注目情報はこれだ! 2018


イギリス生活情報誌 
月刊
ミスター・パートナー
〒160-0022
東京都新宿区新宿
2-15-2岩本和裁ビル5F
TEL.03-3352-8107
FAX.03-3352-8605
 
アストラ―ル禮子(REIKO)先生
マッサージ師(指圧・按摩・マッサージ)国家資格。自然医学食養士。東洋医学博士。I.A.Eユニバーシティ(米国・国際学士院大学)博士号。米国財団法人リンカーン記念平和財団ワールド・ピース・グランド・プライズ。国際文化推進協議会終身特別名誉会員。2009年、紺綬褒章受章。2014年、社会文化功労賞受賞(国際文化推進協議会)。
中:「社会文化功労賞」
右上:「金色有功章」
右中:「銀色有功章」
右下:「紺綬褒章」
社会奉仕と慈愛の精神で
親身に対応

 人々の不安やストレスが高まり、緊張感に満ちた現代社会。過度なストレスが時にうつ病やがんといった深刻な問題を引き起こすトリガーとなることはよく知られているが、その対策はまだまだ発展途上のまま。藁にもすがる思いで病院に行っても医者は10分程度話を聞くだけ、ずっとパソコンと向き合ってこちらを見ることもなく淡々と薬を処方していき、どれも効いているとは思えない……こうした対応により、西洋医学に対する疑問を抱える人も増えているのだという。この風潮に警鐘を鳴らす『アストラールREIKO治療院』アストラール禮子さん。心霊施術院・心霊カウンセラーとして原因不明の痛みや病に対して「回復する力、生きる力」を支えている。メディアに取り上げられることで知名度も高く、彼女の元には驚きと感謝の声があふれている。
「ただ悩んでいる人を助けたい、苦しみから少しでも解放してあげたい」という思いで自身の生まれ持ったパワーと指圧や按摩、マッサージといった国家資格の必要な技術を組み合わせた施術を行う治療院を開いているアストラール禮子さん。癒しとやすらぎを与えてくれるような雰囲気をもつこの院には、心身の不調に悩める多くの人々が彼女の力を求めてやってくる。「心霊治療」と聞くと宗教に関係することを連想する人もいるかもしれないが、アストラール禮子さんの治療は、そういったものと一線を画す。近年は、東洋医学や薬学、鍼灸を大学病院など規模の大きな病院にも取り入れる動きが活発化しているとはいえ、西洋医学を主とする日本の医学界には、科学的に証明や説明ができないものを排除する傾向が根強く残っている。しかし、旧ソ連の書記長を務めた政治家が超能力者の力を使った治療によって回復した話は有名で、現在は国家資格を持った超能力者の医師も存在しているという。彼らが特別な力を使って病から人を救ったように、アストラール禮子さんもまた、自身の持つパワーを用いて数々の難病奇病から回復する力、生きる力を与え続ける治療を今日まで行っているのだ。「現代医学では解決できない」と見放され、医師たちから匙を投げられて絶望していた患者さんを立ち直らせた症例は、本当に数多く存在しており、最後の砦として科学では説明できない彼女の治療は厚い信頼を寄せられている。
「原因不明で治療方法もない、どうしようもないといわれていたが、アストラール禮子先生の治療院に通い続けたところ、CT検査で奇跡的に好転していると診断された」「正直なところ半ば諦めていたけれど、治療を受け続けたら透析の必要がないといわれ、普通の日常生活を送ることができるようになった」と、人知を超えた力による奇跡の体験をし、命が救われたと喜ぶ人々の声が数多く、今日も寄せられている。
 彼らに寄り添い続け、手を差し伸べ続けたアストラール禮子さん。崖っぷちから生還し、美しい笑顔を取り戻した患者たちを見ていると、自分も心が洗われるような気持ちになるのだと語ってくれた。
 悩みを抱える人のみに留まらず、彼女は現代日本をもその目で見つめている。無私の心から社会貢献にも力を注ぎ、2009年には紺綬褒章、2014年には社会文化功労賞、6度の厚生労働大臣感謝状の授与、日本赤十字社からは「金色有功章」や「銀色有功章」などが贈られるなど、数多くの賞を受賞してきたアストラール禮子さん。そんな彼女が、「命を救ってくれた」「心を楽にしてくれた」という恩人としてはもちろん、人間としてもとても尊敬していると多くの相談者から支持を寄せられるのも納得だ。
 治療院へと足を運ぶ人は全国に存在し、スポーツ選手や芸能人、誰もが名前を知っているような政財界の有名人までもが彼女を信頼している。彼らはみな科学を超越したパワーを求めてやってくるが、その本質は、不思議な力の体感とともに、自分の利益のためではなく社会のために自分の力を使って生きていきたいと決意した彼女の強さに由来しているものだといえるだろう。カウンセラーとの出会いもまた縁。彼女のもとに導かれたことにも必ず理由があり、それは相談者に本来備わっている治す力、生きる力は取り戻すことができる、相談者には明るい未来への第一歩を踏み出すことができるという高次の存在からのメッセージなのである。
「この世に私が生きている限り、人のお役に立ちたい。信じる・信じないは、その人の感性なのでそれはどうでもいいのです。ただし、私を訪ねて来られる時は、『無』の心境で来て下さい」
 自分を認め、好きになる。望みを叶え、心身共に健康でいるのに一番大事なことが、彼女の施術からひしひしと伝わってくる。
(ライター/大嶋ひかり)

