ビジネスヒットチャート 2015


イギリス生活情報誌 
月刊
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サムテック・イノベーションズ 株式会社 代表取締役
髙本智仙氏
福岡県出身。大学で商学を学び、卒業後、東京のデザイン会社に就職、色彩に関心を深める。フォークリフトやコンベアのメーカーを経て2009年、『サムテック・イノベーションズ』設立。食品工場向けステンレス製コンペヤ(SUMCON)に続き2014年にRGB/LED利用の物品検査装置『S-Light』でも特許取得。
異物混入防止に新技術で寄与
RGB/LEDを活用し検品効率を高める

 加工食品に混入した小さな虫一匹のせいで企業が窮地に陥る。現実に起きているこんな事態を防ぐうえで重要なのが異物を見逃さない検品。『サムテック・イノベーションズ』の髙本智仙社長が主導して特許を取った検品用コンベヤー『S-Light』は、光源に高輝度特殊RGB/LEDを採用し、異物検知の効率を飛躍的に高め、時代の要請に応える技術だ。
「半透明な搬送ベルト上に物品を載せて移動させる搬送装置と、半導体発光素子をプリント基板上に載置し、固定したLED装着体を配設して搬送ベルトを下方から照射する照射装置などで構成された光透過性物品検査装置です。光のちらつきがなく、安定的に照射されるので、長時間に渡って作業効率を維持することが可能になりました」
 蛍光灯を使った従来の検査装置では光がちらつき、短時間で作業効率が低下するなどの問題があったという。RGB/LEDを採用したことで食材の種類に応じて見やすい色で照らすこともできるうえ、消費費電力を4割程度削減できる利点も生まれた。こうした技術力が評価され、国の中小企業技術革新制度の補助対象になったほか、今年5月には名古屋で開かれたビジネスフェアに出展して注目を集めた。
 開発を促したのは「食品の安全と安心」への強い関心。国民生活センターに2009年度から今年1月までに寄せられた食品の異物混入に関する相談が約16000件にのぼる深刻な事態が背景にある。
「国内に止まらず世界で食の安全に貢献できればとの思いで開発に取り組みました。『S-Light』は混入を未然に防ぐことが目的の補助機械ですが、食の安全に対する切実な要請に応え得る装置と思っています」
 すでに食品や医薬品などの製造会社の検品工程で使われ、需要は拡大する一方だが、髙本社長は技術力をさらに生かすべく、RGB/LEDを活用した医療用無影照明器具の開発など新たな分野への挑戦を始めている。
(ライター/斎藤紘)

サムテック・イノベーションズ 株式会社
TEL:0868-28-5510 FAX:0868-28-5518 Eメール:sumtech@wave.plala.or.jp

野口ファーム 代表
野口昭司氏
茨城県出身。米作農家だったが、将来性への懸念から養豚業に転換。「野口ファーム」を立ち上げる。悪臭公害対策の延長線上で排尿対策にも乗り出し、EM菌を活用した「畜産動物の排尿処理方法」で2013年7月特許を取得、2014年5月に公開された。特許期限は2032年10月12日。
中国の養豚公害対策視野に
排尿処理技術の普及に期待

 世界の飼養豚数の60%を占めるといわれる中国の動向を特別の思いを持って見守る養豚業者がいる。『野口ファーム』の野口昭司代表。国内で特許を取った「畜産動物の排尿処理方法」を中国にも特許出願し、認められ、普及すれば、中国農村部で深刻化する養豚場の排せつ物による湖や河川の水源汚染対策として役立つと考えているからだ。
 発明したのは、光合成細菌や乳酸菌、酵母など抗酸化物質を産生する有用微生物群EM菌を活用する技術。空き地に穴を掘り、内側にビニールシートを敷いて2個の水槽を作り、エアコンプレッサーを設置するだけ。排尿を集めてEM菌と共に第一処理槽に導き、水中エジェクターポンプで攪拌させて尿の初期浄化とEM菌の増殖を進行させ、初期浄化尿を第二処理槽に導いて攪拌させ最終浄化尿を取り出すシステムだ。
「このシステムの最大に利点は従来の処理施設と比べ建設コストが10分の1、ランニングコストも大幅に削減できる点にあります。中国は畜産汚染がすでに農村環境汚染の主要な発生源になっていて、畜産汚染防止条例もできたと聞いています。経済性に優れ、材料も簡単に入手できるこのシステムが普及する可能性はあり、汚染対策に貢献できれば喜ばしいことと思っています」
『野口ファーム』では2000頭の豚を飼育しているが、飼育場の一角に8年前から、排泄物の悪臭対策として「畜産動物の排尿処理方法」による浄化槽を設け、実験を繰り返し、効果を確認して、特許を出願した。浄化槽に沈殿した汚泥は液肥として再利用し、処理水は排水路を通して常陸川へ放流している。野口代表はこのシステムの効果に着目した独立行政法人農畜産業振興機構の記者から取材を受けている。
「低コスト、手軽さ、高性能の3つの要件が備わった処理技術。普及すれば、養豚経営や汚染対策に役立つと思っています」
(ライター/斎藤紘)

