日本が誇るビジネス大賞 2014

イギリス生活情報誌 
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株式会社 モリモトソリューション 代表取締役社長
亀澤裕幸氏
1986年、『株式会社モリモト』入社。
2013年10月、『株式会社モリモトソリューション』代表取締役社長就任。

古い不動産1棟まるごとリノベーション
新たな価値を付加して流動化を図る

 首都圏の公示地価が6年ぶりに上昇に転じたとのニュースが飛び込んできた。特にマンション用地として需要が高まっている中央区勝どき駅周辺は約11%上昇したという。また2013年度の首都圏のマンション新規発売戸数は2年連続で増加し、14年ぶりの高い伸び率を示している。これは高齢者の都心回帰と、富裕層向けの大型超高層マンションが堅調だったためと思われる。
 一方、中古のビルやマンションの多くは、価格が下落し資産価値が下がっている。そのため売却が儘ならず、さらに時が経って価格が下がるため、買い換えもできないという負のスパイラルに陥っているケースが多い。
 大手マンションディベロッパー「株式会社モリモト」は100%子会社の『株式会社モリモトソリューション』を設立し、既存のビルやマンションをリノベーションして生まれ変わらせ、流動化を促進する事業を始めた。
「老朽化によるテナント離れに、多くのオーナーさんが悩んでおられます。しかし、建て替えには莫大な資金が必要になる。そのような物件を買い取らせていただき、リノーベションを施して価値を高める。そしてテナントを充実させてから売却するのが私たちの仕事です」と、代表取締役社長の亀澤裕幸氏は語る。
 2020年の東京オリンピック開催に向けて、不動産業界は大きく動き、街は大きく変わっていくことが予想される。
「日本には耐用年数の長いしっかりした建物が多くあります。古きよき外観のまま、内部を良くすることで美しい景観を保つ街づくりができる。古いものを大切に、その良さを最大限に活かし価値を高めていき、多くの人に認識していただきたい。
 近視眼的な都市計画ではなく、100年先にどんな街になっているのか。そんなことに着目しながら仕事をしていきたい」と力強く豊富を語った。
(ライター/後藤宏幸)

株式会社 モリモトソリューション
TEL:03-3210-1112 FAX:03-3210-1123

株式会社 K15建築設計事務所 代表取締役
上村允郎氏
鹿児島県・屋久島出身。高校までを屋久島で過ごし、大学進学のために大阪に移住。卒業後、大阪の建築事務所に就職、転職を経て大規模修繕工事の仕事に出会う。その分野での経験を積み、独立して2012年に『K15建築設計事務所』を設立。

大規模修繕工事を主軸に
新たな事業展開にも挑戦

 高度経済成長期に開発されたニュータウンの集合住宅など昭和の建物の老朽化が進み、高齢化する住民が修繕や建て替えの負担に耐えられるかが社会問題化している。『K15建築設計事務所』は、1級建築士事務所の代表である上村允郎氏の時代考察から大規模修繕工事コンサルタント事業を業務の主軸の一つに掲げ、時代の要請に対応する体制を構築してきた。
「人にライフサイクルがあるように、集合住宅にもそれぞれ違ったライフサイクルがあります。集合住宅の管理組合から依頼を受ければ、劣化診断し、塗装や防水などの修繕を施して資産価値を保持し、長く居住できるようにサポートしています」
 建築事務所には新築設計、構造計算を得意とするところや、設備、インテリアを得意とするところなど様々だが、修繕工事を得意とする事務所はそう多くはないという。劣化診断から改修設計、施工業者選定、工事管理、中期・長期修繕計画まで面倒を見る、頼りになるアドバイザーだ。
 第二の柱は新築工事だが、ここでも修繕工事のノウハウが活きる。
「現在新築を手掛ける際には、この屋根は10年後に修繕が必要とか、こちらは20年保つがコストがかかるなどといった提案をさせていただいています。プラスアルファの提案ができるのは大きな強みです」
 さらに収益物件コンサルティングの仕事を第三の柱に据え、三つの柱の確立を目指しているのに加え、非破壊検査による鉄筋探索や赤外線カメラによるタイルやモルタルの浮き探索にも力を入れ、多角的な業展開に乗り出している。
「事業の分野を畑にたとえますと、様々な畑がいくつもあるのです。ここ1年は、色々な畑に種を蒔いた1年だったように思います」
 上村社長の目には、その種が芽を吹き、大輪の花を咲かせる光景が見えているようだ。
(ライター/斎藤紘)

創造と技術のちいさなふしぎな会社 株式会社 K15建築設計事務所
TEL:06-6809-4303 FAX:06-6809-4304
ホームページ http://www.k15.co.jp/