アストラールREIKO治療院
TEL/045-573-7999
受付/火・金・土曜日 午前8:00〜9:30
<施術> 10:00〜13:00(要予約)
<相談> 13:00〜14:00(要予約)
休日/月・水・木・日曜日・祝日
アクセス/JR鶴見駅西口バス乗車口10番より「北寺尾」バス停下車、きたは車で約10分

法名 清明(大川原美樹)
福島県出身。韓国、中国、チベットで修行を積み、帰国。ヒマラヤの聖者の指導も受けて、2015年、『瞑想・禅院菩提庵』を開院。整体ストレッチスタジオやレストランンも運営。
厳しい修行で切り拓いた
宗教家への道

◇心を喜びで満たす◇
 零下20度、湖も凍る韓国ミリャン市に聳える標高1198mの載薬山の断崖絶壁をロープ一本で登る。山中を3日間、歩き、走り、跳ぶ。福島県いわき市に立つ『瞑想・禅院菩提庵(ぼりあん)』の庵主大川原美樹(法名清明)さんが2017年、極寒の中で行った修行だ。「命懸けの行も生きていればこそ、楽しい」。Webサイトで紹介した修行の写真に添えた言葉だ。「小鳥のさえずり、羽ばたき、水の流れる音、枯れ草の上をリスが通る音、風の音、自然と一体化して、岩の上にて瞑想に入らせて頂きました。感謝が溢れてきます」とも記している。
 大川原さんは、韓国、中国、チベットで厳しい修行を重ねて仏門に入り、2015年、『瞑想・禅院菩提庵』を開院した。病気を治して衣食住を満たすという大願を立てたと伝わる本尊の薬師如来を祭壇に祀る本堂では、1時間の「108の祈祷瞑想の会」、2時間の「各種マントラ・瞑想の会」、1時間の「写経の会」、100日にわたる「写経の会」があり、参集した幅広い年齢層の人々が、瞑想、写経、読経に心を集中させる。
 法話では心の働き、特に心の中に溜まった想いに触れる。  
「心に生じた苦しみ、悲しみ、喜び、楽しみは、来世まで持って行くものといわれています。そして、同じカルマ(癖)のエネルギーの元に、生を受け取り産まれてきます。苦しみや悲しみは、どこからくるのか? 修行を通して気づいていく。また、喜びや楽しみは、素晴らしいことですが、一度味わった体感を、何度も味わいたくて、執着することも、こだわりとなり、カルマの浄化や魂の成長には、なりません。自分の心の働きを知り、気づいていく、許していく、または、味わい尽くし、捨てていくなどして、生涯かけて、学んでいって頂きたい。そんな学びをする方々がたくさんいらっしゃったら、日本も世界も、この地球も、もっともっと平和になると思います。私が行っていることは、天の、佛さまの手足となり、働くことです。生きとし生けるすべての魂のために」

