信頼できる
スペシャリスト
スペシャリスト
経営を成長軌道に乗せた先見の明
多角的な建設事業を通じ社会貢献
多角的な建設事業を通じ社会貢献
どん底から再起果たす
海外の人道支援に注力
「主人の先見の明はすごいなと、いつも思っています」
栃木県真岡市を拠点に、傘下4事業会社が建設業を主軸に約13の事業を展開する『ライフグループ』会長の菱沼博之さんの歩みを身近に見てきた妻で中核企業『ライフ建設』の前代表取締役を務めてきた国子さんの評だ。菱沼さんと出会ったころの回想から菱沼さんの人物像が見えてくる。
「主人と出会った頃の当社はトラックー台、軽トラ1台、油圧ショベル1台、従業員4名という状態でした。そこから30台以上の重機と20名の従業員を抱える会社になれたのは、主人に人を大事にする姿勢があったからだと思います。ライフグループは栃木県に数台しかないような特殊作業車をそろえているので、外構工事や造成、解体といった分野において、できない作業はありません。あまりにも機械を買う主人を見て、そんなに買わなくてもいいのにと思っていたときもありましたが、今では機械をそろえていることが、当社の大きな強みとなっています。太陽光発電事業を始めたときも、皆さんが必要だと思った時には数年待ちになっていたような機械を、いち早く導入していました」
菱沼さんは、自衛隊を除隊した後、父親の仕事を手伝いながら建設業のノウハウを学び、24歳の時に独立したものの、30代半ばに不渡り手形で10数億円もの借金を背負い、香港や中国で展開していた会社も売却するなど人生のどん底を経験した。数年間、引きこもって読書に耽る無作為な日々を送る中で「どれだけ本を読んでも世の中のためにはならない。世の中に貢献したい」との思いが再び頭をもたげ、再起を決意、その渦中で出会った国子さんに励まされて『ライフ建設』を立ち上げ、努力を重ねて、約600人の従業員を擁する企業グループへと成長させた。
その原動力になったのが、国子さんのいう先見の明、言い換えれば時代の要請を洞察する経営感覚と人材重視の姿勢、それに社会貢献意識だ。
「経営の本質は、利益を追わずに人を追うことです。当グループでは一人ひとりの従業員同士が切磋琢磨しながら持ち味を活かして頑張れるような環境整備に力を入れてきました。採用に当たっては、学歴などで人を測ることはせず、熱意と誠意と創意が備わっているかで判断します。海外からの人材も多く登用しています」
グループを構成するのは、『ライフ建設』と『ライフ興産』『ライフ開発』『ニシオカリース』の4社。グループ全体で「建設のトータルサービス業」を標榜するが、それぞれが行う事業は、菱沼さんが社会のニーズを見極めて一つひとつ立ち上げてきたものだ。中でも、実績を重ねているのが、「土木・建築工事」「造成工事」「解体工事」「太陽光・風力・水力発電トータルプランナー事業」「重機・車両リース」。
「土木・建築工事」は、道路改良、河川改修、下水道工事、造成工事、外構工事、民間施設の建築や既存建築物の修繕や補強などを行う。「造成工事」は山や傾斜地などを整備することで土地を目的の用途に適した形状にする。「解体工事」は、古くなった店舗やビル、住宅など不要になった建物の解体する。「太陽光・風力・水力発電トータルプランナー事業」は、太陽光や風力、水力など再生可能エネルギーを利用した発電所の建設ための不動産取得、測量調査、設計、建設、保守管理などまで一貫体制で完結させる。「重機・車両リース」は、パワーショベルやローラ、キャタピラー、クローラダンプ、草刈機、バックホー、杭打機、破砕機、水中ポンプ、発電機、ジョーククラッシャーなど、栃木県内で数台しかないような特殊車両10種を含め36種の重機や車両を必要に応じて業者にリースする。
とりわけ社会貢献度が高いのが「建設残土処理事業」だ。建設現場などで堀削された建設残土の捨て場がなく、着工することができずに困っている建設業者などを対象に、グループで保有する数カ所の建設残土処分場で建設残土を受け入れ、処理するための手続きなども包括的にサポートするもので、土砂崩れの災害が発生しやすくなったり、周辺の地域や住民に迷惑をかけたりする不法投棄、埋め立ての防止にもなる事業だ。
「建設残土を山間部に違法に捨てたりする危険性は以前から指摘されていましたが、建設残土の盛り土が崩落し多数の死者・行方不明者を出した2021年7月の静岡県熱海市の土石流災害を受け、是正措置命令などに違反した法人には最高3億円の罰金が科される盛土規制法が成立し、2023年5月にも施行されることになったことで、当社の建設残土処理事業の重要性は一層増すと思っています」
菱沼さんの社会貢献は国内に止まらない。発展途上国を対象にした人道支援だ。軍事政権発足とコロナ禍で中断しているが、ミャンマーで毒蛇に噛まれたときの血清を作るのにも電力は必要だろうと、3000ヵ所に小水力発電所を造る計画を立てて推進。フィリピンでは、建設資材やダンプカーを調達、提供したりするなどダムの建造に奔走した。こうした活動を円滑に進めるため、当該国の政府要人と太いパイプを作ってきた。さらに菱沼さんは、グループ企業の太陽光・風力・水力発電トータルプランナー事業の経験と技術を生かし、太陽光発電パネルと自動車の古いバッテリーを組み合せた家庭向けの発電の普及に着手した。
「途上国では、電力不足のため家庭で電気を使えない地域が多く存在します。電力網が張り巡らされ、電子機器も不自由なく使える日本のような先進国の現実は、途上国の人たちにとってはタイムマシンに乗って見る未来の夢なのです。その夢を叶える小さな一歩として各家庭に太陽光パネルを1〜2枚付け、古バッテリーと組み合わせて蓄電し、生活に必要な電気を賄い、家電や携帯電話が使えるようにする計画を進め、文化的生活ができるよう貢献していきたいと思っています」
人生のどん底から再起を果たした立志伝中の人物ともいえる菱沼さん。経営努力を陰に陽に支えてくれた妻国子さんについて「会った時からこれから共に生きていく人だという確信めいたものがありました。根源的な価値観や志が同じだったことが大きな力になりました」と感謝の気持ちを忘れない。
「年齢を重ねましたが、まだまだチャレンジ精神は衰えていないと自負しています。社会貢献の志を社の礎として、今後も人のために役立つ仕事を続けていく所存です」
経営者とはどうあるべきか、その答えの手がかりがここにはある。
(ライター/斎藤紘)
海外の人道支援に注力
「主人の先見の明はすごいなと、いつも思っています」
栃木県真岡市を拠点に、傘下4事業会社が建設業を主軸に約13の事業を展開する『ライフグループ』会長の菱沼博之さんの歩みを身近に見てきた妻で中核企業『ライフ建設』の前代表取締役を務めてきた国子さんの評だ。菱沼さんと出会ったころの回想から菱沼さんの人物像が見えてくる。
「主人と出会った頃の当社はトラックー台、軽トラ1台、油圧ショベル1台、従業員4名という状態でした。そこから30台以上の重機と20名の従業員を抱える会社になれたのは、主人に人を大事にする姿勢があったからだと思います。ライフグループは栃木県に数台しかないような特殊作業車をそろえているので、外構工事や造成、解体といった分野において、できない作業はありません。あまりにも機械を買う主人を見て、そんなに買わなくてもいいのにと思っていたときもありましたが、今では機械をそろえていることが、当社の大きな強みとなっています。太陽光発電事業を始めたときも、皆さんが必要だと思った時には数年待ちになっていたような機械を、いち早く導入していました」
菱沼さんは、自衛隊を除隊した後、父親の仕事を手伝いながら建設業のノウハウを学び、24歳の時に独立したものの、30代半ばに不渡り手形で10数億円もの借金を背負い、香港や中国で展開していた会社も売却するなど人生のどん底を経験した。数年間、引きこもって読書に耽る無作為な日々を送る中で「どれだけ本を読んでも世の中のためにはならない。世の中に貢献したい」との思いが再び頭をもたげ、再起を決意、その渦中で出会った国子さんに励まされて『ライフ建設』を立ち上げ、努力を重ねて、約600人の従業員を擁する企業グループへと成長させた。
その原動力になったのが、国子さんのいう先見の明、言い換えれば時代の要請を洞察する経営感覚と人材重視の姿勢、それに社会貢献意識だ。
「経営の本質は、利益を追わずに人を追うことです。当グループでは一人ひとりの従業員同士が切磋琢磨しながら持ち味を活かして頑張れるような環境整備に力を入れてきました。採用に当たっては、学歴などで人を測ることはせず、熱意と誠意と創意が備わっているかで判断します。海外からの人材も多く登用しています」
グループを構成するのは、『ライフ建設』と『ライフ興産』『ライフ開発』『ニシオカリース』の4社。グループ全体で「建設のトータルサービス業」を標榜するが、それぞれが行う事業は、菱沼さんが社会のニーズを見極めて一つひとつ立ち上げてきたものだ。中でも、実績を重ねているのが、「土木・建築工事」「造成工事」「解体工事」「太陽光・風力・水力発電トータルプランナー事業」「重機・車両リース」。
「土木・建築工事」は、道路改良、河川改修、下水道工事、造成工事、外構工事、民間施設の建築や既存建築物の修繕や補強などを行う。「造成工事」は山や傾斜地などを整備することで土地を目的の用途に適した形状にする。「解体工事」は、古くなった店舗やビル、住宅など不要になった建物の解体する。「太陽光・風力・水力発電トータルプランナー事業」は、太陽光や風力、水力など再生可能エネルギーを利用した発電所の建設ための不動産取得、測量調査、設計、建設、保守管理などまで一貫体制で完結させる。「重機・車両リース」は、パワーショベルやローラ、キャタピラー、クローラダンプ、草刈機、バックホー、杭打機、破砕機、水中ポンプ、発電機、ジョーククラッシャーなど、栃木県内で数台しかないような特殊車両10種を含め36種の重機や車両を必要に応じて業者にリースする。
とりわけ社会貢献度が高いのが「建設残土処理事業」だ。建設現場などで堀削された建設残土の捨て場がなく、着工することができずに困っている建設業者などを対象に、グループで保有する数カ所の建設残土処分場で建設残土を受け入れ、処理するための手続きなども包括的にサポートするもので、土砂崩れの災害が発生しやすくなったり、周辺の地域や住民に迷惑をかけたりする不法投棄、埋め立ての防止にもなる事業だ。
「建設残土を山間部に違法に捨てたりする危険性は以前から指摘されていましたが、建設残土の盛り土が崩落し多数の死者・行方不明者を出した2021年7月の静岡県熱海市の土石流災害を受け、是正措置命令などに違反した法人には最高3億円の罰金が科される盛土規制法が成立し、2023年5月にも施行されることになったことで、当社の建設残土処理事業の重要性は一層増すと思っています」
菱沼さんの社会貢献は国内に止まらない。発展途上国を対象にした人道支援だ。軍事政権発足とコロナ禍で中断しているが、ミャンマーで毒蛇に噛まれたときの血清を作るのにも電力は必要だろうと、3000ヵ所に小水力発電所を造る計画を立てて推進。フィリピンでは、建設資材やダンプカーを調達、提供したりするなどダムの建造に奔走した。こうした活動を円滑に進めるため、当該国の政府要人と太いパイプを作ってきた。さらに菱沼さんは、グループ企業の太陽光・風力・水力発電トータルプランナー事業の経験と技術を生かし、太陽光発電パネルと自動車の古いバッテリーを組み合せた家庭向けの発電の普及に着手した。
