日本が誇るビジネス大賞 2019


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代表取締役
根石高宏 さん
演歌歌手のマネージャー業を約4年経験後、不動産業界へ転進。マンション販売を手がける中で「フラット35」に惹かれ、同商品を扱う代理店に転職。約7年間修業し、2015年『FBモーゲージ株式会社』設立、代表取締役に就任。
夢のマイホーム実現サポート
固定金利「フラット35」推奨

状況見極め最適解提案
保証料・保証人も不要


「このローンを使えばもっと多くの方が家を購入する手助けができるのではないか」。住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」の販売を行う代理店『FBモーゲージ』の社長根石高宏さんが、「フラット35」のブランディングに携わるようになった動機だ。その思い通り、マイホームを夢見る人たちの相談に親身に対応し、ライフプラン、経済事情に最適な商品の提案で着実に融資件数を増やしてきた。
 「『フラット35』の対象となる住宅は、住宅金融支援機構の技術基準に適合していることなどの条件がありますが、最大の特長は最長で35年間、借入時の金利が最終返済まで変わらない全期間固定金利であることです。借入時に返済額が確定でき、毎回の返済額が一定なので、将来設計が立てやすいのがお客様にとってのメリットです。またフラット35には親が主債務者、子供が連帯債務者になり、双方の収入を合算してローンの申請ができる親子リレーという仕組みもあります。さらに、一般的な住宅ローンの借入れに必要となる保証料はかかりませんし、保証人も必要ありません。返済方法の変更でも手数料はかかりません。他のローンに比べ優位点が多いのが『フラット35』の特長です」
『FBモーゲージ』に相談に訪れる顧客の大半が、銀行ローンの審査が通らなかった、希望通りの融資額が得られなかった、希望の条件を得られなかった、将来の金利上昇が不安といった人たちだという。
 マンション販売会社に働いていた時に「フラット35」の存在を知ったという根石さんは「フラット35」の利点に感心し、自ら勉強して理解を深め、「フラット35」を扱う業界大手の代理店に転職、営業として全国トップの成績を残した後、組織に縛られず、自分のやり方で思う存分やってみたいと独立した。
「私はこれまでの経験をもとに、 社員にも惜しみなくノウハウを伝授し、営業手法は各々の個性に任せていきたいと考えました。その中で私独自の方針としてノルマを一切設けないことにしたのです。ノルマを課してしまうと契約を取ることだけが目的になってしまうからです。そして何よりも大切なことは、お客様にローンを組んだ後の未来をイメージしてもらうこと。理想の未来のために私たちがお役に立てるなら、 契約は自然についてくるものだと確信しています」
 ゆくゆくは住宅ローンだけではなく、 顧客の人生のパートナーとして、 ライフイベント全体の相談を受けられる体制を築くことを目標に根石さんは前進し続ける。
(ライター/斎藤紘)

FBモーゲージ 株式会社
TEL/048-658-3535 Eメール/info@fbm35.com
ホームページ https://fbm35.com/

代表取締役
上村允郎 さん
大学卒業後、大阪の建築事務所に就職、転職を経て大規模修繕工事に出会う。2012年『K15建築設計事務所』設立。NPO法人集合住宅改善センター設計監理事業部長。耐震総合安全機構会員。

上中:『株式会社K10 DESIGN FARM』
代表取締役 上村昂平さん
中左:マンションの大規模修繕。昭和40年代に旧耐震基準で開発された神戸市の団地の再生を目指すプロジェクトを主導。
中右:『Magazine rack』『Slippers rack』『Shelf』
デザイン分野に新風吹き込む
競争力強化に気鋭の戦力投入