◇修行を通じて学ぶ◇
 大川原さんは『菩提庵』を、身体を学び、心の働きを知り、魂にたどり着く修行の場とし、修行の励行を促してきた。冬季、山の中での寒修行(水行)には、保育園児から高齢者まで多くの人が参加した。
「自分の言い訳やズルさ、弱さを知った方もあり、自分の内側に流れるエネルギーを感じたり、冷たい水の中でお湯に入っているような熱さを感じたり、自分の回路の毒が抜けていくのを感じたり、世の中の慌ただしさと一体化した自分が消えていくのを感じたりと様々な体感があったそうです。カルマ(業)が様々なら体感する位置も違い、カルマを浄化させ、自分を見つめていく、内側にある静けさに気づく。すべてに段階があります。修行を通じて多くを学ぶことができます」

◇進路決断に父親の存在◇
 大川原さんが宗教家の道に進む決心を促したのは、カイロプラクティックのドクターをしていた父親の存在だという。
「父は、米軍基地で主に身体の自然治癒力を高めるカイロプラクティックの特殊な施術を行っていました。やがて家業を継ぐために家に戻ってきた父は、新聞店の経営と並行して引き続きカイロプラクティックによる施術も行っていました。施術を受けた人の中には、深刻な障がいを抱えた人も多く、父がそれを治したことが評判になり、多くの人が父の施術を求めて訪れていました。その父が亡くなり、今度は私が苦しんでいる人を助けたいと思ったのです」
 初めに韓国に渡り、仏教寺院の中で僧侶を治療する医術院で学び始めた。それを第一歩に仏教の深い世界に入っていく。
「韓国やチベット、さらには中国で修行を積みました。人の心と身体は、すべてがつながり、運と気は同時に流れると考えていましたので、座禅や瞑想を通じて僧侶としての鍛錬を積むだけでなく、整骨や整体技術についても知見を深めていきました。他にも東洋医学や天文学、哲学、さらには食といった幅広い分野について学ぶ中で、身体と心の両方を知り得ることができたのです。それでも自身の不足に悩み、2010年から解脱なさったヒマラヤ聖者様のもと、修行をさせて頂きました」

◇心に届く整体秘術◇
『菩提庵』には、身体について学びを深める場として『大川原整体ストレッチスタジオ』を併設、韓国の整体秘術、ヨガやシャーマニズムをベースにしたチベッタンヒーリングなどインド、中国、台湾、韓国で修得した整体技術、さらにカイロプラクティックや脊髄矯正技術オステオパシー、ステッキウォーキング、山ウォークなども実施。己の心に向かうための呼吸法などの指導も一人ひとりに合わせて行う。
「身体を学んでいくと心に届き、魂にたどり着きます。良い種は良い実を結び、悪い種は悪い実を結ぶよう、原因があって結果があります。整体院兼スタジオは、そのことを学んでいただく場と考えています」

◇笑顔溢れるレストラン◇
 大川原さんは、いわき市内で洋食店『Bistro Rudraksha (ビストロ ルドラクシャ)』も経営している。ルドラクシャとは、ブッダがその下で平和なる悟りを得たという菩薩樹の実のこと。東日本大震災で元気を失ったこの土地に元気になってもらいたいとの思いを込めて2014年に開店した。カジュアルな雰囲気で、和洋中の料理を日替わりで提供しているランチやディナータイムのコース料理が好評だ。もちろん、お寺の台所として、マクロビオティック、ベジタリアン食も、予約のお弁当にて提供している。食べ物を通して笑顔と喜びを届けたいとの熱い思いが伝わるレストランだ。
(ライター/斎藤紘)

瞑想・禅院菩提庵
<菩提庵>TEL/0246-88-7288
<整体院> TEL/0246-63-8687
Eメール/information@borian.net
アクセス/JR植田駅より徒歩約15分、常磐自動車道いわき勿来ICより約15分
<Bistro Rudraksha>TEL/0246-63-3966
営業時間/ランチ11:30~14:30 ディナー17:30~21:00(月曜日のディナーはお休み)
定休日/日曜日(月に1回月曜日休みあり
アクセス/JR植田駅より徒歩約7分
ホームページ http://www.borian.net/