野口ファーム
TEL:0299-92-3167 FAX:0299-92-3167

岸江製作所 代表
岸江克也氏
1958年、三重県生まれ。高校、大学と大好きな野球に熱中。高校でベスト8、大学では全国大会にレギュラー出場をはたす。大学卒業後、大阪の商社に勤務。その後、実家の工場を継ぐ。1990年に廃棄プラスチックの粉砕加工事業に転換して現在に至る。
廃棄されたCD・DVDを
粉砕し再生原料に生かす

 ひと口にプラスチックといっても種類はものすごくたくさんある。CDやDVD、車のヘッドライトカバーなどはポリカーボネイト、容器やフィルムに使われるのはポリエチレンで、車の内装やバンパーはポリプロピレン、食品トレイや緩衝材ならポリスチレン……といった具合。『岸江製作所』は、廃棄されたCDやDVDを主に扱い、これを粉砕処理してフレーク状の再生原料にしている。用途はボールペン軸など透明性を生かすものが多い。だが、持ち込まれる廃プラは多種多様なので、まずは人手でおよそ10種類ぐらいに分別する。その上で材質に合わせた各種の加工処理をしている。
 代表の岸江克也氏はこう説明する。「メーカーや販売店から回収されたCDやDVDの場合、シールが貼られ、メッキが蒸着されています。これを取る前処理をしないと粉砕器にかけられません。比較的単価が高い素材なので雑な仕事はできません」。岸江氏が今の仕事を始めた時期とCDが世に出た時期が重なる。「CDやLDやミニディスクなどの栄枯盛衰を見てきた訳です」と苦笑するが、その製造・販売関連企業からの回収はほとんど自社で引き受けてきたのだから、真実でもある。
『岸江製作所』のもう一つの特長は、高齢の従業員が多いことだ。「地元の皆さんで、農閑期など時間のある時に来てもらっていますが元気ですよ。粉砕工場では現在7名が働いていますが、仕分けラインにももっと入ってもらうつもりです」
 廃プラリサイクルにしても高齢者雇用も、まさに現代日本の課題に挑むテーマである。「世界的には廃プラ資源は争奪状態。国内できちんと資源を回して行かなくてはという思いがあります。コストと質の厳しい競争です。それを現場で担うのが高齢者たちというのが面白いでしょ。経営的には全然ラクになれないですけどね」
(ライター/土谷晴)

岸江製作所
TEL:059-256-3911 FAX:059-256-4018 Eメール:kishie-seisaku@lt.main.jp
ホームページ http://kishie-seisaku.main.jp/

有限会社 アイルインターナショナル 代表取締役
石川歩氏
横浜市出身。「パイロット萬年筆」を経て1987年、日本生産性本部に入職。映像教育部で衛星放送ビジネス教育番組約100タイトルを制作。同本部の認定コンサルタントとなり、研修講師と風土改革コンサルタントとして活躍。並行して1990より『アイルインターナショナル』を創業。著書に「仕事力」等。
風土改革と行動変容を喚起
独自のノウハウで経営強化

