|
株式会社 長寿食材研究所 代表取締役
佐平仁志氏
徳之島伊仙町出身。現在は東京にて徳之島に思いを馳せながら「長寿食材研究所」を経営する。徳之島の人口流出・少子高齢化・農業従事者の高齢化を憂慮し『ボタンボウフウ』を徳之島の特産として商品化して、東京の市場から世界まで発信し販売している。 |
|
徳之島の『まぁざく』商品化で
新しい地域活性化のモデルケースに
「長寿の島・子宝の島」徳之島が育む『まぁざく(ボタンボウフウ)』を、「長寿食材研究所」では島おこしのために商品化した。産官学で連携し島の経済を支えていく。
鹿児島県徳之島は、2名の長寿ギネス保持者を輩出し、「長寿の島」と呼ばれている。また、特殊出生率の1位から3位を徳之島3町で独占した「子宝の島」でもある。しかし近年、過疎化や高齢化が進み、伊仙町では島おこしをと模索を始める。そこで「長寿食材研究所」では伊仙町、大阪大学と連携して徳之島で昔から自生し『まぁざく(万咲)』と呼ばれていた『ボタンボウフウ』の商品化に乗り出した。『ボタンボウフウ』は、「長命草」とも呼ばれ、徳之島では「1株食べれば1日長生きする」と、栄養価の高い食材として煎じて飲んだり、毒消しの効果としても利用されたり、独特の苦みと香りが肉や魚などの臭みを消してくれるので料理にも使われてきた。
同社はすでに大手食品メーカーなどにOEMとして『ボタンボウフウ』の供給を行っており、韓国の大手製薬会社からの引き合いも来ている。そしていよいよ自社製品として『まぁざく』シリーズとして販売を開始する。まず、徳之島産のオリゴ糖を配合した『まぁざくレディース』。これは、整腸作用と美肌効果を目指した女性のための健康食品だ。さらに『まぁざくハイブリッド』は、ニンニクや各種ビタミンを配合している。この2つの商品で幅広い層にアピールしていく。
『ボタンボウフウ』は台風による塩害に強く、その上生命力が強いので年に4回の収穫が可能だ。現在は「まぁざく生産者会」の30人の農家が3ヘクタールで栽培している。『まぁざく』シリーズの販路が構築されれば、地域の農家にとっても高い収益が可能となる。「長寿食材研究所」では、一過性の流行に終わらせるようなことのないように伊仙町、大阪大学と手をとり、じっくりと息の長い商品として『まぁざく』ブランドを定着させて、徳之島の振興に結びつけていくという。
(ライター/本名広男)
|
|