小林英健さん
関西大学卒。銀行員を経て、柔道整復師、鍼灸師の資格取得。「株式会社KMC小林整骨院グループ」総院長。2008年、『学校法人近畿医療学園近畿医療専門学校』開校、理事長就任。
下段
左上:近畿大学附属高等学校ガイダンスの様子
右上:常翔学園へスポーツトレーナー活動
左下:滝川第二高校へスポーツトレーナー活動
プロスポーツ選手に選ばれる
スポーツトレーナー育成

 2020年東京オリンピックを、選手やスポーツファンとは異なる角度で楽しみにしている人物がいる。国家資格の柔道整復師や鍼灸師を目指す人たちの学びの場、大阪市の『近畿医療専門学校』を運営する『学校法人近畿医療学園』の理事長でカリスマ整復師の異名を持つ小林英健(こばやし ひでたけ)さん。
 豊かな施術経験から生み出した「小林式背骨矯正法」をベースにした新療法『スポーツ活法』を学校で学び、スポーツトレーナーの道に進んだ門下生たちが、スポーツの祭典の舞台裏で選手たちの健康管理を担う姿が見えているようだ。

◇新療法ブランド誕生◇
 小林さんは、2016年夏のリオデジャネイロオリンピックで、ボクシング日本代表選手の公式トレーナーとして帯同した経験を持つ。『スポーツ活法』は、その年の4月、『近畿医療専門学校』の新療法ブランドとして立ち上げた。柔道整復師や鍼灸師がスポーツトレーナーとして活躍するための技術だ。その根幹を為すのが『小林式背骨矯正法』。戦国大名の一族、南條家の武術から生まれた活法を起源とする施術方法を現代流に改良し考案した即効性のある矯正法だ。
「『小林式背骨矯正法』は、背骨の歪みを正確に把握するため、特に頭を支える頸椎、腰椎と尾椎との間にある仙椎、骨盤を重点的に調べ、念入りな触診によって歪みを探り当て矯正します。持続性に優れ、数回の矯正で、背骨、骨盤、筋肉すべてのゆがみが全身にわたってなくなり、大半の症状が改善に向かい、ケガの予防につながります」
 セミナーなどを通じて、これまでに1万人以上の治療家がこの技術を体験、技術を修得した治療家は1500人を超える。『スポーツ活法』の技術も身につけた治療家がスポーツトレーナーとしてプロ野球やJリーグ、大相撲などの有力選手や力士を支え、高い評価を得ている。

◇働きながら学べる環境◇
「『近畿医療専門学校』で学ぶ学生は、高卒や大卒、転職組など様々です。スポーツに関わる仕事に就きたいと考える人はたくさんいますが、いったん就職された人は、仕事を辞めてまで資格を取ることに関して勇気がいります。でも、一生の仕事としてスポーツに関わることをあきらめ切れない人がたくさんいるのが現状です。そんな人たちにとって『近畿医療専門学校』は、「小林整骨院グループ」を持っているので、働きながら学ぶことが可能です。自分の夢をあきらめないための選択肢として、『近畿医療専門学校』でスポーツトレーナーを目指してほしいと思います」
『小林式背骨矯正法』や『スポーツ活法』が学べる『近畿医療専門学校』には、卒業すれば柔道整復師や鍼灸師の国家試験の受験資格が得られる柔道整復科と鍼灸科がある。柔道整復師や鍼灸師に必要な技術や知識の習得が基本だが、資格取得後に医療現場やスポーツ界で活用できる技術や知識も学べる実務型のカリキュラム編成が特長だ。履修課程内にはスポーツトレーナーに関わる授業があり、講師を務めるプロのスポーツトレーナーの現場実習を体験できるほか、休講の日にはオフィシャルスポンサーシップを結んでいる関西のプロスポーツチームや競技会場を訪れ、現場を体感できる特典もある。