株式会社 いざなぎ創林 代表取締役
森淵竜二氏
岡山県出身。18歳から家業の林業に携わる。家業を継いで2013年「株式会社いざなぎ創林」として法人化。林業の他に架線工事、高所作業、レッカー業務、造園なども手がけている。

国産材に競争力を
地元の木材を使ってほしい

 一昔前は林業というと重労働で若者が離れて行くイメージが合ったが、現在は機械化されており、省力化・効率化が進んでいる。そのため希望を持って参入する若い方も増えている。『いざなぎ創林』の森淵社長も家業を継ぎ、2013年に事業を法人化した若き経営者だ。
「林業は自然を相手にしているので、面白いものなのです。自分自身ずっと家業に携わって山が好きだという事もあり、手入れせず荒れ放題になるのは忍びない気持ちも後押ししているのでしょう。林業を変えたいという思いで法人化しました。木材の国内自給率は減っている事実ですが、やり方によっては成長を目指せると思います。問題はコスト。いかにコストを下げる事ができるかを毎日考えています」
 国産材は外材より高いイメージがあるが、それどころか杉材に限ればかなり安い。ただし事業としては安すぎて採算が合わないという。
「世界的に見て日本商品のブランド力は強いし、国内でも国産ブランドにこだわる方は多い。しかし木材に関しては、まだ高いというイメージがあるのか国産木材はまだまだ需要が少ない。国のほうでは自給率を50%ほど引きあげる計画があるようですが、私たちも取り組まなければならない部分です。ヒノキ材に関しては外材とさほど差がなく、国産にこだわる方であれば充分に手が届く範囲の値段になっています。流通さえ改善できれば国産ヒノキ材は国際的にも競争力のある木材となるはずなのです。家を作る時にはそれぞれの地域で育ったヒノキを使えるようになって欲しいですね」
 日本はその土地の70%が森林という森林大国だ。森林資源を有効に利用するには、林業でのメンテナンスが不可欠。森林という日本に眠る莫大な資源を甦らせるのは『いざなぎ創林』のような若き企業の挑戦が不可欠ではないだろうか。
(ライター/本名広男)

株式会社 いざなぎ創林
TEL:0868-36-7890 Eメール:izanagisourin@ybb.ne.jp

有限会社 百武建設 代表取締役社長
百武厚氏
父親の「百武建設」前社長の次男として生まれる。学業終了後、ツアコンダクターとして働いたが、家業を継ぐ決意から、父親の指示に従い、トンネル工事専門会社に転じ、8年間修業を積んだ後、百武建設に入社。2006年代表取締役社長に就任、現在に至る。

地図に残る仕事に誇りを持ち
家業発展を支える若き経営者

 若くして家業を継ぎ、経営者になる。どこかセレブの趣があるが、現実は、引き受ける覚悟、業務遂行能力、組織の統率力、重圧に耐える力が求められ、乗り越える課題は多い。社員約50人を抱え、道路工事を主業務に掲げる『百武建設』の百武厚社長は、33歳の時、父親から経営を引き継ぎ、課題と謙虚に向き合ってきた三代目経営者だ。
「私は次男で、学業修了後、ツアーコンダクターをしていました。しかし、兄が後を継ぐ意思がないことを知り、祖父から続く当社の歴史を絶えさせてはいけないと後を継ぐ決心をしたのです」
 会社の出発点となる祖父の仕事は、「福岡県の三井三池炭鉱で穴を掘る仕事」だったという。その後、父親の代になって高度経済成長期を迎え、全国各地のトンネル工事に業務をシフトさせた。
「父は仕事面でも常に先を読んでいた人で、経済成長期の建設ラッシュが終われば、次は街づくりが始まるだろうと、いち早く事業を道路工事に切り替えたのです」
 後継の決意を伝えたとき、父親はすぐには会社に迎い入れず、修業してくるよう命じたという。それに従い、トンネル工事専門の会社で8年間経験を積んだ後、入社。その3年後、早めに体制を整えたほうがいいと判断して後継者となり、以後7年間は自力で経営してきた。現在は、大手道路舗装会社の前田道路株式会社の工事を請け負っている。
「場所や作業環境を問わない臨機応変な仕事が当社の強みだと思っています。今の時代、いい仕事をするのは当たり前。対応の良し悪しが評価を左右します。社員もこれを肝に命じて仕事をしています」
 会社の事業を「地図に残る仕事」と自負する社長は、事業継承の課題を一つずつクリアし、維持発展させる意欲を燃やし続けている。
(ライター/斎藤紘)