価格維持と満足度両立
設計事務所の業容拡大


 ガラスの家で知られるフランスのインテリアデザイナー、ピエール・シャローのデザイン感覚を学んだ若き建築デザイナーが新風を吹き込む。マンションなどの修繕コンサルティングを中心に新設建築物の設計や老朽化した団地再生まで手掛ける『K15建築設計事務所』の所長上村允郎さんが2019年2月、子息の建築デザイナー昂平さんを社長に『株式会社K10 DESIGN FARM(ケイイチマル デザインファーム)』を設立した。デザイン力が求められる様々な分野を視野に、新たな価値の創造で市場を開拓する競争力強化策だ。
 昂平さんは、神戸芸術工科大学環境建築デザイン科で学び、卒展で奨励賞を得た「ーkaamー可愛い椅子には旅させよ~家具と建築の関係性ーピエール・シャローのガラスの家における金属フレームについて」で独自性をデザインで表現する力量を示した。その独自性は作品のコンセプトから鮮明に伝わる。
「椅子に対するこれからの新しい価値観や所有の仕方を示すことで、建築や都市の在り方にまで変化を及ぼしていく。椅子と建築の関係性は空間的な美しさのみが重視されてきた。しかし椅子を都市スケールで見ることで椅子が広告の媒体となり、椅子が人と都市を繋いでいく」
 上村さんはこれまで、電磁波レーダーなど最新鋭の探査器機を用いた検査で実績を重ねる1984年創業の「非破壊調査SST研究所」、タイル張りのマンションに高耐候性を付与して変色、剥離などを防止する機能性コーティング材のメーカー「ピアレックス・テクノロジーズ」、団地再生のノウハウを持つ「あつまり暮らすと」などと連携し、自社事業の推進力を高めてきた。加えて『K10 DESIGN FARM』を設立した背景には、建設設計分野の競争が年々激化し、価格低下圧力が増していることに対する危機感がある。
「当事務所ではクライアントが年々増えていますが、価格を維持しながら顧客満足度を上げる方策として、これまで培ってきたノウハウやスキルに加え、多様なニーズが存在するデザイン分野を強化して業容を拡大することが必要と判断し、グループ会社として新しい会社を立ち上げました」
『K10 DESIGN FARM』は『K15建築設計事務所』の一角に事務所を構え、建物の特殊なデザイン、パッケージデザイン、新規商品の開発・デザイン、販売支援、パンフ作成、ホームページ作成、店舗設計・デザイン、メニュー支援、ユニホームなどの総合的なデザインを担う。「優れたデザインには優れた知性と感性が宿る」という上村さんの信念を形にする新たなステージとなる。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 K15建築設計事務所
TEL/06-6809-4303 Eメール/k15-kamimura@yahoo.co.jp
ホームページ http://www.kei-ichigo.com/

創業24年、地域密着、リフォーム一筋。最先端のデザイン、入居者様の求めるデザインでリフォームを提供。

代表取締役
中井宏樹 さん
大学卒業後、大手不動産会社に勤務。大規模マンションの開発に取り組む。地元のために活躍すべく、警察官の道へ。先代の社長である母の薦めと不動産経験、警察官のリアルな防犯知識などを活かし、会社を後継。
異色の経歴を事業に活かす
地域密着のリフォーム会社

キャッチフレーズは
「リフォーム110番」


 三重県津市でリフォーム事業を展開する『株式会社セントラルリフォーム』。地域密着の企業として豊富な実績を誇る。〝できることはすべて自社で〟というモットーの通り、リフォームの提案・施工はもとより、畳の製造から不動産管理までを幅広く実施している。特に、経験豊富な職人による丁寧な施工は、評価が高い。床の施工では、耐久性を考慮して釘ではなくビスを用いたり、クロス施工時にはスイッチプレートまで清掃するなど、きめ細かな配慮も住み心地を左右する大きなポイントとなっている。また、アパート・マンションのリフォームも数多く手掛けるとともに、賃貸管理事業までを行い、オーナーを手厚くバックアップしている。さらには、空家・古屋の管理サービスも実施。定期的な巡回を行う他、「売りたい・貸したい・活用したい」といった相談にも対応している。
 代表取締役中井宏樹さんは、大手不動産会社でマンション開発に携わった後、地元に貢献すべく警察官として勤務していた異色の経歴の持ち主。前者の経験は、同社ならではの高いデザイン性として結実。高級デザイナーズマンション開発で得た知見を活かし、アパート・マンションにも上質なリフォームを提案。エリアのニーズを把握し、流行や入居者が求めるデザインを取り入れた、戦略的なリフォームを実現している。入居者が気にするポイントにデザイン的なリフォームを施すことによって、入居者アップにもつながっているそうだ。また、後者の経験で得たリアルな防犯知識をリフォームに活用している点も特徴。防犯性の高い鍵や窓の導入、侵入抑止に効果のある玉砂利の敷設から、的確な防犯カメラ・監視カメラの設置まで、より安心なリフォームの提案へとつなげている。
 同社のキャッチフレーズは、「リフォーム110番」。「小回りのきく」「迅速かつ安全な」「地域密着型」の企業として、お客様のご要望にきめ細かく応えている。リフォームは、安心・安全第一で、地元を熟知する会社に頼みたい。また、今までのノウハウを生かした三重県初のリノベーションスタジオを現在企画中で、夏ごろオープン予定。
(ライター/ナガノリョウ)