◇やりがいのある仕事◇
 小林さんは、大学卒業後、銀行に勤めたが、「生きがいを仕事にしよう」と退職して柔道整復師の資格を取得、治療家の道に進んだ。この中で、『小林式背骨矯正法』を確立、続々と整骨院を開院して「小林整骨院グループ」を形成してきた。2008年には、『近畿医療専門学校』を設立し、真の医療人としての柔道整復師、鍼灸師の育成に乗り出した。
「教育の現場から見つめ直そうと考えたのが学校設立の動機です。社会に出てからが本当のスタートであり、プロとして信頼される施術などを直接学生に伝えようと考えたのです。治療の第一線で実力を発揮できるような教育を行いたい、そんなコンセプトで始めました。経験豊かな柔道整復師や医師、スポーツ界で活躍しているスポーツトレーナーを講師に迎え、『すべては患者さまのために』を合言葉に、患者さまに喜んでいただくためなら何でもできる、ときには自分を犠牲にできる人材を求め、その育成に全力で努めています」

◇プロスポーツ選手に選ばれる理由◇
 プロ野球選手やプロサッカー選手など多くのアスリートに選ばれる理由は、「高い技術力」にある。普通のトレーナーであれば、ケガの予防やケガをした時の手当ができる。
「我々の『スポーツ活法』は、それだけでなく選手のパフォーマンスを上げることができます。小林式背骨矯正により、体の軸が整ったり、バランスが良くなります。人の体は、背骨が軸になってます。その軸が整うことによって、体のキレや関節の動きが良くなります。そのことによって、速い球が投げられるようになったとか、コントロールが良くなった、バッティングの飛距離が伸びた、打球が速くなった、強烈なキックができるようになった、速く走れるようになったなどなど、選手選手からの声に限りがありません。そんな一流選手のケアができるということは、一般の患者さまにも同じことがいえます。手術寸前の患者さまが手術を受けなくても良くなったとか、ギックリ腰が一回で改善したなどよくある話です」
(ライター/斎藤紘)

学校法人 近畿医療学園
TEL/06-6360-3003
ホームページ http://www.kinkiisen.ac.jp/

自由遊びをかかげ、保育園の園児が遊んでいる様子を開放感を持ち、地域住人との垣根を作らず、活性化を望んでいる。
下左:最新刊「子どもたちの輝く未来のために
子どもの力を伸ばす積極的保育のすすめ」
現代書林刊 1,200円+税
下中:著書「大切なことはみんな保育園で学ぶ
~よい保育の場を求めて Part Ⅱ~」
(DVD付) フォーラム・A刊 1,852円+税
下右:著書「よい保育の場を求めて
~大切なことはみんな保育園で学ぶ~」
出版文化社刊 1,429円+税

山本良一さん
大阪府出身。大阪市中央児童相談所で児童福祉司として活躍後、1976年、『大東わかば保育園』を開園。2016年、3冊目の著書「子どもたちの輝く未来のために 子どもの力を伸ばす積極的保育のすすめ」(現代書林)を出版。花園大学非常勤講師など歴任。40年間の現場経験を生かした「積極的保育」の教育理念が評判を呼んでいる。
自由遊びで
成長を促す教育方針