 モチベーション、コミュニケーション、チームワーク。経営戦略や人材開発のコンサルティングを主業務に掲げる『アイルインターナショナル』の石川歩社長が、コンサルティングの最初のステップで重視するのは、経営状況の会計学的な分析ではなく、社員の働きがい、やりがいに繋がる風土改革と行動変容だ。これまでの実績から、長く存続発展する強い会社が創れるという確信を得た手法だ。
「当社の研修コンセプトは気づきと理論、事例、実践的スキルを重視した、体験気づき型研修スタイル。最初に心理学を応用したグループワークを行って、参加者が本音で話せる場作りを行います。演習やビジネスゲームなども取り入れ、お互いの気持ちが通じ合うと融合力が生まれ、実際に発揮されるパワーも格段にアップしていきます」
 民間企業を経て日本生産性本部に入り、新入から経営者まで幅広い教育プログラムや映像教材の開発、研修講師として200社以上の指導経験を持つ。その中で得た知見、蓄積した独自のノウハウが企業や団体の潜在力を引き出す強固な基盤になっている。
「気づきを論理的に解説し、実践している他社の有効事例を詳しく紹介したあと、参加者に学んだことをどのように仕事に活かすか検討し発表してもらう手順で進めています。講師が教えるのではなく、気づいてもらう手法です。自ら気づいたことの方が人から教えられるよりも行動変容に繋がりやすいからです。仕事も研修も成果を出すには本人が能動的になる場づくりが重要です」
 研修は年間200回を越える。大手電機メーカー、銀行、保険会社、マスコミ、病院などから中小企業まで対象は幅広い。「今まで受けた研修の中で一番楽しくて、役立った」との感想が寄せられるという。「元気な企業を増やす支援の輪を広げたい」。社長の事業推進力は増す一歩だ。
(ライター/斎藤紘)

有限会社 アイルインターナショナル
TEL:046-873-8932 FAX:046-873-9103 Eメール:info@illinternational.com
ホームページ http://www.illinternational.com/

株式会社 トゥールモンド 代表取締役社長
大黒洋一氏
1978年生まれ、大阪府出身。航空学校を卒業後、航空系の職を経てケーブルテレビの営業に転職。その後、個人でデイトレードを数年続けた後、プロの手法を学ぶために証券会社のディーラーとして勤務。日に数十億円の資金を動かし、株を売買して収益をあげていた。2014年5月、独立して『株式会社 トゥールモンド』設立。500万円を元手に始めた資産運用で2億円を達成。趣味は、仕事終わりに通っているボクシングと旅行。
お客様と一緒に未来を創る
ファイナンシャルプランナー

 人生の夢を叶えるには、長期の見通しに立って計画的に資金を用意する必要がある。しかし資産を総合的に把握して運用計画を立てるには、プロであるファイナンシャルプランナー(以下、FP)の手を借りるのが一般的だろう。FPがどんな仕事をするのかを、大黒洋一氏が率いるFP法人『株式会社トゥールモンド』のサービス内容から紹介すると、①ライフプランに基づく長期の資金計画、②預貯金やポートフォリオの見直し、③税金対策、④生命保険、医療保険の分析、見直し、⑤住宅の購入、ローン設計、不動産運用、⑥相続・贈与、事業承継設計といった具合。資産運用で課題になることを全部カバーしており、まさに「家計のホームドクター」だ。
 なかでも同社が得意とするのは、証券会社のディーラー、個人でのデイトレードと長年培ってきた経験とノウハウ、そして実績がある。ある雑誌の対談記事でこんな趣旨の発言もしている。「金融商品取引は知識よりも『経験と実績』がものをいう世界。投資本の著者や評論家で、自分で実践し利益をあげている人はごく少数。儲けるノウハウや仕組みは、自分で経験することが何より大切で、知識だけでなく経験と実績のある人にアドバイスを受けるべきです。会員様(法人・個人)には具体的な指示をするのでなく、私の経験やプロの手法を伝えるだけです。また私のパフォーマンスに不満があれば、いつでも契約を打ち切ってください、とお話しています」。こうした大黒氏のFPアドバイスは厳しいが誠実でもある。また、それ以外の資産運用アドバイスは「それぞれの専門家に参加してもらって、一緒に課題解決を進めます」。この「一緒に」をフランス語で言うと、社名の「トゥールモンド(Tout-Le-Monde)」になる。
(ライター/杉野淳)