有限会社 百武建設
TEL:042-535-2660 FAX:042-535-4467

エムエス・ソリューションズ 株式会社 代表取締役
髙橋豊氏
工業高専で質量分析を学び、群馬大学、同大学院で研究続行。修士課程修了後、「日本電子」に入社、質量分析装置の応用研究などに従事。2000年工学博士の学位を取得。「NEDOマイクロ化学プロセス技術研究組合」などへの出向、横浜国立大学客員教授を経て、横浜市立大学客員教授に。2010年『エムエス・ソリューションズ』設立。

質量分析のノウハウを伝授
社会支える高度の専門知識

 10億分の1メートルという分子レベルで物質の質量などを測定し、性質を調べる質量分析Mass Spectrometry。その英訳の頭文字を社名に付した『エムエス・ソリューションズ』の髙橋豊社長は我が国では数少ない質量分析コンサルタントだ。
「質量分析といっても馴染みは薄いと思いますが、私たちの日常生活、産業を支える重要な役割を担っています。飲料水や河川の水などに人体に良くない成分が含まれていないか検査したり、壁紙など住宅建材から有害な物質が発生していないかを測定したり、病気の原因となるタンパク質を解明する研究に応用されたりしています」
 質量分析の新しい分析法で田中耕一さんがノーベル化学賞を受賞したのは記憶に新しい。田中さんとも情報交換している高橋社長の仕事は、主に液体クロマトグラフィーと質量分析法を接続した機器分析法 LC/MSに関する分析技術やマススペクトル解析の指導など専門性の高い分野だ。
「液体クロマトグラフ-質量分析計は簡単にオペレーションできるようになってきましたが、信頼性の高い測定データを得るためには、適した分析条件、容器、溶媒などの設定、解析の高度の専門知識が必要です。しかし、人材を確保するには膨大な費用がかかります。そこで必要な時だけ必要な知識や技術、経験を提供したいと考えたのです」
 工学博士の学位を持ち、医薬基盤研究所薬用植物資源研究センターで分析、解析、研究をサポートしたり、横浜市立大の客員教授として講義したり、食品会社等の社内勉強会で指導したり、多忙な毎日。
「質量分析に関わってもう直ぐ30年。経験や知識を社会に役立てられるという点がやりがいです。今後は大学や企業と共同で質量分析関連装置の開発も手がけていきたいと思っています」
 極小の世界を扱っているが、夢は大きく広がっている。
(ライター/斎藤紘)

エムエス・ソリューションズ 株式会社
TEL:042-308-5725 FAX:042-332-5725 Eメール:tyutaka@ms-solutions.jp
ホームページ http://www.ms-solutions.jp/

株式会社 佐藤工業 代表取締役社長
佐藤政弘氏
千葉県立市川工業高等学校卒業。1985年「フォーラムエンジニアリング」入社。建築設計士、営業、現場監督などに従事。1988年独立し、LIXIL認定店『株式会社 佐藤工業』を設立。設立より26年。建築施工管理技士、土木施工管理技士、建設機械施工技士、危険物取扱者免許取得。LIXILソーラー施工ID免許取得。

独自工法で太陽光発電システムに取組む

 『佐藤工業』は、元々ブロック工事を得意としており、「施主様に安心してもらえるブロック塀を」と追求を続け、耐久性が高く低価格な『型枠CB基礎工法』を完成させた。東日本大震災『型枠CB基礎工法』で施工されたブロック塀はどれも倒壊することがなかった。同社は、この工法の開発に成功により、千葉県の「経営革新計画」の承認を得ている。
 その『佐藤工業』は新たに環境問題に取り組んでいる。自社屋根に合計24KWの太陽光を設置、発電した電気の全量を東京電力に売電している。晴れた日は、その発電量に喜び、雨の日はがっかりする。朝の天気で一喜一憂することは子どもの頃以来だ。太陽光のメリットを実感している。自信の持てないものは顧客に薦めない。
 その佐藤社長が薦めているのは、LIXILのソーラーシステムだ。ソーラーシステムは住宅や建物の屋根に設置する商品であり、電気製品ではあるが、建材商品としてのノウハウや耐候性・納まりが求められる。まず、LIXILソーラーは屋根に取り付ける架台がアルミ製のため軽く、屋根への負担が少なくてすむ。そして、スティール製架台に比べて、サビに強い特徴がある。また、LIXILのサッシや外装商品のノウハウを活かした安全確実の工法は、プロの目からみても一番安心してお勧めできるようだ。住宅だけでなくカーポートや折板など様々な屋根に取り付けできる金具もあり、パネルも250W、275Wの大出力なので発電量も期待できる。
 ちょっとコワモテかもしれないが、佐藤社長にぜひ相談してみてほしい。
(ライター/山中泰子)

株式会社 佐藤工業
TEL:0120-433-084 047-443-3084 FAX:047-445-5173 
Eメール:satokougyou-h1@tbz.t-com.ne.jp

