井形慶子 イギリス
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自然との共存をテーマに
地球規模で研究開発する企業

 茨城県水戸市の『株式会社 栄光』は、代表取締役の大関修右氏が長年取り組んでいる自然エネルギーの研究開発をもとに、環境リサイクル事業を展開する企業。中心となっている二つの柱をご紹介しよう。
 まず『スターリングエンジン』。1800年代初め、スコットランドの牧師であり発明家のロバート・スターリングが発明したもので、簡単に言えば、熱エネルギーを運動エネルギーに変換するエンジンで、現実に存在する熱機関の中で最も高い効率で変換できるもの。発明されたのは200年も昔のことだが、「エンジン音が静か」で、「排気ガスがクリーン」、さらに「熱源を選ばない」……、これからの地球を支える大きな活力になるエンジンとして注目されている。『株式会社 栄光』では熱源に着目し、化石燃料のエネルギーが無くとも自動運転をする。
いわば環境に配慮されたスターリングエンジンの開発に力を注いできた。それがこの度、太陽光や工場、焼却炉の廃熱を使って発電、施設内の高熱利用に充てるシステムの開発に成功。ネルギー費用や二酸化炭素排出の削減にもつながる、一石二鳥にも三鳥にもなるもので、業界も注目している。
 そして二つ目、『自動浄化法システム』。増えることはあっても減ることはない生ごみ。焼却コストや地球環境へ及ぼす影響を考えると、次のステップに移らなければならない現実がある。そこで土壌中に生息するバクテリアの力で消滅浄化処理をし、堆肥化させる方法を開発。無臭、土壌改良、農産物の発育促進に効果があるという。動物園で使われたり、スリランカの農業発展にも貢献している。
「環境のありがたさを理解し、未来のある子どもたち、地域、そして地球を守るためにも、ますます頑張らなければ」という大関社長。目が離せない企業だ。
(ライター/深井みさわ)
 
株式会社 栄光
TEL/029-259-2850 FAX/029-259-7595
   
  ホームページ http://www.eikou-inc.com/
   
衛生的で旨味が濃縮され、省エネ稼働の『乾燥革命』は、21世紀の食材開発に欠かせないものとなるだろう。ステンレスセイロ式とエビラ式がある。
不揃いの野菜や果物が
栄養価の高い加工食品に変身

 ちょっと歪んでいたり、キズがあったりする野菜や果物。大抵の場合、店頭に並ぶことなく廃棄処分されているのが現状。これらは、いわゆる〝規格外品〟と呼ばれるもので、農産物のなんと40~60%に当たるのだという。食料自給率41%の日本にあって、何だかもったいないことをしているのではないか?……と、そこに注目したのが岐阜県美濃加茂市に本社を置く「八尋産業株式会社」の代表取締役社長の大矢正昭氏だ。
 1977年に同社を創業して以来、農業の産業化に努め、農業従事者の所得増、そして消費者と生産者のネットワーク作りに尽力してきた大矢さんは、「農産物には、規格外品の他に、未成熟品など未利用農産物がたくさんある。これを無駄にしてしまうのはもったいない。商品化すれば1兆円産業になる」と取り組んだのが、大矢氏自身が1984年に開発した『乾燥革命』を使った減圧平衡発熱乾燥法。いかめしい名前の方法だが、乾燥庫内を減圧して水分が蒸発しやすい環境を作り、減圧用ファンから発生する熱を乾燥庫内に循環させて乾燥をさらに進めるという方法で、熱風乾燥に比べて操作が簡単で安全。また、乾燥する材料の成分変質や劣化が少なく低温のため発酵温度帯で旨味など品質が保たれるというメリットがあり、さらには電気代も安いという特徴も……。農家の人は、暇な時に機械を稼働させて加工品を作ることが可能というわけ。ところが「農家は加工品を作ることはできても、売る手立てがない。そこで私たちがお手伝いするというわけです」という大矢氏の志と、農家との信頼関係、協力関係が成り立っているこのビジネスモデルは今、多方面から注目され、全国に広がりつつある。
(ライター/深井みさわ)
 
八尋産業 株式会社
TEL/0574-26-3981 FAX/0574-26-7404 Eメール/info@yahiro.co.jp
   
  ホームページ  http://www.yahiro.co.jp/
   
(左)「鈍渡技研電子工業
  鈍渡喜一郎社長
(右)anScen (アンシーン)
コミュニケーションツールとしても注目したい
見守り・防犯の新たなかたち「赤外線監視装置」