株式会社 トゥールモンド
TEL:092-717-3643 Eメール:info@t-monde.co.jp
ホームページ http://www.t-monde.co.jp/
         http://chatarou.blog.jp/

長谷川醸造 株式会社 代表取締役社長
長谷川正一郎氏
山梨県出身。東京農業大学卒業。1999年、南アルプス青年会議所第23代理事長に就任。2003年、『長谷川醸造株式会社』の4代目社長に就任。2013年度やまなし産業大賞経営品質大賞部門で優秀賞受賞。2014年、中小企業庁ふるさと名物応援事業の対象に認定。一般社団法人やまなし美味しい甲斐会員。
伝統の名品を支える経営努力
甲州産小梅を生かす熟達の技

 南アルプスの山々から流れ出る清らかな水の恩恵を受ける甲府盆地は、日本一の小梅の産地。種が小さく、果肉の厚い最高品種の甲州小梅を、秘伝の調味液に漬けて作る「甲州小梅ぼし」は贈答用として根強い人気を誇る。製造元の『長谷川醸造』は明治39年に醤油醸造業として創業、その技術を生かして小梅の名品を作り始めて55年。4代目の長谷川正一郎社長は伝統の継承、発展のための努力を重ねている。
「甲州小梅ぼしは地元の栽培農家から買い取った梅を原料にしてきましたが、栽培農家が高齢化や後継者不足などで減少し、それに伴って収穫量も減少という課題に直面しています。その対策として農地を購入して梅の木を植樹し、一定割合を確保できる自家農園にも取り組んでいます」
 伝統に安住することなく、新たな販路拡大にも力を入れている。
「全日本漬物協同組合連合会が展開するネット販売事業、全国の漬物ショッピングの1号店として、オンライン販売を2013年から始めました。また、山梨の農産物の品質と知名度向上を目的に設立された、やまなし美味しい甲斐の会員として販路の開拓に努めています」
 こうした努力が認められ、2013年度のやまなし産業大賞の経営品質大賞部門で優秀賞を受賞。2014年には中小企業庁のふるさと名物応援事業で、補助対象に認定された。東日本大震災で被災した東北の企業の再生を目指して、共同開発商品つくりを推進する「希望の環」プロジェクトに参画するなど社会貢献にも意を注いでいる。
 初夏から梅雨にかけて収穫した小梅を伏流水で洗浄し、塩漬、天日干し、味付けまで一貫体制で世に送り出される「甲州小梅ぼし」。しその香りと色、熟成した深い味わいを支えて来たのが弛まぬ企業努力と技術の継承だ。「山梨の豊かな自然に育まれた特産物をつかった美味しさづくり」は、社長のふるさと思いの発露でもある。
(ライター/斎藤紘)

長谷川醸造 株式会社
TEL:055-282-1516 FAX:055-282-1704 Eメール:info@umeume.co.jp
ホームページ http://www.umeume.co.jp/

藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院
脳神経外科 教授
加藤庸子氏
愛知医科大学医学部卒。民間病院勤務、中国や豪州への留学などを経て、2006年、『藤田保健衛生大学医学部脳神経外科』教授。2010年、同大学病院救命救急センター センター長。2014年、『坂文種報徳會病院脳神経外科』教授。日本脳神経外科学会理事。臓器提供施設委員会委員。
患者さん、家族に温かく寄り添う
脳動脈瘤手術の世界的な権威