 子どもを育てる力が不足しているということが多く指摘される現代の家族や社会。核家族化や地域住民同士の会話が減り、子どもに声をかけにくい国になってしまった日本において質の高い養護と教育機能を実現させる新たな教育理論を提唱し、反響を呼んでいる『大東わかば保育園』の山本良一さん。40年間にわたって保育に関わり続けてきたスペシャリストである山本さんは、子どもの力を信じて伸ばしていくことを第一に考えた「積極的保育」を掲げアクティブに現場で活動している。
 人格形成の基礎を培う方法論として極めて有効な「積極的保育」を具現化したのが、『大東わかば保育園』の「自由遊びの時間」。午前8時から9時半、午後4時前から4時半の2回時間を設け、1歳児から5歳児までの園児が外に出て一緒に遊ぶこの時間は、子どもの遊びから学び取っていく姿勢を重んじており、保育士は数名が遊んでいる子どもたちの中で、なるべく干渉しないように心がける。アクシデントがあっても、ものを振り回したりケンカがエスカレートしたりした時に子どもの名前を呼んだり、それほど強い制止や口調になったりしないように配慮して気をつける態度で見守るようにしているのだという。
「自由遊びの時間」を眺めていると、小さい子どもが大きい子どもに遊んでもらう姿が非常によく見られる。小さい子どもが大きな子どもに混ざって遊び、また大きな子ども同士で遊んでいるところを見ることで自然に友達との遊び方を学び、さらには危険を察知し、避ける感覚を身につけることができるようになる。
「1歳児、2歳児の園児が給食を食べた後、外に出て遊べる幼稚園や保育園は、実は公立・民間問わずほとんどないんです。開園後すぐの約40年前から、子どもたちの気持ちをリラックスさせるとともに自分で自由に動き、気持ちの向くままに一人で遊んだり友達に声をかけて遊んだりすることが大切だと考えて取り入れている教育です。普段の何気ない遊びが学びに進化し、子どもたちは大きく成長していくのです」と山本さんは語る。
「日本の保育現場は、毎日保護者への対応や事務処理、行政からの様々な要請に追われて、保育に十分に集中できていないという問題を抱えています。また、行政や学校は、机上の空論ばかりで、会議で決定されたことを行っているので、保護者側としても、教育の問題の当事者であるのにかかわらずはぐらかされたような思いを感じています」
 山本さんは過去に、自身が園長と理事長を勤める『大東わかば保育園』のうんどう会を何人かの他園や小学校の先生たちに見てもらった後、話して感じるのは、彼らの視点は教育的な観点に著しく欠けており、保護者競技や地域社会の催し、イベントや年中行事をとにかく無事に成功させるということにこだわりすぎていると気づいたのだという。
「保育は、教育の基盤であり、子どもたちの人生の基盤であるという考え方が教育に携わる職員全員の頭の中にあり、それが共有されていれば、こういったことは起こらないはずなのです」
 こう嘆く山本さんは、ならば自分が教育の根本を大事にする保育を広めていこう、と『大東わかば保育園』でのカリキュラムに自身の教育理論を組み込んだ。自分で考え、意欲的に自分を伸ばすことに取り組み、人の気持ちを思いやれる子どもを育てるための努力は怠らないというのが、山本さんの方針だ。
 同園では、季節の行事やバリエーション豊かなイベントも企画。関わる大人たちが一丸となって、子どもたちの個性を伸ばし社会の一員として成長できるよう、力を尽くしている。
(ライター/大嶋ひかり)

社会福祉法人 弘法会 大東わかば保育園
TEL/072-878-4121

寒い冬を過ぎれば、待っているのは暖かく花咲く春。陽気の中若葉や美しい花を愛でながら歩くのは心が躍る。日本人の心には、悠久の昔から森林のある生活が根付いている。ビルが並ぶようになった現代だからこそ、自然に親しむことの尊さを噛みしめたいものだ。

髙橋正二さん
神奈川県出身。山梨県庁で林業改良指導員(Ag)や林道の測量・設計に30年間従事する。退職後、帰郷し、森林組合の参事を2年間務めて、林業経営の知識を深める。49歳で独立『高橋林業』を設立。経営基盤の強化に努めると同時に、手厚い福利厚生を整えて人材育成に注力、林業のイメージ刷新に意を注ぐ。
森林の楽しみ方をご紹介
あちこちに芽吹く命を楽しんで

 現在、声高く自然保護が叫ばれているのは、森林が人間にとってなくてはならないものだからだ。私たちが散歩に出かける地元の山のみならず、大規模な土砂崩れや洪水・浸水といった都市の住民にも被害が及び得る災害から守る森林、また防風や松原のような潮を防ぐ保安林や魚が産卵する魚つき林など、私たちの周りには様々な森林があり、命の根本を支え、より心を豊かにしてくれている。
 そんな山をもっと身近に感じることができるのが、春先である。もちろん気候によって風景を変える山は、四季折々に美しい姿を見せてくれる。その中でも、山桜やたんぽぽ、スミレ、野イチゴの花といったように色とりどりの花を咲かせ、青々とした緑の葉が芽吹く春先に野山を歩くことで、たくさんのフィトンチッドを満喫し、心身共にリフレッシュできることは間違いない。
 山歩きのプロである『株式会社高橋林業』代表髙橋正二さんに、春の野山の楽しみ方をベテランの視点からレクチャーしていただいた。

