2008年1月、中国の最大大手検索サイト『百度』が日本に上陸したことで話題を呼んだ。『百度』は、ロビン・リー最高経営責任者(CEO)が2000年に設立。北京大卒業後に米国に留学、米検査サイト、インフォシークエンジン業界に携わった経験を生かし、2007年に中国の検索数で7割のシェアを獲得するまでに成長させた。
いったい何が優れているのだろうか? 記者会見を行なったリーCEOは、中国で圧倒的な地位を築いた理由について「徹底した現地化」と「検索者の利用目的に合った結果を出す技術」を挙げた。中国語のページでは、英語と違って単語の間に切れ目がないことが、検索語を探すときに壁になる。『百度』は、文章を単語に区切って識別する技術をいち早く進歩させた。このため同様の課題がある日本語ページの検索でも、一日の長があると説明している。
たしかにグーグルでは対応しきれない漢字圏の強みは、評価に値するものかもしれない。しかし某資産運用セミナーによると、ブログトップページが検索で引っかからないといった不具合が報告されていた。グーグル八分ならぬ、百度八分といったところか。気になって知人のブログを検索してみたが、けっこうな数のブログがヒットしない。検索性能が万能とはいえない『百度』が、なぜ中国では絶大な人気を誇っているのか?
答えはMP3の検索機能だった。『百度』ではMP3を検索して、無料ダウンロードを実施している。もちろんこれは欧米諸国では違法。邪悪なことを嫌うグーグルには手をつけられなかった分野が、最大の勝因だったというわけだ。
蓋を開けてみれば、なんとも中国らしい結果だった。ちなみに日本版サービスではMP3検索は未実装。片腕を失った『百度』が今後はどのような戦略をたてていくのか。新たなるフィールドでの奮起に期待したい。
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