株式会社 セントラルリフォーム
TEL/059-227-1115 Eメール/crm110.nakai@crm110.jp
ホームページ http://crm110.jp/

ガレージの施工など何でもおまかせを。ご相談下さい。

代表取締役
宍戸信照 さん
神奈川県出身。『有限会社信和土建』を創建した父親の「仕事は見て覚えろ。ワザは盗むもの」という教えを胸に経験を積み、27歳のとき事業を継承。個人事業主の職人たちと協力し合い施工。基礎工事の配筋マイスター、転圧マイスター。
土木技術の評判が仕事を呼ぶ
専門の基礎工事以外でも実績

妥協を許さぬ仕事ぶり
30年超の経験を生かす


 建物の寿命を左右する土台。完成すれば見えなくなり、手抜きも欠陥も許されないこの土台を作り上げる基礎工事を担って30年超、基礎工事のマイスターの称号を持つ『信和土建』の社長宍戸信照さんの元には基礎工事以外の仕事も舞い込む。妥協を許さぬ厳格な仕事ぶりに信頼を寄せる設計士や建設業界関係者からの協力要請や評判を人づてに知った施主からの直接の依頼による工事だ。宍戸さんは基礎工事で培った技術と機械・道具類で対応できるものは快く引き受け、施主に笑顔をもたらしてきた。
 東京・町田市のシャッター付き賃貸用ガレージ8棟のコンクリート打設、横浜市の高い台に建つログハウスの裏側傾斜地の土留めと階段設置、古い建物百選に選ばれた酒造会社のお城のような複雑な形状の建物の台風で破損した屋根の修復工事を受注した工務店から協力要請された足場工事、東京・青梅市のランを育てている花卉農家のビニールハウス拡大に伴う50mの擁壁構築、材木店の土間工事と階段作り変え、基礎工事を請け負った子供支援センターの追加依頼による外構整備……。基礎工事以外で依頼された工事の施工例から浮かび上がるのは、土木工事技術の幅広さだ。
 宍戸さんは、住宅検査専門会社ホームリサーチ社が優れた建築職人を顕彰するマイスター制度で、全国にわずか10人のみという最高レベルの三ツ星と認定された配筋マイスター、転圧マイスター。現場では建物の正確な位置を出す丁張り作業は昔ながらの水糸を使って誤差を最小化する。穴掘りは原則として機械を使わず、スコップで根気よく掘り進める。その後の砂利引きもコンクリートの厚さが変わらないように土質を見極め、砂利の大小を判断しながら引いてゆく。コンクリートの表面をならす作業も兵庫の伝統工芸師の作ったコテで丁寧に進める。鉄筋も既製品を使わず、自社加工場で加工する。その数、大小数千本。継ぎ足しが必要ない7・5mの鉄筋も作っている。
 工事の周辺への影響にも気配りし、生コン車も入れない狭小な路地裏のアパート建設の基礎工事では、その誠意ある仕事ぶりに感服した近隣住民が駐車場の使用を申し出でくれたこともあったほどだ。
 次々に来る仕事を丁寧にこなしてきた宍戸さんの背中を見てスタッフも成長する。人が嫌がる仕事を率先して始めるスタッフの様子に宍戸さんは目を細める。職人の面倒をみたり、資材を現場に運んだりして仕事が円滑に進むよう支えてきた妻の直美さんの支えを受けながら、土台づくりに傾ける情熱は今も熱い。
(ライター/斎藤紘)

有限会社 信和土建
TEL/042-763-4443


代表取締役
内藤和広 さん
学業修了後、溶接会社に入社。調理師の親に倣い料理人の道へ転向。ゴルフクラブ内のレストラン勤務を経て江ノ島のホテルで料理長を務めた後、建設業界に転進。2009年『NAITO・エコ総合建設』創業、2015年、法人化。
仕上がりの美しさ徹底追求
外構工事で示す職人の信念