「途上国では、電力不足のため家庭で電気を使えない地域が多く存在します。電力網が張り巡らされ、電子機器も不自由なく使える日本のような先進国の現実は、途上国の人たちにとってはタイムマシンに乗って見る未来の夢なのです。その夢を叶える小さな一歩として各家庭に太陽光パネルを1〜2枚付け、古バッテリーと組み合わせて蓄電し、生活に必要な電気を賄い、家電や携帯電話が使えるようにする計画を進め、文化的生活ができるよう貢献していきたいと思っています」
人生のどん底から再起を果たした立志伝中の人物ともいえる菱沼さん。経営努力を陰に陽に支えてくれた妻国子さんについて「会った時からこれから共に生きていく人だという確信めいたものがありました。根源的な価値観や志が同じだったことが大きな力になりました」と感謝の気持ちを忘れない。
「年齢を重ねましたが、まだまだチャレンジ精神は衰えていないと自負しています。社会貢献の志を社の礎として、今後も人のために役立つ仕事を続けていく所存です」
経営者とはどうあるべきか、その答えの手がかりがここにはある。
(ライター/斎藤紘)
株式会社 ライフ建設
TEL/0285-81-7916
Eメール/lifeconstruction@themis.ocn.ne.jp
Eメール/lifeconstruction@themis.ocn.ne.jp
木材に新たな命吹き込む液体ガラス
資源利活用の可能性を革命的に拡大
資源利活用の可能性を革命的に拡大
優れた特性で施工加速
木造構造物の寿命延伸
石炭や石油などの化石燃料をはじめ多くの資源を輸入に依存する少資源国のこの国で唯一の資源といわれるのが国土の3分の2を占める森林から産出される木材だ。燃えやすく、腐りやすいという長期耐久性に弱点を持ち、十分に活用されてこなかったこの資源の活用の可能性を革命的に広げたのが『株式会社ニッコー』の代表取締役塩田政利さんだ。木材に塗布すると、内部に浸透し、20ミクロン以上のガラス質のシリカ膜が形成され、通気性を維持しながら、防火性、耐久性、耐候性、防水性、防汚性、防錆性、着色性、伸縮性、屈曲性、防腐効果、抗菌効果、防蟻効果をもたらす『ニッコー・液体ガラス』を発明、その応用領域は広がり続け、森林大国ニッポンの救世主になる可能性を秘める。
新国立競技場、厳島神社、JR高輪ゲートウェイ駅、浅草西参道商店街、JR九州クルーズトレインななつ星、陸前髙田市役所、衆院副議長公邸、横浜マリーナ、江の島展望台、北前船の復元船、コーヒーショップスターバックス、ログハウス、橋の欄干、幼稚園デッキ、個人住宅、木製テープ、木製食器……。『ニッコー・液体ガラス』で耐久性を高めた木造構造物や製品の例をみれば、その利用範囲の広さがわかる。著名な建築家や設計士、建築会社、メーカーが『ニッコー・液体ガラス』を高く評価している証だ。
『ニッコー・液体ガラス』は、ガラスの原料である石英SiOの結晶から取り出した微粒子が主成分の無機質材。水性領域でシリカ(二酸化ケイ素)ゾルと有機組成物を反応させることで有機合成シリカ膜を形成させる錯体ゲル法という技術の研究開発から生まれたが、製造方法は企業秘密だ。塩田さんは当初は鉄筋コンクリートの強化のために開発したという。
「戦後の高度経済成長期に建設されたビルや高速道路マンションなどのほとんどは、鉄筋コンクリートでできており、それが今劣化し、大補修を迫られる時代に突入しています。 このままでは大変なことになると思い、建築物を長期耐久化するヒントを探しに世界各地を見て回りました。世界で長く残っている遺跡のほとんどが自然石で造られていることに気づき、さらにそこから石の成分である石英などを溶かして作る丈夫な無機物がガラスだということを知りました。それならば、ガラスを液体にしてコンクリート造りの建築物にコーティングすることができれば、建築物の耐久度が大幅にますのではないかと考えたのです。通常ガラスを溶かして液体にするには、1400℃近い温度を必要としますが、それならばガラスを常温で液体にできればと思い立ち、長年の研究成果によりガラスを常温で液体化することに成功しました」
その後、塩田さんは、日本が森林資源王国なのに、戦後、鉄筋コックリートが主流になり、木材が使われなくなった状況に着目し、木材への応用へと軸足を移した。
「現在、木材の大半は含水率20%の輸入材を使っています。曲り、反り、割れなどの欠点が非常に多いため、それらを防止するために強制乾燥をしていますが、強制乾燥をすると木の中から油脂と結合水が抜かれて形骸化してしまいます。乾燥を終えた木材の中にも曲がったり割れたりして使えなくなってしまう木材が40%以上出ます。私は、日本国中で木材をどのように乾燥しているかを調査し、木材が傷まず長持ちするのは自然乾燥するのが一番良いことを知りました。しかし、含水率を20%に落とすには大変な時間やお金、労力を要します。それならば、これらの欠点をすべて補えば、木材は十分に活用できるのではないかと思い、液体ガラスを木材にも応用することを考えたのです」
塗布することで木材を守る『ニッコー・液体ガラス』。木材が腐ったりするのは、外から木の中へ大量に水が入るためだが、通常の塗料は水や空気の通り道を塞ぎ、木材と外界を完全に遮断する。しかし、外から水が入って来なくても木の中に含まれる水分が腐る原因になる。この点、『ニッコー・液体ガラス』は塗布しても、空気中と木の中の水分が微妙に出入りできる状態を作り出すことができるのが大きな特長だ。『ニッコー・液体ガラス』を塗布した木材は木の香りがするので、呼吸していることがわかる。
「一般的な塗料で呼吸を止めてしまった木材の耐久年数は50年ほどですが、『ニッコー・液体ガラス』を塗布した木材は1000年だって持ちます」
塩田さんは、耐久性に難がある鉄筋コンクリートで造るのが当たり前になっている橋やガードレール、遮音壁なども『ニッコー・液体ガラス』で強化した木材で造ることも提唱する。
また、塩田さんは、『ニッコー・液体ガラス』を生み出した技術をベースに派生商品として、木材用多孔質用洗浄剤「タックルA/タックルB」、 ササクレやトゲの修復に効果のあるカルシウムシリケートを形成する防炎性セラミック塗料「ウッデイセラ」、木材の通気性を損なわずに表層部分をガラス質素材で保護する新世代木材塗料「木あじ/ウッドレスキュー」、イオン置換反応によって基材表面に高硬度のガラス物質を充填するコンクリートの浸透性改質剤「クリスタルストーン」、 常温でホーロー質被膜を形成する完全無機質の浸透性改質剤「テリオスコート」、無色透明で無公害性の溶剤「ファイアーカット」なども開発した。
塩田さんは、発明した技術について、特許出願をしていないが、その理由は明確だ。
「ここまで私が幾度となく繰り返してきた試行錯誤の努力を覆すのは不可能でしょう。積み重ねてきたノウハウや技術力は、誰にも真似できなません。年齢が追い越せないのと同じです」
販売については、加盟金や権利収入は一切取らずに代理店を募って全国展開している。
「『ニッコー・液体ガラス』を使えば、競争相手のいない自分だけの製品を作れます。誰でも参加できますから、皆が独立して、自分だけのオンリーワン商品を売ることができます」
塩田さんの『ニッコー・液体ガラス』普及にかける思いはこれに止まらない。
「経済の根幹はインフラ。『ニッコー・液体ガラス』による改質処理で新たな木造需要を呼び起こし、国内の豊富な木材資源の活用が進むことで地球温暖化防止をはじめ、より多くのインフラ事業に大きく貢献できると信じています」
(ライター/斎藤紘)
木造構造物の寿命延伸
石炭や石油などの化石燃料をはじめ多くの資源を輸入に依存する少資源国のこの国で唯一の資源といわれるのが国土の3分の2を占める森林から産出される木材だ。燃えやすく、腐りやすいという長期耐久性に弱点を持ち、十分に活用されてこなかったこの資源の活用の可能性を革命的に広げたのが『株式会社ニッコー』の代表取締役塩田政利さんだ。木材に塗布すると、内部に浸透し、20ミクロン以上のガラス質のシリカ膜が形成され、通気性を維持しながら、防火性、耐久性、耐候性、防水性、防汚性、防錆性、着色性、伸縮性、屈曲性、防腐効果、抗菌効果、防蟻効果をもたらす『ニッコー・液体ガラス』を発明、その応用領域は広がり続け、森林大国ニッポンの救世主になる可能性を秘める。
新国立競技場、厳島神社、JR高輪ゲートウェイ駅、浅草西参道商店街、JR九州クルーズトレインななつ星、陸前髙田市役所、衆院副議長公邸、横浜マリーナ、江の島展望台、北前船の復元船、コーヒーショップスターバックス、ログハウス、橋の欄干、幼稚園デッキ、個人住宅、木製テープ、木製食器……。『ニッコー・液体ガラス』で耐久性を高めた木造構造物や製品の例をみれば、その利用範囲の広さがわかる。著名な建築家や設計士、建築会社、メーカーが『ニッコー・液体ガラス』を高く評価している証だ。
『ニッコー・液体ガラス』は、ガラスの原料である石英SiOの結晶から取り出した微粒子が主成分の無機質材。水性領域でシリカ(二酸化ケイ素)ゾルと有機組成物を反応させることで有機合成シリカ膜を形成させる錯体ゲル法という技術の研究開発から生まれたが、製造方法は企業秘密だ。塩田さんは当初は鉄筋コンクリートの強化のために開発したという。
「戦後の高度経済成長期に建設されたビルや高速道路マンションなどのほとんどは、鉄筋コンクリートでできており、それが今劣化し、大補修を迫られる時代に突入しています。 このままでは大変なことになると思い、建築物を長期耐久化するヒントを探しに世界各地を見て回りました。世界で長く残っている遺跡のほとんどが自然石で造られていることに気づき、さらにそこから石の成分である石英などを溶かして作る丈夫な無機物がガラスだということを知りました。それならば、ガラスを液体にしてコンクリート造りの建築物にコーティングすることができれば、建築物の耐久度が大幅にますのではないかと考えたのです。通常ガラスを溶かして液体にするには、1400℃近い温度を必要としますが、それならばガラスを常温で液体にできればと思い立ち、長年の研究成果によりガラスを常温で液体化することに成功しました」
その後、塩田さんは、日本が森林資源王国なのに、戦後、鉄筋コックリートが主流になり、木材が使われなくなった状況に着目し、木材への応用へと軸足を移した。
「現在、木材の大半は含水率20%の輸入材を使っています。曲り、反り、割れなどの欠点が非常に多いため、それらを防止するために強制乾燥をしていますが、強制乾燥をすると木の中から油脂と結合水が抜かれて形骸化してしまいます。乾燥を終えた木材の中にも曲がったり割れたりして使えなくなってしまう木材が40%以上出ます。私は、日本国中で木材をどのように乾燥しているかを調査し、木材が傷まず長持ちするのは自然乾燥するのが一番良いことを知りました。しかし、含水率を20%に落とすには大変な時間やお金、労力を要します。それならば、これらの欠点をすべて補えば、木材は十分に活用できるのではないかと思い、液体ガラスを木材にも応用することを考えたのです」