 毎朝、患者さんと散歩する。患者の会と旅行する。途上国での外科医育成に力を注ぐ。女医が働きやすい環境をつくる。臓器移植対策推進を啓発する……。日本が世界に誇るトップドクターの一人、『藤田保健衛生大学坂文種(ばんぶんたね)報徳會病院』脳神経外科の加藤庸子教授の姿勢を象徴する活動の一端だ。脳動脈瘤手術の世界的権威の温かなゴッドハンドを頼る受診、技術を学ぶ視察が後を絶たない。
 女性医師として世界最多の1800例超の脳動脈瘤の開頭手術の実績を持ち、日本脳神経外科学会初の女性理事に選出され、世界脳神経外科連盟副事務局長も務めた加藤教授の名を高めたのは、くも膜下出血を未然に防ぐ未破裂脳動脈瘤の開頭クリップ手術。脳動脈瘤の根元を特殊なチタンでできたクリップで挟み、そのコブに血液が流れるのを止めて、破裂を回避する高難度の手術だ。
「脳動脈瘤は破裂すると生死にかかわるくも膜下出血を引き起こします。それを防ぐために未破裂脳動脈瘤の段階で治療することが推奨されます。脳動脈瘤が生涯の間に破れるどうかは、多くの未破裂脳動脈瘤の分析からおおよその予知ができる状況になりました。高血圧や脂質異常症などが危険因子になりますので、留意することが大事です」
 加藤教授は、今も週3回ほど手術を行っているが、患者さんに寄り添う姿勢は鮮明だ。「治療への不安を解決するには、患者さん同士で情報交換してもらうのが一番」と患者さんたちと一緒に、毎朝病院の周囲を散歩している。自身が創立した「fujita脳神経外科友の会」の患者や家族と定期的な旅行も続けている。「一緒に旅行すれば、動作の細かいことが見え、ゆっくりと話を聞くこともできる」との考えからだ。
 高難度のオペを着実に積み重ね、患者さんと家族に対して心のこもったケアを施す加藤教授は、外科医が目指すべき理想像的な存在だ。
(ライター/斎藤紘)

藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院
TEL:052-323-5970 090-3258-5646(教室直通) FAX:052-323-5800 
Eメール:neuron2@fujita-hu.ac.jp

医療法人社団 真理会 函南平出クリニック 副院長
平出康隆氏
1955年、静岡県三島市生まれ。順天堂大学大学院で医学博士に。専門は消化器外科。同大学第二外科や伊豆保健医療センターで内視鏡検査により多数の早期がん発見や手術を手がける。2009年に兄の平出源和院長が運営する「函南平出小児科」に参加、『函南平出クリニック』となって副院長に就任。内視鏡内科、胃腸・肛門科を担当。
内視鏡検査のスペシャリスト
医療を通じて地域に貢献

 『函南平出クリニック』は、平出源和院長による小児科からスタートしたが、2009年に2名の医師が副院長に加わったことで、内視鏡内科、胃腸・肛門科、内科、糖尿病内科を標榜する充実した医療体制になった。内視鏡内科、胃腸・肛門科を担当するのは院長の弟、平出康隆医師。内科、糖尿病内科を担当するのは由比藤(ゆいとう)雅勝医師だ。3人で外来のほか往診、検診、定期的に訪問する在宅医療もこなせるようになった。2011年の東日本大震災で、平出康隆副院長がJMAT(日本医師会災害医療チーム)の一員として、看護師らも伴い3人で医療活動ができたのも、この体制があったからだ。
 平出康隆副院長は消化器外科の専門医として、順天堂大学第二外科や伊豆保健医療センターで内視鏡検査により多数の早期癌発見や手術を手がけてきた。肝臓、胆のう、肛門疾患の診察でも実績を残し、実施した検査は6万9千件に上る。内視鏡検査のスペシャリストと高く評価されている。
「内視鏡を活用することで、胃がんや大腸がんあるいは他の臓器疾患の早期発見に繋がります。患者さんのQOL(生活の質)向上に繋げるのが医療ですから、症状緩和に役立つサポートをするよう努めています。当クリニックは入院施設はないのですが管理栄養士が2人いるので、食事療法のアドバイスをしてくれます。また不定愁訴や摂食障害など心理的な要因も関係する場合は、臨床心理士にも応援してもらいます」と語る平出康隆副院長は、地域への貢献もさらに進める考えだ。
「三島地域も高齢化が急速に進んでいます。幸い、静岡県立がんセンターや順天堂の付属病院などとも提携しているので治療体制は万全です。でも重篤な患者さんへの訪問診療も増えるでしょうね。地域のニーズを見極めながら努力して行きます」
(ライター/土谷晴)

函南平出クリニック
TEL:055-978-1368 FAX:055-978-1380


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