株式会社 マサミ 代表取締役
川口昌和氏
神奈川県藤沢市江の島生まれ。高校卒業後、大手ハウスメーカーに入社、現場監督見習いとして建築現場で働き、職人から多くを学ぶ。その後、設計会社に入社し、主に建築資材の配送に従事、2010年に独立して『株式会社マサミ』を設立。

信頼が引寄せる建築資材配送
現場作業に気配りの姿勢貫く

 木材を事前に工場で加工し建築現場に運んで組み立てるプレカット工法。大工の現場作業が減るのはいうまでもない。だが、建築資材の置き方によっては作業に支障が出かねない。全体の作業環境の管理からすれば小さなひとコマに過ぎないこの作業を丁寧に履行し、取引先から信頼を得て業績を伸ばしてきたのが、運送業の『株式会社マサミ』だ。社長の川口昌和氏の誠心誠意仕事に向き合う姿勢が貫かれている。
「今や、一般住宅建築業界では主流となっているプレカット工法による建築資材ですが、その当時はまだ導入している建築会社や工務店がそれ程多くありませんでした。その中、勤めていた設計会社でそのプレカット資材を現場に配送する仕事を担当しました。当時、その配送方法など教えてくれる先輩もいないので、自分なりに工夫してより良い運搬方法をいつも考えていました。そのうち自分にとって良い方法というより、使う現場の人にとって使い易い方法で資材を運んだり、置き場所や置き方を考え、施工することが最良なのだと見えてきました。その為に必要なことは、相手の事を考えることとコミュニケーションを大切にすることでした」
 この気遣いがその後の人生に大きな道を開く。
「現場で喜んでいただけた事が評価され、ありがたいことにどんどん仕事の依頼が増えていきました。また、配送の依頼だけでなくある時には、大手プレカット会社から配送のノウハウを教えてほしいと尋ねられた事もありました。そうして働くうちに、自分自身の可能性に挑戦したいという想いが高まり、2010年にトラックを1台購入して独り立ちをしたのです」
 独立は設計会社にとっては痛手だが、業務への信頼は失わなかった。
「有り難いことに、うちの仕事はそのまま引き受けてほしいと言っていただいたのです。それだけでなく、プレカット資材の配送方法を伝えた会社からもご依頼をいただけることになったのです」
 休日を返上し、夜遅くまで作業をすることも多く、仕事は順調に伸びていった。今では神奈川県に止まらず、長野県や愛知県、 静岡県など遠方への配送も依頼され、信頼は膨らみ続けている。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 マサミ
TEL:0465-48-7738 FAX:0465-48-0804 Eメール:masami22@oboe.ocn.ne.jp

儀部建設工業 代表
儀部慎弥氏
沖縄県名護市生まれ。型枠工事一式を手がける儀部建設工業を経営しながら、県内でムエタイジム「B-FAMILY NEO」の沖縄支部を開設。日本でのムエタイの発展を考えている。

ムエタイの未来に
夢をたくして

 沖縄県名護市を中心に型枠工事一式などを手がけている『儀部建設工業』。実はムエタイに熱を入れる会社として地元では有名な企業である。代表を務める儀部慎弥氏の趣味が高じて、格闘技ジムを自宅隣に建ててしまったというからおもしろい。その理由は?
「ムエタイが好きだったのです。ただし、私は観戦するだけですが―」
と熱く語る儀部氏だが、ジム建設だけでなく東京に本部のあるムエタイジム「B-FAMILY NEO」と提携し、沖縄に支部までつくってしまったのだ。
「現在は『B-FAMILY NEO 沖縄支部』の支部長を務めております。実際の指導は、『B-FAMILY NEO』の東京本部からトレーナーを紹介してもらい行ってます。」
 しかもご子息をムエタイの選手にしてしまったというからおもしろい。
「息子の快斗(かいおっと)にはムエタイをさせたかったんです。ですが最初はよいジムがなくて……。何人ものタイ人をコーチに招き、その甲斐もありまして快斗は見事全日本大会で優勝することができました」
 そして、まだ10代のご子息に本場のムエタイを学ばせるべくタイと沖縄を行き来させる日々が続いている。
「友達もなく言葉も通じない世界で生きることで息子が人生を自分の力で切り開いていくことができればと考えているからなのです」
 可能性を秘めた快斗君と温かい目で見守る父・慎弥氏の二人に栄冠をつかむ日もくることだろう。
(ライター/高橋一正)

儀部建設工業
TEL:098-053-2311 FAX:098-053-2311 Eメール:waku1027@yahoo.co.jp
ホームページ http://ameblo.jp/waku1027/


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