塗布することで木材を守る『ニッコー・液体ガラス』。木材が腐ったりするのは、外から木の中へ大量に水が入るためだが、通常の塗料は水や空気の通り道を塞ぎ、木材と外界を完全に遮断する。しかし、外から水が入って来なくても木の中に含まれる水分が腐る原因になる。この点、『ニッコー・液体ガラス』は塗布しても、空気中と木の中の水分が微妙に出入りできる状態を作り出すことができるのが大きな特長だ。『ニッコー・液体ガラス』を塗布した木材は木の香りがするので、呼吸していることがわかる。
「一般的な塗料で呼吸を止めてしまった木材の耐久年数は50年ほどですが、『ニッコー・液体ガラス』を塗布した木材は1000年だって持ちます」
塩田さんは、耐久性に難がある鉄筋コンクリートで造るのが当たり前になっている橋やガードレール、遮音壁なども『ニッコー・液体ガラス』で強化した木材で造ることも提唱する。
また、塩田さんは、『ニッコー・液体ガラス』を生み出した技術をベースに派生商品として、木材用多孔質用洗浄剤「タックルA/タックルB」、 ササクレやトゲの修復に効果のあるカルシウムシリケートを形成する防炎性セラミック塗料「ウッデイセラ」、木材の通気性を損なわずに表層部分をガラス質素材で保護する新世代木材塗料「木あじ/ウッドレスキュー」、イオン置換反応によって基材表面に高硬度のガラス物質を充填するコンクリートの浸透性改質剤「クリスタルストーン」、 常温でホーロー質被膜を形成する完全無機質の浸透性改質剤「テリオスコート」、無色透明で無公害性の溶剤「ファイアーカット」なども開発した。
塩田さんは、発明した技術について、特許出願をしていないが、その理由は明確だ。
「ここまで私が幾度となく繰り返してきた試行錯誤の努力を覆すのは不可能でしょう。積み重ねてきたノウハウや技術力は、誰にも真似できなません。年齢が追い越せないのと同じです」
販売については、加盟金や権利収入は一切取らずに代理店を募って全国展開している。
「『ニッコー・液体ガラス』を使えば、競争相手のいない自分だけの製品を作れます。誰でも参加できますから、皆が独立して、自分だけのオンリーワン商品を売ることができます」
塩田さんの『ニッコー・液体ガラス』普及にかける思いはこれに止まらない。
「経済の根幹はインフラ。『ニッコー・液体ガラス』による改質処理で新たな木造需要を呼び起こし、国内の豊富な木材資源の活用が進むことで地球温暖化防止をはじめ、より多くのインフラ事業に大きく貢献できると信じています」
(ライター/斎藤紘)
株式会社 ニッコー
TEL/042649-1277
Eメール/info@woodrescue.co.jp
Eメール/info@woodrescue.co.jp
ホームページ
http://www.woodrescue.co.jp/
http://www.woodrescue.co.jp/
凄腕大工が称賛する精緻な基礎工事
全工程を通し妥協せず技術力を投入
全工程を通し妥協せず技術力を投入
スコップで丁寧に掘削
整然とした施工に評価
「職人の血が通った仕事というものは、職人が見れば分かるものなのです」
建物の土台を造る基礎工事で最高位の三ツ星の転圧マイスターと配筋マイスターの称号を持つ『有限会社信和土建』代表取締役の宍戸信照さんの信念だ。そのことがわかるエピソードがある。職人仲間が驚くほどの腕を持つ大工職人に指名され、新築住宅の土台を造る基礎工事を行ったことだ。宍戸社長は「基礎工事にまつわる感慨深い出来事」と回想する。
「10年近くのお付き合いになる工務店の三男坊から、自分の家を建てたいと相談を受けました。
一般住宅からリフォームまで手がけている大工さんで、建築基準法では屋根の四隅だけは金物を使わなくてはいけませんが、それ以外は釘を一切使用せず、代わりに伝統的な建築技術である込み栓という、柱に通したホゾなどを固定するための小木片を用い、寸法などもものすごく正確におこない、我々を含め周囲の大工さんたちも驚くほどの腕を持つ方です。その彼が基礎工事は絶対に『信和土建』が良いとおっしゃってくださったのです。しかし、仕事が立て込んで他の仲聞の紹介を申し出たところ、工事を延期してしまったのです。基礎工事の完成形を見て興味を抱いたのでしょう。やっと着手できることになったら喜びに溢れ、満面の笑みで迅迎えてくれました。基礎工事を穴掘りから見学することができたことにも満足している様子でした。完成した際には、建造の年月日や施主、大工などを記す棟札に当社の名前も入れてくださるそうです」
宍戸さんは、中学時代に土木事業を営んでいた父親の会社が大きな借金を抱えて傾き、仕事を手伝ったのが職人としてのスタート。父親がくも膜下出血で倒れたのを機に、27歳で経営を引き継いだ。デスクワークや資材運びを引き受けてくれた妻直美さんの支えを得ながら前進してきた。
基礎工事は、丁張り、掘削、砂利引き・転圧、防湿シート敷設、捨てコンクリート、外周の型枠組み、鉄筋組み、アンカーボルト設置、耐圧コンクリート、内部の型枠組み、立ち上がりコンクリート打設・天端均らし、養生、型枠外し、基礎内清掃、埋め戻しなどのプロセスから成り、建物が完成すれば見えなくなるが、建物を支える土台を造る重要な工程だ。
「基礎工事というものは、上に家が建ってしまいますと、それっきり見えなくなってしまいます。だからこそ、一切の妥協が許されない。私は心底そう思って現場を仕切ります。まず、穴を掘るところから始まるのですが、機械でがーっと掘って、そこにコンクリを流し込んで一丁上がり、というわけにはいかないのです。現実問題としては、そうした方がずっと楽なわけですし、そういう業者も多いのですが、現場の土壌というのは千差万別で、同じ敷地内でさえ土壌が違っているということも、ままあるのです。ですから私どもは、スコップで根気よく掘る。機械で掘った穴は崩れやすいけど、スコップで丁寧に掘ると、ちょっとやそっと雨に降られても崩れないものなのです。崩れにくいのもそうですけど、やはり手作業の価値と言いましょうか、赤土か黒土か、砂利の混じり具合はどうか、砕石、転圧の工程でどれくらい沈み込むか。そのあたりを、穴を掘る過程ですでに見極められるのが職人の経験値というものです」
外後の作業も精緻を極める。
「穴が掘れたならば、次は砂利引きをします。これも土壌の質によって、具体的には関東ローム層のような赤土か、粘土質の黒土かによって条件が変わってきます。水はけが違いますから。後でコンクリートを流しこむわけですが、その際に凸凹ができたりしないよう、砂利の大小を念入りに見極めながら敷いていきます。たかが砂利、されど砂利。そういう思いで作業に取り組まないと、よい基礎はできません」
次の工程のコンクリート打設も同様だ。
「コンクリートは押しつぶそうとする力に対しては強いのですが、引っ張る力や曲げる力に対しては弱いので鉄筋で補強します。その鉄筋もメーカーから必要な長さの鉄筋を仕入れ、自社で加工し、現場に運び込むというやり方をしています。図面を引いた段階で、どの長さの鉄筋が何本必要になるかということは割り出せますから、無駄がないやり方なのです。鉄筋を組む配筋という作業では鉄筋と鉄筋とがきちんと格子状に結束されていないと強度が保てませんし、仕上げは整然としていなければいけません。コンクリートを打ちは、職人技の出番です。コンクリートは気温や湿度によって乾く早さも乾き具合も違ってきますから、そこをきちんと調整しないとひび割れの原因になります。コンクリートは品質検査をクリアした高品質のものを使い、朝にコンクリートを流して、乾く前にコテでならす作業を5回程繰り返します」
第三者住宅検査機関のホームリサーチ社が職人として卓越した技術を持つ匠を意味するマイスターを選定する制度で、宍戸社長に転圧マイスターと配筋マイスターの称号を付与した理由から、整然とした仕事ぶりが伝わる。
「スラブ配筋は、全箇所結束がなされており、継ぎ手は千鳥配置されていました。立ち上がり部分の鉄筋は多重結束を避けた割り付けがなされており、整然とした規則正しい施工状態でした。基礎の仕上がり状態は目立った気泡もなく、全体的に平滑なコンクリート面でした。アンカーボルトの設置状況も、通りや埋め込み寸法に誤差がほとんど見られず、すっきりとした配置でした」
宍戸さんは道具にもこだわり、コンクリートを均すコテは、コテ作りで百年以上の歴史がある兵庫県三木市の梶原鏝製作所の製品を何本も揃えている。
「お客様は、家を建てるために何千万というお金を払う。その一部を対価として受けとるわけですから、いい加減な仕事など断じて許されはしないのです。このことさえ理解すれば、あとは経験を積むことで、技術は向上していきます」
基礎工事職人を目指す若者に贈る宍戸さんのエールだ。
(ライター/斎藤紘)
整然とした施工に評価
「職人の血が通った仕事というものは、職人が見れば分かるものなのです」
建物の土台を造る基礎工事で最高位の三ツ星の転圧マイスターと配筋マイスターの称号を持つ『有限会社信和土建』代表取締役の宍戸信照さんの信念だ。そのことがわかるエピソードがある。職人仲間が驚くほどの腕を持つ大工職人に指名され、新築住宅の土台を造る基礎工事を行ったことだ。宍戸社長は「基礎工事にまつわる感慨深い出来事」と回想する。
「10年近くのお付き合いになる工務店の三男坊から、自分の家を建てたいと相談を受けました。
一般住宅からリフォームまで手がけている大工さんで、建築基準法では屋根の四隅だけは金物を使わなくてはいけませんが、それ以外は釘を一切使用せず、代わりに伝統的な建築技術である込み栓という、柱に通したホゾなどを固定するための小木片を用い、寸法などもものすごく正確におこない、我々を含め周囲の大工さんたちも驚くほどの腕を持つ方です。その彼が基礎工事は絶対に『信和土建』が良いとおっしゃってくださったのです。しかし、仕事が立て込んで他の仲聞の紹介を申し出たところ、工事を延期してしまったのです。基礎工事の完成形を見て興味を抱いたのでしょう。やっと着手できることになったら喜びに溢れ、満面の笑みで迅迎えてくれました。基礎工事を穴掘りから見学することができたことにも満足している様子でした。完成した際には、建造の年月日や施主、大工などを記す棟札に当社の名前も入れてくださるそうです」
宍戸さんは、中学時代に土木事業を営んでいた父親の会社が大きな借金を抱えて傾き、仕事を手伝ったのが職人としてのスタート。父親がくも膜下出血で倒れたのを機に、27歳で経営を引き継いだ。デスクワークや資材運びを引き受けてくれた妻直美さんの支えを得ながら前進してきた。
基礎工事は、丁張り、掘削、砂利引き・転圧、防湿シート敷設、捨てコンクリート、外周の型枠組み、鉄筋組み、アンカーボルト設置、耐圧コンクリート、内部の型枠組み、立ち上がりコンクリート打設・天端均らし、養生、型枠外し、基礎内清掃、埋め戻しなどのプロセスから成り、建物が完成すれば見えなくなるが、建物を支える土台を造る重要な工程だ。
「基礎工事というものは、上に家が建ってしまいますと、それっきり見えなくなってしまいます。だからこそ、一切の妥協が許されない。私は心底そう思って現場を仕切ります。まず、穴を掘るところから始まるのですが、機械でがーっと掘って、そこにコンクリを流し込んで一丁上がり、というわけにはいかないのです。現実問題としては、そうした方がずっと楽なわけですし、そういう業者も多いのですが、現場の土壌というのは千差万別で、同じ敷地内でさえ土壌が違っているということも、ままあるのです。ですから私どもは、スコップで根気よく掘る。機械で掘った穴は崩れやすいけど、スコップで丁寧に掘ると、ちょっとやそっと雨に降られても崩れないものなのです。崩れにくいのもそうですけど、やはり手作業の価値と言いましょうか、赤土か黒土か、砂利の混じり具合はどうか、砕石、転圧の工程でどれくらい沈み込むか。そのあたりを、穴を掘る過程ですでに見極められるのが職人の経験値というものです」
