2008年12月「タクシードライバー」「ディパーテッド」をはじめ数々の名作を手がける映画監督マーティン・スコセッシ。その彼がライフワークとして撮り続けているのが「ラストワルツ」「ノー・ディレクション・ホーム」などの音楽映画だ。そして新たに取り上げたアーティストは、モンスターロックバンド「ザ・ローリング・ストーンズ」。ロックを聴いたことがない人でもビートルズとストーンズを知らない人はいないだろう。結成40年以上第一線で活躍し、音楽不況といわれる中、今なおスポンサーのバックアップにより大規模ツアーを行なっている。「サティスファクション」「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」「ブラウン・シュガー」など、仮にこれを知らなくても本作を観ればストーンズの魅力と凄さを改めて感じてしまう体感型ムービーだ。本来はキース・リチャーズのパフォーマンスに魅了されてしまうものの、この映画に関しては、とにかくミック・ジャガーがとにかく格好良かった。65歳であの動きはあり得ない。右腕をクイッとあげて腰をくねらせながら観客に歌いかける姿は、年末でお疲れ気味の私に元気あたえてくれた作品だった。逃した人はDVDが発売されたら、近所迷惑にならない程度に大音量で観賞していただきたい。そして、セクシャルなエピソードに満ちた生い立ち、実業界でも有数の狡猾なビジネスマンとしての顔、ポップ・カルチャーに与えた影響……。ナイトの称号を得たエリートとして君臨するミック・ジャガーの60年に及ぶ生涯を紹介した話題の一冊「ミック・ジャガーの成功哲学:セックス
ビジネス&ロックンロール」という本も出版され、話題が尽きることなく、我々に元気を与えてくれるミック・ジャガー。10年後20年後にも健在で我々の元気の源でいてほしいものだ。
ミックジャガーの成功哲学:
セックス ビジネス&ロックンロール
出版:ブルース・インターアクションズ
サイズ:20cm/320p 図版16p
ISBN:978-4-86020-298-9
発行年月:2008.11 |