員一人ひとりが会社を動かしています。それはひとえに社員が成長し、社員だけで機能する会社作りができてきた結果だと思っています」。その逞しい行動力で会社を牽引する久保田さんにとって、まさに2016年は挑戦の年である。
(ライター/後藤宏幸)

京葉建設工業 株式会社
TEL:0438-98-7140 FAX:0438-98-7140 
Eメール:keiyokensetukogyo@db4.so-net.ne.jp
ホームページ http://www.kasetsu.biz/keiyo/

株式会社 洸成
代表取締役 平井雅祟氏

福岡県出身。小学校、中学校と野球に打ち込む。高校卒業後、地元の建設会社に入社。男気溢れる社長のもとで、技術の研鑚を積む。社長の急逝をきっかけに独立。堅実な仕事ぶりで信頼と実績を積み重ねる。
謙虚に、そして実直に取り組む姿が、
信頼を産み、実績を重ねる建設会社

「当たり前のことですが、どんな仕事でも、誠実にしっかりとやり遂げ、お客様のご要望にお応えすることが何よりで、それが信頼につながっていくと常に肝に銘じて業務にあたっています」。福岡県で総合建設業を手掛ける『洸成(こうせい)』の代取締役表平井雅崇さんの仕事ぶりは、誰が見ても謙虚で実直そのもの。その姿勢が高い評価と信頼を得て業績を着実に伸ばしている。
 平井さんのこのような姿勢は、かつてお世話になった建設会社の社長から学ぶところがとても多かったという。平井さんは高校に進学すると建設業界でアルバイトを始めた。当初建設の仕事は誰にでもできると甘い考えを持っていたが、仕事を始めると奥が深く、次第に仕事にのめり込んでいった。高校を卒業後、地元の建設会社に就職。その会社の社長が、その後の平井さんに大きな影響を与えた。「入社してすぐに、公共事業の現場をいきなり2つも任されました。アルバイトの経験しかなく、まだまだ修行中だった私は、役所との打合せもどうしたらよいかもわかりませんでした。しかし、任されたからにはやり遂げるしかないと、覚悟を決めて必死に取り組み完遂することができました。とても剛胆で男気溢れる社長から、仕事の技術や知識だけでなく、人として一人の男としての生き様を学ぶことができました。この社長のもとで経験を積むことができたからこそ、今の私があると思っています」。しかし、務めて6年目にその社長が亡くなり、会社もなくなってしまった。そのため独立を決意。最初は資金繰りなど大変苦労したが、一つずつコツコツと仕事を進めることで、次第に人とのつながりが増え、創業18年を経て法人化することができた。
「今は人との絆を最優先にしています。一人暮らしの高齢の方から仕事を受けた時は、仕事が完了した後も、その方の様子を見に家に寄ったり、草の刈り取りを一緒にしたりしています。昔の自分には考えられないことですが、今まで良い経験も悪い経験も積み上げてきたからこそ、このような姿勢が身についたのだと思います。これからも周囲の人たちとのつながりを大切に、一つひとつの仕事を着実にやり遂げて、信頼を積み重ねていきたいと思います」。
(ライター/後藤宏幸)

株式会社 洸成 こうせい
TEL:093-434-9440

株式会社 アイ・フォーメイション
代表取締役 泉三朗氏

東京都板橋区出身。建築系の専門学校を卒業後、ゼネコンに入社。約6年間勤務後、他のゼネコンに移り、約6年間勤務した後、先輩が立ち上げたリフォーム会社に転職、部長職を務める。経営悪化で退職後、個人事業主として独立、『アイ・フォーメイション』を設立、2006年、法人化。
技術力が光る内装工事のプロ
景気の荒波乗り越え努力結実