外後の作業も精緻を極める。
「穴が掘れたならば、次は砂利引きをします。これも土壌の質によって、具体的には関東ローム層のような赤土か、粘土質の黒土かによって条件が変わってきます。水はけが違いますから。後でコンクリートを流しこむわけですが、その際に凸凹ができたりしないよう、砂利の大小を念入りに見極めながら敷いていきます。たかが砂利、されど砂利。そういう思いで作業に取り組まないと、よい基礎はできません」
次の工程のコンクリート打設も同様だ。
「コンクリートは押しつぶそうとする力に対しては強いのですが、引っ張る力や曲げる力に対しては弱いので鉄筋で補強します。その鉄筋もメーカーから必要な長さの鉄筋を仕入れ、自社で加工し、現場に運び込むというやり方をしています。図面を引いた段階で、どの長さの鉄筋が何本必要になるかということは割り出せますから、無駄がないやり方なのです。鉄筋を組む配筋という作業では鉄筋と鉄筋とがきちんと格子状に結束されていないと強度が保てませんし、仕上げは整然としていなければいけません。コンクリートを打ちは、職人技の出番です。コンクリートは気温や湿度によって乾く早さも乾き具合も違ってきますから、そこをきちんと調整しないとひび割れの原因になります。コンクリートは品質検査をクリアした高品質のものを使い、朝にコンクリートを流して、乾く前にコテでならす作業を5回程繰り返します」
第三者住宅検査機関のホームリサーチ社が職人として卓越した技術を持つ匠を意味するマイスターを選定する制度で、宍戸社長に転圧マイスターと配筋マイスターの称号を付与した理由から、整然とした仕事ぶりが伝わる。
「スラブ配筋は、全箇所結束がなされており、継ぎ手は千鳥配置されていました。立ち上がり部分の鉄筋は多重結束を避けた割り付けがなされており、整然とした規則正しい施工状態でした。基礎の仕上がり状態は目立った気泡もなく、全体的に平滑なコンクリート面でした。アンカーボルトの設置状況も、通りや埋め込み寸法に誤差がほとんど見られず、すっきりとした配置でした」
宍戸さんは道具にもこだわり、コンクリートを均すコテは、コテ作りで百年以上の歴史がある兵庫県三木市の梶原鏝製作所の製品を何本も揃えている。
「お客様は、家を建てるために何千万というお金を払う。その一部を対価として受けとるわけですから、いい加減な仕事など断じて許されはしないのです。このことさえ理解すれば、あとは経験を積むことで、技術は向上していきます」
基礎工事職人を目指す若者に贈る宍戸さんのエールだ。
(ライター/斎藤紘)
有限会社 信和土建
TEL/042-763-4443
SiCパワー半導体実用化で社会貢献
超高電圧直流電源などを開発し生産
超高電圧直流電源などを開発し生産
独自デバイス構造考案
脱炭素社会実現に挑戦
大阪大学発ベンチャー、『ネクスファイ・テクノロジー株式会社』代表取締役社長の中村孝さんは、科学技術の向上に寄与した人を顕彰する一般財団法人材料科学技術振興財団主催の第20回(令和2年度)山崎貞一賞を受賞した研究者。「炭化珪素パワー半導体の基盤技術確立と実用化」に貢献したことが受賞理由だ。同社が生産を手がける「SiC(炭化珪素)超高電圧直流電源」「SiC高電圧スイッチモジュール」「SiC小型高電圧直流電源」「SiCインパルス発生器」は、その深い専門知識から生み出されたものだ。
電力を使うほとんどすべての機器には、交流を直流、直流を交流に変える電力変換や交流の周波数変換、電圧や電流を大きくしたり小さくしたりする調節、電源のオン・オフを切り替えるスイッチングなどをコントロールするパワーエレクトロニクスが用いられているが、その中核となる素子が半導体パワーデバイス。電力変換の効率向上は機器の省エネに直結するため、半導体パワーデバイスの性能向上は重要な研究課題になっている。
半導体パワーデバイスはケイ素(シリコン、Si)を用いて50年以上前に実用化が始まり、それ以降、研究開発が行われ、年々性能が向上してきた。その最先端にあるのがSiC半導体パワーデバイスだ。SiCはシリコンカーバイド(炭化ケイ素)の略称で、シリコンと炭素の一対一の化合物のことを指す。シリコンを黒鉛と一緒に電気炉に入れ、炭化させてつくる。もともと研磨剤や釣り竿の糸を通すガイドなどに使われたが、80年代から半導体素材としても注目されるようになり、今ではSiCパワー半導体はSiパワー半導体の性能を超える次世代パワー半導体として、多くの研究者や企業がその実用化や用途拡大を追求する研究に取り組んでいる。
山崎貞一賞を木本恒暢京都大学工学研究科教授と共同受賞した中村さんの功績は、受賞理由で知ることができる。その概略は次のようなものだが、SiCパワー半導体の現在地とその役割の大きさもわかる。この中に出てくるローム社は中村さんが以前勤めていた会社だ。
「電力変換用半導体では、Siに替わりSiCを用いることにより、大幅な電力損失低減と機器小型化が可能である。しかし、1990年時点では、材料およびデバイスの両面で基盤技術が欠落し、実用デバイスは実現されていなかった。木村氏と中村氏は、京都大学とローム社の産学連携研究を通じてパワー半導体としての技術課題を解決し、Siの性能を大幅に凌駕するSiCパワー半導体を開発・実証した」
「電力の利用において電力変換は中核技術であり、電力変換には多数のパワー半導体デバイスが用いられる。この分野では、従来Si半導体が用いられてきたが、技術が成熟し、飛躍的な性能向上は困難な状況にある。SiCはパワー半導体として優れた物理的性質を有しており、Siに比べて桁違いに低損失のパワーデバイスを実現できる。中村氏は、SiCパワー半導体のポテンシャルと社会へのインパクトを早期に認識し、独自のデバイス構造の考案や信頼性の向上を進め、SiCパワーデバイスの基盤技術確立と実用化に貢献した。また、デバイスの信頼性や実装技術など事業化に向けた課題を解決し、SiCパワーMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)及びパワーモジュールの実用化やSiCショットキーダイオード実用化の基盤を確立した」
こう功績を挙げた上で、授賞理由は2人が確立した技術の貢献度も指摘する。
「受賞者が確立したSiCパワー半導体におけるキャリア輸送、高電界物性、欠陥物性などのデータベース、および基盤技術は、国内外のSiCパワー半導体事業や研究開発に貢献している。実用化された高耐電圧・低損失SiCパワーデバイスは、現在、太陽電池用パワコン、エアコン、サーバー電源、エレベータ、急速充電器、鉄道などに搭載され、大きな省エネ効果を発揮している。また、SiCパワーデバイスの特性を活かすと高出力・高電圧電源の飛躍的な高効率化・小型化が可能となり、これを用いて中性子線癌治療装置に応用できる。これまで巨大な設備が必要であった高電圧電源が小型になり治療装置とほぼ一体化できるため、放射線癌治療装置の設置が困難であった病院にも安価で導入可能になる。耐環境デバイスの開発も可能となるので、エンジンやボイラー制御、地熱発電、原子炉用制御機器、航空機や宇宙開発などの分野にも貢献できる」
中村さんは、2021年に『ネクスファイ・テクノロジー』を設立したあと、同社のスタッフとともに開発したのが「SiC超高電圧直流電源」「SiC高電圧スイッチモジュール」「SiC小型高電圧直流電源」「SiCインパルス発生器」だ。
「SiC超高電圧直流電源」は、約1mのドラム缶ほどの大きさながら、高周波SiCインバータに独自設計のパルストランスを接続し、独自のSiCダイオードモジュールを用いたコッククロフトウォルトン回路により超高電圧まで昇圧し、5kVのプラズマ用電源から最大300kVの加速器用電源まで生産する。新幹線が走るのに必要な電圧は25kVなので、その10倍以上。このサイズでこれほどの高電圧を生み出せるものは世界を見渡してもほかにはないという。
「SiC高電圧スイッチモジュール」は、耐電圧1kVクラスのSiCトランジスタを独自技術によって直並列接続し、10kVをこえる高電圧スイッチングモジュールを実現。1000Aをこえる電流パルスを1kpps(キロパルスパーセコンド)以上の繰り返しで出力し、50kVをこえる高電圧を00kHz以上でスイッチング、50kVをこえる直流高電圧を直接遮断することができる。
「SiC小型高電圧直流電源」は、可搬型X線診断装置に使え、X線耐性が高いため鉛シールド内に設置が可能。「SiCインパルス発生器」はインバーターモーター巻線の絶縁試験や液中プラズマを用いた有害物質の分解などに適している。
中村さんの次なる目標はカーボンニュートラルへの挑戦だ。
「カーボンニュートラルで中核を担うのは風力発電ですが、この分野では大きな電力をいかに遮断するかという点で、世界的にも技術革新が待たれている段階です。この課題解決のために技術開発を進めていくと同時に、技術革新で世の中に貢献していきたいと思っています」
(ライター/斎藤紘)
脱炭素社会実現に挑戦
大阪大学発ベンチャー、『ネクスファイ・テクノロジー株式会社』代表取締役社長の中村孝さんは、科学技術の向上に寄与した人を顕彰する一般財団法人材料科学技術振興財団主催の第20回(令和2年度)山崎貞一賞を受賞した研究者。「炭化珪素パワー半導体の基盤技術確立と実用化」に貢献したことが受賞理由だ。同社が生産を手がける「SiC(炭化珪素)超高電圧直流電源」「SiC高電圧スイッチモジュール」「SiC小型高電圧直流電源」「SiCインパルス発生器」は、その深い専門知識から生み出されたものだ。
電力を使うほとんどすべての機器には、交流を直流、直流を交流に変える電力変換や交流の周波数変換、電圧や電流を大きくしたり小さくしたりする調節、電源のオン・オフを切り替えるスイッチングなどをコントロールするパワーエレクトロニクスが用いられているが、その中核となる素子が半導体パワーデバイス。電力変換の効率向上は機器の省エネに直結するため、半導体パワーデバイスの性能向上は重要な研究課題になっている。
半導体パワーデバイスはケイ素(シリコン、Si)を用いて50年以上前に実用化が始まり、それ以降、研究開発が行われ、年々性能が向上してきた。その最先端にあるのがSiC半導体パワーデバイスだ。SiCはシリコンカーバイド(炭化ケイ素)の略称で、シリコンと炭素の一対一の化合物のことを指す。シリコンを黒鉛と一緒に電気炉に入れ、炭化させてつくる。もともと研磨剤や釣り竿の糸を通すガイドなどに使われたが、80年代から半導体素材としても注目されるようになり、今ではSiCパワー半導体はSiパワー半導体の性能を超える次世代パワー半導体として、多くの研究者や企業がその実用化や用途拡大を追求する研究に取り組んでいる。
山崎貞一賞を木本恒暢京都大学工学研究科教授と共同受賞した中村さんの功績は、受賞理由で知ることができる。その概略は次のようなものだが、SiCパワー半導体の現在地とその役割の大きさもわかる。この中に出てくるローム社は中村さんが以前勤めていた会社だ。