 近年、一人暮らしの高齢者が誰にもみとられることもなく亡くなり、数日後に発見される悲しい出来事(孤独死)を耳にするようになった。深刻な社会問題となっている高齢者の孤独死、決して他人事とは言えなくなっているのだ。
 集中監視盤の設計・製作において40年の実績を持つ「鈍渡技研電子工業」の鈍渡喜一郎社長は「一人暮らしの高齢者の方は、何かあった時にそばに助けてくれる人がいない。そんな高齢者の方々を見守るのは急務です」と語ってくれた。現在、その対策として同社は数社と協力して、高齢者の見守りに貢献できる新たな製品開発を進めた。そして誕生したのが、通信モジュール搭載生体赤外線監視装置『anScen』。縦に配置した2つの焦電センサーが、0・5秒以内に検知領域内で生体物の赤外線を検出、その情報をカウントし、利用者の希望する時間帯に携帯電話へメールを送信する。装置設置場所の生活状況を随時把握できるシステムだ。設置に工事は不要。生活の動線となる場所に置くだけだ。センサーと本体は3メートル以内なら切り離しても使用でき、場所も取らない。
「離れて暮らす親を気遣う子供と、息子や娘に心配を掛けたくないという高齢者。それぞれの想いが、今回の製品を開発するきっかけになりました」(鈍渡社長)
 最大の特長は本体の内部の切り替えスイッチの設定により利用者の状況に応じた4つの機能を発揮してくれる。1つ目は利用者の希望する時間帯に一日一回「元気だよ」というメールを送信する設定。生活者の見守りに役立つ。2つ目は生活者の安否の確認に役立つ機能でセンサーが12時間反応しない場合「緊急事態発生」のメールを送信する設定。3つ目はセンサーが反応する度にブザーが鳴り「侵入者有り」のメールを即時に送信する設定。留守時にこの設定にすれば、独り暮らしの女性の住宅やオフィスでの空き巣などに対する防犯になる。4つ目が携帯電話からのシステムへの問い合わせ。離れた場所からセンサーの検出回数を把握でき、親が外出先から子供の帰宅を確認する際に役立ってくれる。この4つの機能により防犯にも対応してくれる安心生活をサポートしてくれるはずだ。単なる装置ではなく、隣人同士の付き合いがなくなりつつある今、人と人を結びつける新たなコミュニケーションを広げてくれるシステムとしても期待したい。
 本体価格は47、500円+消費税。通信に掛かる月額使用料は2,800円+消費税。特許出願識別番号510227654
(ライター/十津川久)
 
どんど
鈍渡技研電子工業
TEL/0120-112-678 FAX/079-492-3228
   
   
   
ほうぞうせんいち
宝藏 銑一 社長
自然と共存した"ろ過"の技術で水処理
優れたコントロール力を世界へ供給する

 インドネシアに生産拠点を持つ海外向け浄化槽プラントメーカー『ベストプラント』。生活排水等を処理する浄化槽は世界中で必要とされる技術で、日本の浄化槽技術は現在のところ世界トップレベルにある。日本の場合、そのころ真っ黒で悪臭漂う河川や海をきれいにするために昭和40年代はじめ頃からすべての建物を対象に下水道と浄化槽の2本立てで整備が行われて来た経緯があり、この間日本の浄化槽技術は飛躍的に高度化しているからだ。
 基本的に下水や汚水等の有機物の汚れは、空気の無い状態(嫌気性状態)、空気が供給された状態(好気性状態)でそれぞれの環境に合ったバクテリヤ等の微生物が繁殖し、有機物を餌として食べる代わりに汚水が浄化される。この原理を利用しているのが浄化槽だ。
 国内の多くのメーカーは水の中に直接空気を吹き込むばっ気方式を採用しているのにたいし『ベストプラント』は、最も消費電力が少なく、アンモニアの硝化除去能力の高い微生物濾過方式を採用しており、微生物による濾過の詰まりをコントロールする技術で2件の特許を取得している。この技術は既に日本建築センターの評定を取得し国内で、高機能・コンパクトな装置として既に販売されているが、組立費用などの製造コスト高などの問題は解決されていない。
 現在インドネシアに生産拠点を持つことで、低価格の浄化槽を中近東・アフリカまで出荷することが可能になり、又インドネシア国内の市場にも高品質の製品を供給し、河川や海の環境浄化に貢献をしている企業でもある。経済発展が著しい東南アジアで最も重要なインフラ整備の一つが浄化槽の普及である。日本が保有する高い技術力が持ち腐れにならない様世界に発信して行く必要がある。「日本で行っている研究開発を将来的にはインドネシアでもできる基盤を作っていきたいですね」と、宝藏社長は語る。日本からの現地への経営・技術両面における支援をさらにパワーアップさせ、2つの大きな拠点から、アジアをはじめ世界中にこの優れた技術と浄化槽を発信していくことが期待される。「スタッフ、後継者の育成にも力を入れていきたいです」と話す宝蔵社長の元には、力強い同志がより集まっていくだろう。
(ライター/中村美奈子)
 
ベストプラント 株式会社
TEL/06-6324-2411 FAX/06-6324-0993
   
  ホームページ  http://www.bestplant.jp/
   
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