価格を可能な限り抑制
環境に優しい工法採用


 神奈川県秦野市の『株式会社NAITO・エコ総合建設』は、受注可能な工事が主力の外構工事をはじめ造成、舗装、増改築、内装、造園、電気、解体、給水、排水、左官、板金など多岐にわたり、土木関連の多様なニーズに応えてきた会社だ。士気の高いスタッフを牽引する代表取締役内藤和広さんは、ホテルの料理長から建設業界に転じた異色の経営者。工事の種類を問わず、職人として妥協しないのは仕上がりの美しさだ。
「どんな工事であれ、仕上がりが大事です。特に外構工事は、建物の外観を仕上げる仕事であり、見る人の第一印象を左右する重要な役割を担っているという意識を持って、仕上がりの美しさにはこだわり続けたいと思っています。仕上がりの美しさを達成するには、土台づくりから外観形成に至るプロセスを精緻、整然と進めることが求められますので、お客様に喜んでもらえるよう美しい仕上がりを追求するというスタンスをスタッフが共有し、作業に臨んでいます」
 同社が持つ技術は多岐にわたるが、業務は大きく分けて、主力の外構工事、造成工事、公共工事に分けることができる。外構工事では、石張りのアプローチやカーポート、ヨーロッパ風のイメージやウッディなデザインのエクステリアなど数多くの施工実績を重ねてきた。
「建物の外にある構造物を指す外構は、経年劣化や家族構成、居住環境の変化によって当初の満足度は失われ、改修が必要と感じるときがやってきます。災害防止や人的被害防止の観点からも定期的に見直す必要があります。当社はこうしたニーズに対応し、自社施工によって中間マージンを省いた安心価格で施工する体制を築きました」
 造成工事は、山や斜面などの開発可能な状態への整備、急斜面上や軟弱地盤などでの擁壁構築、農地や山林、荒れ地などの整備、集合住宅などの宅地造成など広範囲の工事も請け負う。公共工事は、道路改良工事や河川工事、護岸工事などにも対応可能だ。現在は、秦野・二宮・平塚・小田原を中心に神奈川全域を網羅する。
 リーマンショックの不況を乗り越え、スタッフの士気を高めながら前進してきた。物を大事にする施工で、無駄のないように時間と物の効率を考えながら、施工に応じてコストを下げることもできるが、特に施主さんの注文に応え、品質や仕上がりを喜んでもらえるように心がけている。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 NAITO・エコ総合建設
TEL/0463-68-0257 Eメール/naito_eco@yahoo.co.jp
ホームページ http://naito-eco.com/


代表
君島総一 さん
一級防水施工技能士取得。特定化学物質技能講習修了。大阪府知事建設業許可取得。2005年『君島防水工業』開業。
建築の美観を保つ防水工事
現地調査・見積もり無料

大阪市を中心に
関西一円で活躍中


 築年数が経過してくると、どんな堅牢に見える建物であってもいろいろなところに何らかの支障が出てくる。その一つが、雨漏りによる被害だ。どこからともなく進入する雨水に対して早めに対策をしておかないと大変なことになるのが実情だ。
 大阪市を中心に関西一円で、あらゆる状況の防水工事を請け負っている『君島防水工業』は、建物の美観を損なわない工事を行っていると好評だ。防水スペシャリストであるがゆえに、他の工事会社では断られるような複雑な場所や環境でも対応可能だ。
 外壁などのあらゆる箇所には、「ウレタン防水」を施す。ウレタンを塗るだけで防水層を形成できる工法だ。複雑な形状箇所にも隙間なく施工できるので多くの場所で利用される。素材がゴムなので軽量で動きにも強いという特長がある。
 屋外の防水には、「塩ビシート防水」がオススメ。屋外での日光による紫外線、熱、オゾンに対し、優れた耐久性を持ち、素材自体の耐久性も高いため、維持管理費を節約することができる。
 ベランダ・廊下・バルコニーには、「長尺シート防水」がよい。マンションの廊下やベランダ、学校や病院の床などは、長尺のプラスチック系の床仕上げ材で色はもちろん、柄や凸凹の形状まで比較的に自由に選べる。仕上がりはとてもきれいだ。
 施工依頼の中には、前施工の失敗が原因で漏水しているケースもあるという。『君島防水工業』では、現地調査を念入りに行って、どのようにしたら最高の仕上がりになるかを見積もってから施工に入る。完全自社施工なので安心して任せられる。
 防水は、建物を劣化、老朽化から守り、その資産価値を維持するという効果もある。特に、最近多い台風やでゲリラ豪雨で雨漏りの被害に遭っている家が多い。素早い応急処置も行ってくれるのでありがたい。
(ライター/吉尾訓明)