「電力変換用半導体では、Siに替わりSiCを用いることにより、大幅な電力損失低減と機器小型化が可能である。しかし、1990年時点では、材料およびデバイスの両面で基盤技術が欠落し、実用デバイスは実現されていなかった。木村氏と中村氏は、京都大学とローム社の産学連携研究を通じてパワー半導体としての技術課題を解決し、Siの性能を大幅に凌駕するSiCパワー半導体を開発・実証した」
「電力の利用において電力変換は中核技術であり、電力変換には多数のパワー半導体デバイスが用いられる。この分野では、従来Si半導体が用いられてきたが、技術が成熟し、飛躍的な性能向上は困難な状況にある。SiCはパワー半導体として優れた物理的性質を有しており、Siに比べて桁違いに低損失のパワーデバイスを実現できる。中村氏は、SiCパワー半導体のポテンシャルと社会へのインパクトを早期に認識し、独自のデバイス構造の考案や信頼性の向上を進め、SiCパワーデバイスの基盤技術確立と実用化に貢献した。また、デバイスの信頼性や実装技術など事業化に向けた課題を解決し、SiCパワーMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)及びパワーモジュールの実用化やSiCショットキーダイオード実用化の基盤を確立した」
こう功績を挙げた上で、授賞理由は2人が確立した技術の貢献度も指摘する。
「受賞者が確立したSiCパワー半導体におけるキャリア輸送、高電界物性、欠陥物性などのデータベース、および基盤技術は、国内外のSiCパワー半導体事業や研究開発に貢献している。実用化された高耐電圧・低損失SiCパワーデバイスは、現在、太陽電池用パワコン、エアコン、サーバー電源、エレベータ、急速充電器、鉄道などに搭載され、大きな省エネ効果を発揮している。また、SiCパワーデバイスの特性を活かすと高出力・高電圧電源の飛躍的な高効率化・小型化が可能となり、これを用いて中性子線癌治療装置に応用できる。これまで巨大な設備が必要であった高電圧電源が小型になり治療装置とほぼ一体化できるため、放射線癌治療装置の設置が困難であった病院にも安価で導入可能になる。耐環境デバイスの開発も可能となるので、エンジンやボイラー制御、地熱発電、原子炉用制御機器、航空機や宇宙開発などの分野にも貢献できる」
中村さんは、2021年に『ネクスファイ・テクノロジー』を設立したあと、同社のスタッフとともに開発したのが「SiC超高電圧直流電源」「SiC高電圧スイッチモジュール」「SiC小型高電圧直流電源」「SiCインパルス発生器」だ。
「SiC超高電圧直流電源」は、約1mのドラム缶ほどの大きさながら、高周波SiCインバータに独自設計のパルストランスを接続し、独自のSiCダイオードモジュールを用いたコッククロフトウォルトン回路により超高電圧まで昇圧し、5kVのプラズマ用電源から最大300kVの加速器用電源まで生産する。新幹線が走るのに必要な電圧は25kVなので、その10倍以上。このサイズでこれほどの高電圧を生み出せるものは世界を見渡してもほかにはないという。
「SiC高電圧スイッチモジュール」は、耐電圧1kVクラスのSiCトランジスタを独自技術によって直並列接続し、10kVをこえる高電圧スイッチングモジュールを実現。1000Aをこえる電流パルスを1kpps(キロパルスパーセコンド)以上の繰り返しで出力し、50kVをこえる高電圧を00kHz以上でスイッチング、50kVをこえる直流高電圧を直接遮断することができる。
「SiC小型高電圧直流電源」は、可搬型X線診断装置に使え、X線耐性が高いため鉛シールド内に設置が可能。「SiCインパルス発生器」はインバーターモーター巻線の絶縁試験や液中プラズマを用いた有害物質の分解などに適している。
中村さんの次なる目標はカーボンニュートラルへの挑戦だ。
「カーボンニュートラルで中核を担うのは風力発電ですが、この分野では大きな電力をいかに遮断するかという点で、世界的にも技術革新が待たれている段階です。この課題解決のために技術開発を進めていくと同時に、技術革新で世の中に貢献していきたいと思っています」
(ライター/斎藤紘)
ネクスファイ・テクノロジー 株式会社
TEL/06-6879-7712
Eメール/takashi.nakamura@nexfi-tech.com
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ホームページ
https://www.nexfi-tech.com/
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保育園をめぐる社会環境の課題を指摘
業務に掛かる重圧下で積極的保育実践
業務に掛かる重圧下で積極的保育実践
子どもの成長を最優先
社会の風潮傾向に異議
安心、信頼、感動を大事に独自の積極的保育で46年間、子どもの成長に力を尽くしてきた幼保連携型認定こども園『大東わかば保育園』の園長山本良一さんは、エッセンシャルワークとしての保育の質の維持に努めるだけでなく、保育園を取り巻く社会環境の様々な課題が園長や保育士の業務の重圧になっている実情を指摘し、保育に関わるすべての人が2008年に改訂された厚労省の保育所保育指針の本来の趣旨を踏まえた大局的観点に立って保育を見守るよう促す。山本さんの新著「保育に、哲学を! 一人ひとりの子どもを深く見つめる、真の保育とは?」が、保育園の実情を浮き彫りにする。
「保育指針が改訂され、新制度の幼保連携型こども園のための教育保育要領も新たに制定されました。第三者評価制度、苦情解決制度、地域子育て支援などが進められるとともに、現場の保育園では小学校との連携や自己評価などが取り組まれ、それは養成校での教育内容にもなっています。しかし現場の保育園は、多くのことを課せられて余裕をなくすとともに、自信を失っているように思います。例えば、第三者評価制度もあまりにも完全なものになっているため、受審するには多大なエネルギーと時間、労力を割かねばなりません。もっと簡素化すべきではないでしょうか。苦情解決制度も、かたちをつくることに大きなエネルギーを使ってしまって、保護者との関係をよくしようとするエネルギーが乏しくなってしまっています。保育園には、苦情解決制度はなじみません。保護者は行政に電話で訴え、行政は園に内容を伝えることで、その問題に対して園は対応するのではないでしょうか」
山本さんまた、マニュアル社会の問題点も指摘する。
「待機児童問題や保育の無償化、事業所内保育事業、保育園騒音訴訟、保育園新設断念、保育士離職、保育園児の列に車…など、テレビや新聞では、私たちを不安にさせるような事柄がくり返し報道されています。私たちの気持ちのなかの純粋な部分、人間として本当によい部分がどんどんと押し込められ、人を信頼する気持ちが失われています。また、ニュースになるような事件が起こると、新聞やテレビでは、それらの現場にマニュアルがあったかどうかなどを問題にします。そのことを受けて行政では、現場にマニュアル作成を促すとともに、細部にわたって指導をしようとする動きが起こっています。しかし、その運用の実際までは、マスコミも行政も立ち入って検証しようという意欲も力も持っていないのが現実です。保護者や市民の大部分は、問題が起きても行政やマスコミの姿勢と同一化してしまって、深く考えようとしていないように思えます。またマニュアルどおりにしないと、必ずといっていいほど、保護者や職員のごく少数の人から学校や園に苦情が寄せられます。地域社会に近い市町村レベルの行政組織は、おしなべて市民や保護者からの苦情、問題提起に対して敏感に反応します。たとえば、焼きいも大会はダイオキシン問題や埃を訴える住民に配慮する。餅つきは、O|157やノロウイルスが心配という名のもとに取りやめる、など。あらゆる苦情に対しては、『反論しないで聴くことに徹する』という指導が組織的に行われています。すべてが、市民や保護者の権利擁護、安全性の追求という名のもとに進んでいく現実が生まれているのです」
さらに、山本さんはマスコミなどに取り上げられる水面上の問題のほかに、見えない水面下でも保育の質に影響しかねない問題があるともいい、その象徴が増える事務量だ。
「保育園では、法律や制度、保育指針が変わるごとに、多くの説明会や研修会が行われます。また、市の担当課を経ずに厚生労働省、内閣府、府の子育て支援課、法人指導課、全国経営者協議会などからの文書、研修会や溝習会の案内などが送られてきます。その上、第三者評価や苦情解決制度などで第三者委員の選定、設置などのかたちを実際につくらなければならないとなると、それに多くの時間と大きなエネルギーをかけなければなりません。保育団体や大学などの研究機関をはじめ、実に様々なところからアンケート調査が送られてきます。このアンケート調査に対する回答だけでも、多くのエネルギーを使わねばならないのです。それによって何が起こるかといえば、実際の保育の時間、つまり子どもとふれ合う時間が足りなくなるということです」
こうした状況下で山本さんが実践してきた積極的保育とは、「現実的な諸問題にとらわれずに、子どもの力を信じて伸ばしていくことを第一に考え、安心、信頼、感動を重視して保育に取り組む」といものだ。このスタンスは、2008年の改訂保育所保育指針と根底で軌を一にする。改訂保育所保育指針には、「乳幼児期は、子どもが生涯にわたる人間形成の基礎を培う極めて重要な時期であり、少子化が進み、家庭や地域の子育て力の低下が指摘される中で、保育所における質の高い養護と教育の機能が強く求められています。また、子どもの育ちや保護者をめぐる環境が変化し、保育所への期待が高まり、質の高い保育が求められる中で、保育所の役割・機能を再確認し、保育の内容の改善充実を図ることが重要になってきています」とある。
新著で山本さんは本来の保育の姿に言及する。
「本来の保育は、もっと楽しいもののように思います。子どものためにしたことは、すぐに子どもの成長やよろこびに結びつくように思います。また、子どもが成長し、よろこんでいるならば、保護者は園への信頼感を強めていくように思います。子どもと保護者の現実をよく見つめ、現場で直接保育にあたる園長、保育士の現実をよく見つめ、多くのことを見直すことが、いまこそ必要だと思います。若い人が、『現場は楽しい』『やりがいがある』と感じることのできる場にしたいものです」
46年にわたる保育経験から発する山本さんの言葉一つひとつには、傾聴に値すると感じさせる重みがある。
(ライター/斎藤紘)
社会の風潮傾向に異議
安心、信頼、感動を大事に独自の積極的保育で46年間、子どもの成長に力を尽くしてきた幼保連携型認定こども園『大東わかば保育園』の園長山本良一さんは、エッセンシャルワークとしての保育の質の維持に努めるだけでなく、保育園を取り巻く社会環境の様々な課題が園長や保育士の業務の重圧になっている実情を指摘し、保育に関わるすべての人が2008年に改訂された厚労省の保育所保育指針の本来の趣旨を踏まえた大局的観点に立って保育を見守るよう促す。山本さんの新著「保育に、哲学を! 一人ひとりの子どもを深く見つめる、真の保育とは?」が、保育園の実情を浮き彫りにする。
