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「竹村工業」では、カタログ数値ではなく、ご自身が住む部屋がどれだけ静かなのかを目と耳で体感できる体制を取っている。
床下地材には木とセメントと水のみで作られた、強化高圧木毛セメント板(スラボー)を使用している。木材は、国産の間伐材を主に利用。縦横455ピッチの支持脚と長尺受け材により、均一でたわみのない床面に仕上がるため、従来使用できなかった柔らかいゴムが使えるようになり防音性能が向上した。また、床下での腐敗、カビを防いでくれるのも特徴だ。 |
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歴史のなかで培われた
高い性能の木毛セメント板
木毛セメント板応用の
遮音床と内装用化粧板
従来、建材の床の防音性能を示す規格として使われてきた推定L等級の値は、仕様が統一されていない方法と試験体を使い、実験室で導き出されたもの。実際の建物で推定L等級の性能表記規格の床材を使ったときには、生活実感として期待した遮音性能が得られなかった。そのため、平成19年に推定L値は廃止となり、新たな性能表記としてΔL等級が採用されたが、実際の建築現場では、未だに推定L等級が使われていることが多く、トラブルが後を絶たない。
安全・健康的で、さらに防音性・耐火性などの性能を持つ木毛(もくもう)セメント板を扱う「竹村工業」では、ΔL等級を採用し、高い遮音性能と共に優れた床剛性を実現した乾式遮音二重床『ジャストフロアー』を開発した。この製品の遮音性能の測定は、定められている実験室での測定だけではなく、実建造物でもお客様立ち会いのもと、目と耳で体感できるよう測定する。
防音材として50年の実積を誇る木毛セメント版を使って作られた『ジャストフロアー』は、軽量音(スリッパで歩く音など)だけでなく、重量音(子どもが走る音など)も高いレベルで防音することができる。また、人への安全性と環境対策のため、国産の間伐材を主に使用。間伐材の利用は、森が健全に成長する事につながり、温暖化対策にもなるのだ。また、火に強く、炎や有毒ガスを発生させない。健康面では、厚労省が定めた化学物質12品目の室内濃度指針値を大幅にクリアしている。
『ジャストフロアー』は、しつけ前の幼児を伸び伸びと育てることができる建築を目指し、通常の日常生活の中でクレームが出ることのない遮音性を得ることができる建材なのだ。
同じく木毛セメント板を応用した内装用化粧板『レノウッド』も木毛セメント板の持つ優れた吸音性能と耐火性、調湿性能をもち、室内環境を整える。この内装用化粧板はヨーロッパで200年以上も使われ続けてきた内装材で、木のテクスチャーと多彩な色彩が室内に和みの空間を生み、静かで暮らしやすい環境を実現する。本年より国内にて製造・販売を開始する。
(ライター/本名広男)
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