君島防水工業
TEL/090-9999-4873 Eメール/info@kimibou.com
ホームページ http://www.kimibou.com/

上:『株式会社ナガラ』創業40周年記念、代表取締役会長早瀬實さん「旭日単光章」受賞披露パーティーの模様。(2019年3月ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋)
2段目左:1,500トン大型プレス
3段目左:<本社工場>
下:<三重工場>三重県桑名市多度町御衣野奥ノ谷1453-2

代表取締役会長
早瀬實 さん
工業高校卒業後、プレス加工会社に就職、金型製作の必要性を上申。米国開発の通信教育を受講して科学的な金型製作技術を学ぶ。1979年『株式会社ナガラ』創業。2017年、代表取締役会長に就任。東京大学大学院精密工学科の外部講師。
金型製作で旭日単光章を受章
自動車メーカーの成長支える

マジックと称された技術
歩みをたどる著書を出版


 各分野で顕著な功績のあった人たちに授与される旭日単光章。この勲章を2018年の秋の叙勲で受章した『株式会社ナガラ』の会長早瀬實さんは、自動車部品の精緻を極めた金型製作で自動車メーかーの成長を支えてきた技術系経営者。その受章を祝福する会が2019年3月、名古屋市のホテルで同社の創立40周年記念式典に合わせて開かれた。政財界からの招待者を含め、300人を超える出席者の拍手を受けながら、勲章を胸に登壇した早瀬さんの胸に浮かんだのは、勲章授与後、天皇陛下に拝謁したときと同じ想いだ。「金型づくりを続けてきて本当によかった」。
 工業高校の機械科を卒業後、就職したプレス加工会社で技術者として歩み始めた早瀬さんは、ミシン用小物プレス部品の加工からスタートし、冷凍機のバルブ弁、機械式計算機、毛糸編機などの製作に携わりながら技術を磨き、その技術力は「早瀬マジック」と賞賛された。その後、プレス金型設計に関する米国開発の通信教育を受けたのを機に、金型製作の世界に軸足を移していった。三菱重工から依頼された国内初となる飲料用自動販売機の製作では、英語で書かれた米国の図面を解読、パーツ用の金型を作った。この飲料用自動販売機は、2018年に国立科学博物館が選定する未来技術遺産に加えられた。
 三菱自動車工業依頼のエンジン用冷却ファンの金型製作を担当したのが、独立起業後、主力となった自動車部品の金型製作の第一歩だ。今では、国内の自動車メーカー全ての部品の金型を製造するまでに『ながら』を成長させた早瀬さんは、電気自動車化が加速する動向を視野に最新鋭の機械をそろえた新工場棟を三重工場に増設、時代の変化に対応できる金型技術を追求する意欲が燃え続けていることを示した。
 その早瀬さんには、もう一つの顔がある。家業の農業を引き継いだ農家の顔だ。スケジュール手帳には農作業の日程も書き込まれ、採れたての新鮮な野菜を社員たちに配ってきた。この野菜が社員の元気の素になるだけでなく、モチベーションをも高めてきた。こうした歩みを振り返り、2019年3月に出版した著書「夢こそ力 挑戦する不屈の金型屋」で早瀬さんは金型製作の真髄に触れている。
「金型は、良質の工業製品を生産するうえで、絶対にかかせない重要なもの。プレス部品は金型に金属板を押し当てて加工することにより生産される。このとき、金型の形状が悪いと部分的に無理な力が加わり、均質な製品に仕上がらない。このため、金型づくりを担う技術者は最新の注意を払い、プレス時の材料の状態を考えながら理想の形状を追求していく。もっと金型づくりの技術を磨いて、多くのメーカ―の期待に応えていきたい」
(ライター/斎藤紘)

株式会社 ナガラ
TEL/052-362-6066 Eメール/office@nagara.gr.jp
ホームページ http://www.nagara.gr.jp/


〒160-0022 東京都新宿区新宿2-15-2 岩本和裁ビル5F TEL.03-3352-8107 FAX.03-3352-8605