「保育指針が改訂され、新制度の幼保連携型こども園のための教育保育要領も新たに制定されました。第三者評価制度、苦情解決制度、地域子育て支援などが進められるとともに、現場の保育園では小学校との連携や自己評価などが取り組まれ、それは養成校での教育内容にもなっています。しかし現場の保育園は、多くのことを課せられて余裕をなくすとともに、自信を失っているように思います。例えば、第三者評価制度もあまりにも完全なものになっているため、受審するには多大なエネルギーと時間、労力を割かねばなりません。もっと簡素化すべきではないでしょうか。苦情解決制度も、かたちをつくることに大きなエネルギーを使ってしまって、保護者との関係をよくしようとするエネルギーが乏しくなってしまっています。保育園には、苦情解決制度はなじみません。保護者は行政に電話で訴え、行政は園に内容を伝えることで、その問題に対して園は対応するのではないでしょうか」
山本さんまた、マニュアル社会の問題点も指摘する。
「待機児童問題や保育の無償化、事業所内保育事業、保育園騒音訴訟、保育園新設断念、保育士離職、保育園児の列に車…など、テレビや新聞では、私たちを不安にさせるような事柄がくり返し報道されています。私たちの気持ちのなかの純粋な部分、人間として本当によい部分がどんどんと押し込められ、人を信頼する気持ちが失われています。また、ニュースになるような事件が起こると、新聞やテレビでは、それらの現場にマニュアルがあったかどうかなどを問題にします。そのことを受けて行政では、現場にマニュアル作成を促すとともに、細部にわたって指導をしようとする動きが起こっています。しかし、その運用の実際までは、マスコミも行政も立ち入って検証しようという意欲も力も持っていないのが現実です。保護者や市民の大部分は、問題が起きても行政やマスコミの姿勢と同一化してしまって、深く考えようとしていないように思えます。またマニュアルどおりにしないと、必ずといっていいほど、保護者や職員のごく少数の人から学校や園に苦情が寄せられます。地域社会に近い市町村レベルの行政組織は、おしなべて市民や保護者からの苦情、問題提起に対して敏感に反応します。たとえば、焼きいも大会はダイオキシン問題や埃を訴える住民に配慮する。餅つきは、O|157やノロウイルスが心配という名のもとに取りやめる、など。あらゆる苦情に対しては、『反論しないで聴くことに徹する』という指導が組織的に行われています。すべてが、市民や保護者の権利擁護、安全性の追求という名のもとに進んでいく現実が生まれているのです」
さらに、山本さんはマスコミなどに取り上げられる水面上の問題のほかに、見えない水面下でも保育の質に影響しかねない問題があるともいい、その象徴が増える事務量だ。
「保育園では、法律や制度、保育指針が変わるごとに、多くの説明会や研修会が行われます。また、市の担当課を経ずに厚生労働省、内閣府、府の子育て支援課、法人指導課、全国経営者協議会などからの文書、研修会や溝習会の案内などが送られてきます。その上、第三者評価や苦情解決制度などで第三者委員の選定、設置などのかたちを実際につくらなければならないとなると、それに多くの時間と大きなエネルギーをかけなければなりません。保育団体や大学などの研究機関をはじめ、実に様々なところからアンケート調査が送られてきます。このアンケート調査に対する回答だけでも、多くのエネルギーを使わねばならないのです。それによって何が起こるかといえば、実際の保育の時間、つまり子どもとふれ合う時間が足りなくなるということです」
こうした状況下で山本さんが実践してきた積極的保育とは、「現実的な諸問題にとらわれずに、子どもの力を信じて伸ばしていくことを第一に考え、安心、信頼、感動を重視して保育に取り組む」といものだ。このスタンスは、2008年の改訂保育所保育指針と根底で軌を一にする。改訂保育所保育指針には、「乳幼児期は、子どもが生涯にわたる人間形成の基礎を培う極めて重要な時期であり、少子化が進み、家庭や地域の子育て力の低下が指摘される中で、保育所における質の高い養護と教育の機能が強く求められています。また、子どもの育ちや保護者をめぐる環境が変化し、保育所への期待が高まり、質の高い保育が求められる中で、保育所の役割・機能を再確認し、保育の内容の改善充実を図ることが重要になってきています」とある。
新著で山本さんは本来の保育の姿に言及する。
「本来の保育は、もっと楽しいもののように思います。子どものためにしたことは、すぐに子どもの成長やよろこびに結びつくように思います。また、子どもが成長し、よろこんでいるならば、保護者は園への信頼感を強めていくように思います。子どもと保護者の現実をよく見つめ、現場で直接保育にあたる園長、保育士の現実をよく見つめ、多くのことを見直すことが、いまこそ必要だと思います。若い人が、『現場は楽しい』『やりがいがある』と感じることのできる場にしたいものです」
46年にわたる保育経験から発する山本さんの言葉一つひとつには、傾聴に値すると感じさせる重みがある。
(ライター/斎藤紘)
社会福祉法人 弘法会 認定こども園 大東わかば保育園
TEL/072-878-4121
リユース事業を好条件でのれんわけ
起業目指す人にゲートウェイを開く
起業目指す人にゲートウェイを開く
店長を務めた店舗譲渡
リスク0・資金0で独立
「飽きのこない商いを一生の仕事に」
「プロダクトリユース事業」として、ブランド品や生活雑貨などの買取専門店『Best Life®』を関西、関東圏で展開する『株式会社ベストライフ』代表取締役長の岩本元熙さんは、「活かそう人財」を経営理念に社員一人ひとりが活躍する働き方を重視してきた経営者だ。その象徴が「独立のれんわけシステム」の確立。すでに『Best Life®』で働いたスタッフが同システムのステップを踏んで同じ店のオーナーになった例が出現し始め、独立起業を目指す若者たちの関心を集めている。
『Best Life®』は、「販売するお客様と買取するお客様の架け橋となって幸せをつなぐ事業」をコンセプトに、岩本さんが構築したお洒落で清潔感あふれる店舗設計の明朗な買取専門店。店頭で商品を買い取り、ネットオークションや業者専用の古物市場に出品したり、取引のあるブランドショップに販売したりする営業スタイルを採る業界では異色のビジネスモデルだ。買い取る対象はブランド品を中心に、バッグ、腕時計、ジュエリー、貴金属、骨董品、絵画、酒など多岐にわたり、出張買取や宅配キットで自宅から配送できる宅配買取などのサービスもある。
現在、展開しているのは、関西圏で14店舗、関東圏で13店舗、合わせて27の店舗。その一つ、『Best Life®』の旗艦店として、若者が多く集う東京・新宿の新宿マルイ アネックス3階にオープンした「新宿マルイアネックス店」は、お洒落で清潔感があふれ、買い物ついでに気楽に立ち寄れる雰囲気だ。
こうした店舗のスタッフがそのままオーナーになれるのが「独立のれんわけシステム」だ。「リスク0・資金0 失敗しない独立ノウハウ」として岩本さんが考えた、のれんわけまでのフローは周到だ。
「社員として入社して1ヵ月目は、BRFA認定のブランド査定士資格を取得してもらいます。そこでは、買取専門店に重要な鑑定技術、サービス、クレンリネス、利便性について総合的に学び、資格を取得します。研修後は配属店舗に入り、1年間、ブランド査定士として実績を積み、実績基準を満たせば店長資格試験を受験し、合格すれば店長へ配属します。当社の本部と業務委託契約を結び、1年以上の店長経験と実績を積めば、のれんわけを受け、独立することができます」
岩本さんは、このステップに挑戦する不安を解消する方途も整えた。
「研修中や店舗での実務経験中も給料やボーナスを支給しますが、店長として実績をつみ、オーナーとしてのれん分けする際に、『ベストライフ』本部より、200万円の開業資金を支給します。独立時に心配な運転資金の補填や、金融機関への融資申し込みの際にもプラスに働きます。また、店長として実績を積んだお店や内装や機材などをそのままお譲りしますので、収支も明確です。さらに、積み重ねてきたお客さまを持ったまま開業できますので、安心してスタートできます」
このシステムを利用してオーナーになった店長の言葉から、システムが有効に働いていることが伝わる。
のれんわけ1号店神奈川県のオーナー。
「入社するときからいつか自分のお店を持ちたいと考えながら社員として7年程勤務しておりましたが、会社から社内のれんわけの案内がありすぐに立候補しました。既存の店舗を譲り受ける形なので、お客様も獲得できている状態で運営が出来ることが最大のメリットだと感じました。また、資金面でもサポートがあり、開業時の借り入れを抑えることができることも大きな要因です。さらに既存店の譲渡なので、業績の積算をした上で開業できるのも利点です」
のれんわけ2号店大阪府オーナー。
「自分で開業するリスクと、のれん分けのリスクを比較してリスクの少ないのれん分けをやろうと思いました。2年半社員として勤務しましたが、自分が店長としてずっと培ってきたお店をそのままのれん分けしてもらえることが理由です。ベストライフ独自の買取システムを通してCRM顧客関係管理や商品のデータ分析ができるので、お店や自分の得意、不得意が見えて課題の改善につなげやすいのも理由です。独立開業し、良いお客様との距離が近くなりました。良いものを持ってきてくれるお客様は自営業の方も多いので、同じ経営者として共感できることが増えました。昨今は世代問わず中古品に対しての抵抗感が薄れており、リユース業界に将来性を感じています」
岩本さんが『ベストライフ』を立ち上げたのは2004年。ネットオークションに出品した古着などが高値で売れた成功体験からリサイクル市場に参入し、ブランド品などを買い取り、業者へ販売したり、ネット販売したりする事業活動を本格化させた。さらに、買取取専門店という新形態の事業に乗り出し、『Best Life®』によるリユース事業を成長軌道に乗せた。
「日本では古くから、もったいないの精神が根付き、様々な工夫をしながらモノを大切に長く使用してきました。大量生産大量消費の現在では、モノを大切に使う文化が薄れていると感じていますが、その一方で、昨今のリサイクルブームは、以前のような『お金に困っているので日用品を売りたい』『すぐに現金が必要』だからではなく、『捨てるのはもったいない』『必要な人に再活用してほしい』という理由での利用がほとんどです。当社のリユース事業のリユースとは、壊れたものは修理して大切に使おう、まだ使えそうなものは必要な人に譲ろうという考え方です。当社の『独立のれんわけシステム』を使って、国連のSDGs持続可能な開発目標にも貢献できるリユース事業に多くの若い方たちが挑戦してくれることを期待しています」
買取専門という岩本さんが築いたビジネスモデルは、「独立のれんわけシステム」が加わったことで、起業を目指す人たちのゲイトウェイにもなった。
(ライター/斎藤紘)
リスク0・資金0で独立
「飽きのこない商いを一生の仕事に」
「プロダクトリユース事業」として、ブランド品や生活雑貨などの買取専門店『Best Life®』を関西、関東圏で展開する『株式会社ベストライフ』代表取締役長の岩本元熙さんは、「活かそう人財」を経営理念に社員一人ひとりが活躍する働き方を重視してきた経営者だ。その象徴が「独立のれんわけシステム」の確立。すでに『Best Life®』で働いたスタッフが同システムのステップを踏んで同じ店のオーナーになった例が出現し始め、独立起業を目指す若者たちの関心を集めている。