 住宅、商業施設、オフィスなどの内装工事、リフォーム、原状回復工事で、高い技術力を支えに首都圏で業績を伸ばしている会社がある。東京・東池袋の『アイ・フォーメイション』。景気変動の荒波に耐えながら誠実に仕事と向き合い続け、技術とノウハウを蓄積してきた社長泉三朗さんのひた向きな努力が牽引力となって、スタッフの職人たちの士気を高め、仕上がりの確かさと美しさを実現してきた成果だ。
「部長職で働いていたリフォーム会社がバブル崩壊で経営が悪化し、退職を余儀なくされ、独立後も10年ほど苦しい時期をすごしました。不況の煽りを受けて倒産する発注元が多かったのです。工費をいただけず、外注費は払わなければならい。被った損失は数千万円単位にも及びました。支払いを猶予してもらいながら、仕事の質が落ちないように努力を重ね、何とか危機を脱することができました」
 専門学校を卒業後、ゼネコンに就職し、現場監督としてキャリアをスタートさせた泉さんは6年ほど勤めた後、会社関係者の紹介で別のゼネコンに移って6年ほど勤め、さらにリフォーム会社を立ち上げた先輩から協力を求められて転職、経営悪化で退職するまで内装工事、リフォーム技術に磨きをかけ、ノウハウを構築していった。
「内装工事専門会社として、天井や壁などのクロス張替え、床材の張替え、退去時の原状回復工事、間仕切り工事、店舗のモデルチェンジ、電気配線工事、LAN工事など幅広く手掛けていますが、受注は順調に推移し、工事予定は先々まで埋まっています。ご要望に合わせて自由自在にデザインしオリジナリティの高い内装を実現する能力、細部までこだわる高品質の施工、美観を保つ快適な空間の演出、迅速な対応が評価された結果であり、それを叶える技術と熱意を持って現場で励んでくれている職人さんたちには心から感謝しています」
(ライター/斎藤紘)

株式会社 アイ・フォーメイション
TEL:03-5956-6431 FAX:03-5956-6476 Eメール:info@i-formation.jp
ホームページ http://www.ai-formation.jp/

株式会社 oriharamiki design office
代表取締役 折原美紀さん

宮城県出身。高校卒業後、地元の銀行に就職。退職後、インテリアコーディネーターを目指してセミナーで学び、進路を空間デザインに定める。設計施工会社に勤めながらデザインを学ぶ。1996年、個人事務所開設。2011年、『oriharamiki design office』設立。JCDデザイン賞など受賞入選歴多数。
豊かな感性が創造する先進性
時代の潮流映す空間デザイン

「相手の希望や価値観を咀嚼し、自分というチャンネルと周波数を合わせ、自分にしかできない答えを導き出す」。レジャーホテルや飲食店などの洗練されたデザインで声価を高める『oriharamiki design office』代表取締役折原美紀さんが美しさや利便性の追求で一貫して持ち続けているスタンスだ。銀行員から一転、全く異質なデザインの道に進み、人一倍の努力を重ねて磨いた技術と感性が豊かな創造力の源だ。
「サービスというソフト面を向上させるには、空間というハード面が大事であり、最初の入り口が肝心です。飲食店の場合、まずテーマをうかがい、物件を見学し、お店に立たれるスタッフの方たちにもお会いします。オーナーの方と参考になるお店を見て回ることもあります。希望をお聞きし、問題意識を共有し、熟慮すれば工夫やアイデアが浮び、デザインだけではない使い勝手のいい空間ができるのです」
 銀行を退職後、インテリアコーディネーターを目指してセミナーで学び、講師の手伝いをする中でデザインに進路を定めた。設計施工会社で経理を担当しながら時間を惜しんで図面の書き方などデザインの技術を学んだ。独立後、次々に生み出す商業空間の先進性で注目される。それを支えているのは、時代の潮流を読む確かな視座だ。
「デザインの傾向は大きな流れの中で、細部は半年程度で変化していきます。その細部の最新傾向を付加することで、いま風のイメージが構築されていきますが、利用者の好みの変化を読み取らなくてはなりません。例えばレジャーホテルについて20〜30代の女性にリサーチしたところ、華美さではなく、自分の感性や価値観を満たすことを重視しています。そうした傾向を的確に捉え、利用者の心をくすぐる空間を創造することがオーナーの希望を叶える道につながるのです」
 デザインに輝きを与えるオリジナリティが注目度を高め続ける。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 oriharamiki design office
TEL:03-6451-4568 FAX:03-6451-4588 Eメール:oriharamikidesignoffice@gmail.com
ホームページ http://www.oriharamiki.com/


[イギリス生活情報誌]月刊 ミスター・パートナー 〒160-0022 東京都新宿区新宿2-15-2 岩本和裁ビル5F TEL.03-3352-8107 FAX.03-3352-8605