『Best Life®』は、「販売するお客様と買取するお客様の架け橋となって幸せをつなぐ事業」をコンセプトに、岩本さんが構築したお洒落で清潔感あふれる店舗設計の明朗な買取専門店。店頭で商品を買い取り、ネットオークションや業者専用の古物市場に出品したり、取引のあるブランドショップに販売したりする営業スタイルを採る業界では異色のビジネスモデルだ。買い取る対象はブランド品を中心に、バッグ、腕時計、ジュエリー、貴金属、骨董品、絵画、酒など多岐にわたり、出張買取や宅配キットで自宅から配送できる宅配買取などのサービスもある。
現在、展開しているのは、関西圏で14店舗、関東圏で13店舗、合わせて27の店舗。その一つ、『Best Life®』の旗艦店として、若者が多く集う東京・新宿の新宿マルイ アネックス3階にオープンした「新宿マルイアネックス店」は、お洒落で清潔感があふれ、買い物ついでに気楽に立ち寄れる雰囲気だ。
こうした店舗のスタッフがそのままオーナーになれるのが「独立のれんわけシステム」だ。「リスク0・資金0 失敗しない独立ノウハウ」として岩本さんが考えた、のれんわけまでのフローは周到だ。
「社員として入社して1ヵ月目は、BRFA認定のブランド査定士資格を取得してもらいます。そこでは、買取専門店に重要な鑑定技術、サービス、クレンリネス、利便性について総合的に学び、資格を取得します。研修後は配属店舗に入り、1年間、ブランド査定士として実績を積み、実績基準を満たせば店長資格試験を受験し、合格すれば店長へ配属します。当社の本部と業務委託契約を結び、1年以上の店長経験と実績を積めば、のれんわけを受け、独立することができます」
岩本さんは、このステップに挑戦する不安を解消する方途も整えた。
「研修中や店舗での実務経験中も給料やボーナスを支給しますが、店長として実績をつみ、オーナーとしてのれん分けする際に、『ベストライフ』本部より、200万円の開業資金を支給します。独立時に心配な運転資金の補填や、金融機関への融資申し込みの際にもプラスに働きます。また、店長として実績を積んだお店や内装や機材などをそのままお譲りしますので、収支も明確です。さらに、積み重ねてきたお客さまを持ったまま開業できますので、安心してスタートできます」
このシステムを利用してオーナーになった店長の言葉から、システムが有効に働いていることが伝わる。
のれんわけ1号店神奈川県のオーナー。
「入社するときからいつか自分のお店を持ちたいと考えながら社員として7年程勤務しておりましたが、会社から社内のれんわけの案内がありすぐに立候補しました。既存の店舗を譲り受ける形なので、お客様も獲得できている状態で運営が出来ることが最大のメリットだと感じました。また、資金面でもサポートがあり、開業時の借り入れを抑えることができることも大きな要因です。さらに既存店の譲渡なので、業績の積算をした上で開業できるのも利点です」
のれんわけ2号店大阪府オーナー。
「自分で開業するリスクと、のれん分けのリスクを比較してリスクの少ないのれん分けをやろうと思いました。2年半社員として勤務しましたが、自分が店長としてずっと培ってきたお店をそのままのれん分けしてもらえることが理由です。ベストライフ独自の買取システムを通してCRM顧客関係管理や商品のデータ分析ができるので、お店や自分の得意、不得意が見えて課題の改善につなげやすいのも理由です。独立開業し、良いお客様との距離が近くなりました。良いものを持ってきてくれるお客様は自営業の方も多いので、同じ経営者として共感できることが増えました。昨今は世代問わず中古品に対しての抵抗感が薄れており、リユース業界に将来性を感じています」
岩本さんが『ベストライフ』を立ち上げたのは2004年。ネットオークションに出品した古着などが高値で売れた成功体験からリサイクル市場に参入し、ブランド品などを買い取り、業者へ販売したり、ネット販売したりする事業活動を本格化させた。さらに、買取取専門店という新形態の事業に乗り出し、『Best Life®』によるリユース事業を成長軌道に乗せた。
「日本では古くから、もったいないの精神が根付き、様々な工夫をしながらモノを大切に長く使用してきました。大量生産大量消費の現在では、モノを大切に使う文化が薄れていると感じていますが、その一方で、昨今のリサイクルブームは、以前のような『お金に困っているので日用品を売りたい』『すぐに現金が必要』だからではなく、『捨てるのはもったいない』『必要な人に再活用してほしい』という理由での利用がほとんどです。当社のリユース事業のリユースとは、壊れたものは修理して大切に使おう、まだ使えそうなものは必要な人に譲ろうという考え方です。当社の『独立のれんわけシステム』を使って、国連のSDGs持続可能な開発目標にも貢献できるリユース事業に多くの若い方たちが挑戦してくれることを期待しています」
買取専門という岩本さんが築いたビジネスモデルは、「独立のれんわけシステム」が加わったことで、起業を目指す人たちのゲイトウェイにもなった。
(ライター/斎藤紘)
株式会社 ベストライフ
TEL/06-6335-9657
Eメール/momototo17@gmail.com
Eメール/momototo17@gmail.com
ホームページ
https://bestlife-ltd.com/
https://bestlife-ltd.com/
医療のプロが伝える
パワフルな癒し&人生の好転『まなレイキ』
パワフルな癒し&人生の好転『まなレイキ』
一人ひとりの生き方や悩みに
丁寧に大切に、寄り添っていく
97%が口コミにより訪れ、日本、アメリカ、アジア、ヨーロッパなど世界各地より受講生が集う、話題のプログラムが『MLC (Mana Life Creation)』。玉置仁美さんが開発した、人生創造の仕組み×ヒーリングを体系化したオリジナルメソッドだ。
元看護師として命に寄り添う毎日の中で、投薬や外科的治療の限界を超えた「人間の可能」を何度も目の当たりにしてきたという玉置さん。2009年に渡米後、自分探しをする中でレイキと出会う。世界トップレベルのレイキティーチャー、アリス・ラングホルトに師事し、8年前からは自らレイキティーチャーとしての活動を開始。自身の人生において、長年の親子の葛藤や卵巣癌罹患、ADHD(注意欠陥障害)の子どもの本質に寄り添えず模索し続けた子育てなどを通して「そのものの自分を認められない時の苦しさ」と「認め、認められ、慈しむように愛していくことの大切さ」を痛感。そうして、本質の生き方が引き寄せる「奇跡」を繰り返し体験していくようになった。この経験から、従来のレイキと並行して日々の悩みを紐解き、そこに潜む人生のテーマを炙り出しながら魂ふるえる喜びの世界を創り出す『まなレイキ』を確立していった。 『まな』とは、この世のすべての根源である生命エネルギーを指し、All Power Comes From Within.(すべての力はあなたの内側から)という意味合いを持つ。「本来私たちは誰かにヒーリングしてもらわないといけないような弱い存在ではないはず。多くの人に、自分で自分を癒し、人生を書き換えていく本当の強さを取り戻し、創造していく喜びをあじわってもらいたい」という想いから『MLC』を生み出した。
「ようやく抜けられた。不安だらけだった人生が楽になった」「愛し愛される大事な感覚が蘇ってきた」「家族が変わった。笑顔が増えた」といった、受講者から喜びの声が後を絶たない。家庭内や職場の人間関係で苦しい思いをしてきた人や、頼り下手で真面目に頑張りすぎる人、自己価値観が低く、人にも自分にもつい厳しく当たってしまうといった生きづらさを抱えた方などから絶大な信頼を得ており、病気や生きづらさの根源の癒しにつながると、教育者や医療者からも信頼され、高い評価を得ている。
同講座は、習得のしやすさも特長だ。
『MLC』はレイキがベースであるが、シンボルやマントラやハンドポジションなしで、素早く活性化しパワフルに効果的にヒーリングを行えるメソッド。だから、誰でもいつでも、日常に使え、どんな職種のどんなシチュエーションとも相性が良い。外来や手術中の医師も、寝ずにグズる子どもに対応する保母さんも、悩める子どもたちを元気つけてあげたい教師も、反抗期や引きこもりに悩む親御さんにも、そしてトラウマを抱えていたり、人間関係の改善を望む人も、家族の癒しにも、無くし物やギフト探しにもと、その使い方や可能性は無限大だ。エネルギーを活性化する対象は、人物のみならず動物や物、人間関係や イベント、豊かさなど多岐にわたり、セッション数は延べ2万件を超える。また、これまで4ヵ月間の本講座を終えても、エネルギーを何も体感できなかったり、扱えた実感がなかったという受講生は一人もいないという。他であまり体感を得られなかった方が再受講されるケースも多い。
「できるようになるのではなく、もともと誰もが内側に秘めている力を思い出す作業。この力は生涯失われません。使えば使うほどに、その効果やパワフルさに驚かれることでしょう。どうにもならないように思える事こそ、エネルギーで対処する。この時空を超えたエネルギーの豊かな世界を、ぜひ一人でも多くの人にあじわってもらいたいと、心から思います」
講座はロサンゼルスの自宅からオンラインで行われ、インターネット環境さえあれば、世界中のどこからでも受講ができる。まだ物理次元ではなかなか説明つかない状況も、実際に国を超え時差を超えて感じるエネルギーの体感こそが何にも勝る真実となり、その新たな力、ヒーリング力の獲得が大きな自信へと繋がっていく。国内ではまだオンラインでエネルギーの伝授を行えるところは少ないが、エネルギーという微細な感覚にフォーカスしていく性質上、教室に出向いて他の人や音、慣れない環境を気にするのではなく、安心の居場所から居心地良いスタイルで、リラックスして参加できるオンライン受講は、受講者にとっての大きなメリットともいえるだろう。
また、本講座は、パワフルなメソッドながら短期で習得することを目的とせず、敢えて長期的に丁寧に寄り添っていく。4ヵ月間の毎週の講座を通し、エネルギーワークの不安や疑問に対応しながら、日々現れる悩みもお互いに共有しフォロー。ここに居ると自分軸に戻れるからと、繰り返し受講するリピーターも多い。日常の中にエネルギーを使い、思考の癖を変えパターンを変え、変化を体感し、人生を変容させていく。
「私たちはこの講座の中で、それぞれが徹底的に自分の内側と向き合っていきます。そうして得る気づきや悟りは至福の喜びに繋がっていきますが、それだけではありません。誰かの悩みが他の誰かの気づきとなり、さらけ出すそのままをお互いが認め合っていきます。相互に弱さを慈しみ、支える強さや信頼に繋がっていく経験が、どんな自分も愛し受容していくことの土台となっていくと共に、受講生同士が深く深く繋がり、応援し合う素晴らしい絆になっていく様子。愛でしかないこの安心の場がどんどんと拡がっていくといいなと感じています」
『MLC』の枠を超えた新しい活動として、自己肯定感を育み、生き生きと輝く人材の育成を、女性の意識改革から成し遂げていく「Mother Ship School」を同志と設立。社員さんの人生への向き合い方を根底から変えていく企業向けセミナーも好評。親子問題や不登校に悩むご家庭が、愛や信頼を取り戻し生き生き輝いて過ごしていけるように応援する無料オンライン相談会「はれのひカフェ」も月一開催中。親子関係に悩みを抱える親御さんに、この安心の場をぜひ一度試してもらいたい。
(ライター/山根由佳)
丁寧に大切に、寄り添っていく
97%が口コミにより訪れ、日本、アメリカ、アジア、ヨーロッパなど世界各地より受講生が集う、話題のプログラムが『MLC (Mana Life Creation)』。玉置仁美さんが開発した、人生創造の仕組み×ヒーリングを体系化したオリジナルメソッドだ。
元看護師として命に寄り添う毎日の中で、投薬や外科的治療の限界を超えた「人間の可能」を何度も目の当たりにしてきたという玉置さん。2009年に渡米後、自分探しをする中でレイキと出会う。世界トップレベルのレイキティーチャー、アリス・ラングホルトに師事し、8年前からは自らレイキティーチャーとしての活動を開始。自身の人生において、長年の親子の葛藤や卵巣癌罹患、ADHD(注意欠陥障害)の子どもの本質に寄り添えず模索し続けた子育てなどを通して「そのものの自分を認められない時の苦しさ」と「認め、認められ、慈しむように愛していくことの大切さ」を痛感。そうして、本質の生き方が引き寄せる「奇跡」を繰り返し体験していくようになった。この経験から、従来のレイキと並行して日々の悩みを紐解き、そこに潜む人生のテーマを炙り出しながら魂ふるえる喜びの世界を創り出す『まなレイキ』を確立していった。 『まな』とは、この世のすべての根源である生命エネルギーを指し、All Power Comes From Within.(すべての力はあなたの内側から)という意味合いを持つ。「本来私たちは誰かにヒーリングしてもらわないといけないような弱い存在ではないはず。多くの人に、自分で自分を癒し、人生を書き換えていく本当の強さを取り戻し、創造していく喜びをあじわってもらいたい」という想いから『MLC』を生み出した。
「ようやく抜けられた。不安だらけだった人生が楽になった」「愛し愛される大事な感覚が蘇ってきた」「家族が変わった。笑顔が増えた」といった、受講者から喜びの声が後を絶たない。家庭内や職場の人間関係で苦しい思いをしてきた人や、頼り下手で真面目に頑張りすぎる人、自己価値観が低く、人にも自分にもつい厳しく当たってしまうといった生きづらさを抱えた方などから絶大な信頼を得ており、病気や生きづらさの根源の癒しにつながると、教育者や医療者からも信頼され、高い評価を得ている。
同講座は、習得のしやすさも特長だ。
『MLC』はレイキがベースであるが、シンボルやマントラやハンドポジションなしで、素早く活性化しパワフルに効果的にヒーリングを行えるメソッド。だから、誰でもいつでも、日常に使え、どんな職種のどんなシチュエーションとも相性が良い。外来や手術中の医師も、寝ずにグズる子どもに対応する保母さんも、悩める子どもたちを元気つけてあげたい教師も、反抗期や引きこもりに悩む親御さんにも、そしてトラウマを抱えていたり、人間関係の改善を望む人も、家族の癒しにも、無くし物やギフト探しにもと、その使い方や可能性は無限大だ。エネルギーを活性化する対象は、人物のみならず動物や物、人間関係や イベント、豊かさなど多岐にわたり、セッション数は延べ2万件を超える。また、これまで4ヵ月間の本講座を終えても、エネルギーを何も体感できなかったり、扱えた実感がなかったという受講生は一人もいないという。他であまり体感を得られなかった方が再受講されるケースも多い。
「できるようになるのではなく、もともと誰もが内側に秘めている力を思い出す作業。この力は生涯失われません。使えば使うほどに、その効果やパワフルさに驚かれることでしょう。どうにもならないように思える事こそ、エネルギーで対処する。この時空を超えたエネルギーの豊かな世界を、ぜひ一人でも多くの人にあじわってもらいたいと、心から思います」
講座はロサンゼルスの自宅からオンラインで行われ、インターネット環境さえあれば、世界中のどこからでも受講ができる。まだ物理次元ではなかなか説明つかない状況も、実際に国を超え時差を超えて感じるエネルギーの体感こそが何にも勝る真実となり、その新たな力、ヒーリング力の獲得が大きな自信へと繋がっていく。国内ではまだオンラインでエネルギーの伝授を行えるところは少ないが、エネルギーという微細な感覚にフォーカスしていく性質上、教室に出向いて他の人や音、慣れない環境を気にするのではなく、安心の居場所から居心地良いスタイルで、リラックスして参加できるオンライン受講は、受講者にとっての大きなメリットともいえるだろう。
また、本講座は、パワフルなメソッドながら短期で習得することを目的とせず、敢えて長期的に丁寧に寄り添っていく。4ヵ月間の毎週の講座を通し、エネルギーワークの不安や疑問に対応しながら、日々現れる悩みもお互いに共有しフォロー。ここに居ると自分軸に戻れるからと、繰り返し受講するリピーターも多い。日常の中にエネルギーを使い、思考の癖を変えパターンを変え、変化を体感し、人生を変容させていく。
「私たちはこの講座の中で、それぞれが徹底的に自分の内側と向き合っていきます。そうして得る気づきや悟りは至福の喜びに繋がっていきますが、それだけではありません。誰かの悩みが他の誰かの気づきとなり、さらけ出すそのままをお互いが認め合っていきます。相互に弱さを慈しみ、支える強さや信頼に繋がっていく経験が、どんな自分も愛し受容していくことの土台となっていくと共に、受講生同士が深く深く繋がり、応援し合う素晴らしい絆になっていく様子。愛でしかないこの安心の場がどんどんと拡がっていくといいなと感じています」
『MLC』の枠を超えた新しい活動として、自己肯定感を育み、生き生きと輝く人材の育成を、女性の意識改革から成し遂げていく「Mother Ship School」を同志と設立。社員さんの人生への向き合い方を根底から変えていく企業向けセミナーも好評。親子問題や不登校に悩むご家庭が、愛や信頼を取り戻し生き生き輝いて過ごしていけるように応援する無料オンライン相談会「はれのひカフェ」も月一開催中。親子関係に悩みを抱える親御さんに、この安心の場をぜひ一度試してもらいたい。
(ライター/山根由佳)
Mana Life Creation
ホームページ
http://mana-reiki.com/
http://mana-reiki.com/
インフラ整備の土木業に光る使命感
社内外で「SDGs」を意識した取り組み
社内外で「SDGs」を意識した取り組み
先進的な土木技術導入
工事技術の継承も重視
国土を守る、環境を守る、社員・家族を守る、同業者を守る。生活経済を支える土木インフラの整備に掛かる事業を展開する『株式会社鉞組』代表の鉞勇貴さんが掲げる経営理念から浮かび上がるのは、国連の「SDGs」を強く意識した使命感だ。24歳で起業し、多額の負債を抱えた窮状からのスタートだったが、文字通り昼夜を問わず死に物狂いで働いて成長軌道に乗せ、現在、80人規模の社員を擁する会社まで成長させた実績が理念の実践を裏付ける。
同社の事業は、橋梁足場や法面足場などを形成する仮設事業を主軸にインフラメンテナンス、防災事業、河川や山林、道路に掛かる土木事業、橋梁架設などの鋼構造事業などインフラ整備の根幹に関わるものばかりだ。鉞さんは先進土木技術も積極的に取り入れ、足場工事で採用した法面システムマルチアングル工法と吊り足場クイックデッキはその象徴。
「マルチアングル工法は、山の斜面などの工事で、削孔機などの機械構台として使用するユニット足場を造るもので、固定部分がシステム化され、ハンマー一本で組立、解体ができ、施工期間短縮と安全性向上に寄与します。クイックデッキは、先行床施工式フロア型システム吊足場で、従来のパイプ吊足場などと比べ、広く快適な作業区間を確保でき、足場内での作業効率と安全性の向上を図ることができます」
鉞さんは業務を遂行するに当たって、アプリを導入し、クラウドを使用して作業指示などの書類のペーパーレス化を進めているほか、 業務以外でも岐阜県と協定を締結し、県道の清掃活動を定期的に行い、積雪が多い地域のために除雪作業も行っている。また、社員が「長く安定して働ける環境であり続けること」をモットーに、心身の健康維持・増進に取り組み、自由に選べるリフレッシュ休暇も設けている。これらの取り組みは、「SDGs」の環境保全や人間らしい雇用の促進などを意識したものだ。
鉞さんは人材育成にも力を入れているが、その意図も明確だ。
「卓越した技術を持つ職人を育てるには、そのための環境が必要です。現在、私たちが得意とする特殊な専門工事技術を継承するためのプログラムを作成し、社内だけではなく同業他社の方にも価値として提供していき、この業界に少しでも貢献したいと考えています」
(ライター/斎藤紘)
工事技術の継承も重視
国土を守る、環境を守る、社員・家族を守る、同業者を守る。生活経済を支える土木インフラの整備に掛かる事業を展開する『株式会社鉞組』代表の鉞勇貴さんが掲げる経営理念から浮かび上がるのは、国連の「SDGs」を強く意識した使命感だ。24歳で起業し、多額の負債を抱えた窮状からのスタートだったが、文字通り昼夜を問わず死に物狂いで働いて成長軌道に乗せ、現在、80人規模の社員を擁する会社まで成長させた実績が理念の実践を裏付ける。
同社の事業は、橋梁足場や法面足場などを形成する仮設事業を主軸にインフラメンテナンス、防災事業、河川や山林、道路に掛かる土木事業、橋梁架設などの鋼構造事業などインフラ整備の根幹に関わるものばかりだ。鉞さんは先進土木技術も積極的に取り入れ、足場工事で採用した法面システムマルチアングル工法と吊り足場クイックデッキはその象徴。
「マルチアングル工法は、山の斜面などの工事で、削孔機などの機械構台として使用するユニット足場を造るもので、固定部分がシステム化され、ハンマー一本で組立、解体ができ、施工期間短縮と安全性向上に寄与します。クイックデッキは、先行床施工式フロア型システム吊足場で、従来のパイプ吊足場などと比べ、広く快適な作業区間を確保でき、足場内での作業効率と安全性の向上を図ることができます」
鉞さんは業務を遂行するに当たって、アプリを導入し、クラウドを使用して作業指示などの書類のペーパーレス化を進めているほか、 業務以外でも岐阜県と協定を締結し、県道の清掃活動を定期的に行い、積雪が多い地域のために除雪作業も行っている。また、社員が「長く安定して働ける環境であり続けること」をモットーに、心身の健康維持・増進に取り組み、自由に選べるリフレッシュ休暇も設けている。これらの取り組みは、「SDGs」の環境保全や人間らしい雇用の促進などを意識したものだ。
鉞さんは人材育成にも力を入れているが、その意図も明確だ。
「卓越した技術を持つ職人を育てるには、そのための環境が必要です。現在、私たちが得意とする特殊な専門工事技術を継承するためのプログラムを作成し、社内だけではなく同業他社の方にも価値として提供していき、この業界に少しでも貢献したいと考えています」
(ライター/斎藤紘)
株式会社 鉞組
TEL/0577-32-8318
Eメール/info@masakarigumi.com
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ホームページ
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