自然の恵みがいっぱい!
準備万端で山へ出かけよう

「春はタラの芽やコゴミ、ウド、ワラビ、フキなどの山菜がたくさん採れます。山を歩いているとびっくりするくらいタラの芽がたくさん自生しているところに遭遇することもありますね。代表的な山菜料理である天ぷらはもちろん、混ぜご飯や和え物、炒め物などにしても楽しむことができます。簡単で食卓のプラス一品としてもちょうどいいし、実際に山菜を採るところから味わってみるのはいかがでしょうか。高級なステーキでなくても、山には美味しいものがたくさんありますからね。大量に芽吹いているものをリュックに詰め込んで、隣近所におすそ分けをするのも楽しみの一つ。これらの食材を見つけたときの喜びは、宝物を見つけた時のようでとてもうれしいです」
 髙橋さんは、高い山は、天気が変わりやすいことも教えてくれた。やはり晴れた日のほうがウォッチングや山野草などの観察をしやすいので、天気予報を確認し、いざという時のための雨具や防寒ウェアや水、アメ、チョコレートなども準備して山に臨みたいものだ。
 気楽に、近所の低山から山歩きを始めてみるのはいかがだろうか。
(ライター/大嶋ひかり)

暮らしの支えとなる森林
自然が見せる

「これからの未来」
 世界第2位の有数の森林大国、日本。国土の約7割以上を森林が占め、悠久の昔から、人々は山と共に生活し、暮らしてきた。先人は、山の恵みを衣食住に活かし、絶やすことなく繰り返し資源を活用してきた。綺麗な水や空気を作り出し、動植物の生態系を守り、人々に潤いとやすらぎを与え、さらに樹木が二酸化炭素を吸収し、酸素を作り、地球温暖化や土砂崩れや洪水などから守るなど、多様な公益的機能で森林は、人類に大きく貢献している。
「私の子どもの頃は、山や森林で遊び、嬉しいこと、楽しいこと、危険なことを自然から学び、体験し、森林と共に育ってきました。今考えると本当に山から教わったことが多いように思えます。しかし近年、私たちはどんどん山や森林から離れてしまい、人間としてのゆとりを失ってしまったように思います。都会のコンクリートジャングルの中では、心から疲れて落ち着かない気がします。やはり山や森には、人工物に囲まれた環境には無い豊かさがあって、私は癒され、疲れがとれます。今一度、森林の大切さに思いを寄せ、皆の力で後世のために活力ある森林を創り、守っていきたいと思っています」

株式会社 高橋林業
TEL/042-689-2848

3Dマシンコントロール・ガイダンスシステムを搭載したハイブリッド油圧ショベル「SH200HB-6」
最新型ICT建設機械 住友建機製 SH200-7MC(0.7㎡)3Dマシンコントロール(ニコントリンプル製)見やすく操作性に優れたモニターで、これまで以上にオペレーターにストレスがかからなくなる。2018年完成に向けて自社新社屋の建築現場。

山根真司さん
香川県出身。父親が大工職人だったため小さいころから同じ道に進みたいと思っていたが、高校では土木科に進み、入学する時に「建設業で独立する」と宣言。「下積み時代は厳しいが、とにかく何があっても5年間は辛抱しろ」との父親のアドバイスを胸に、卒業後、建設会社に就職、現場監督として5年間勤めた後、1997年に独立。
土木工事のハイテク化を
先駆的に推進

「買う人の立場になって、買うだけの価値があるものを提供しなければならない」
 一般土木工事、エクステリア工事を手掛ける『山根建設株式会社』代表取締役、山根真司さんの信念だ。
 大工職人の父親の指導の下、建設業界での修業を経て独立した山根さんがこの信念を実現する手段として推進するのがハイテク化だ。ICT情報通信技術を搭載した最新鋭の土木機械を先駆的に導入、作業効率の向上、安全性の確保、環境負荷の軽減、コスト削減を徹底的に追求し、顧客満足度の最大化を図る。
 同社が造成する工事現場は、職人の力量に頼る現場とは様相を全く異にする。無線LANの通信基地局を設置し、ICTを搭載した重機類が地球測位航法衛星システムなどで制御される。ハイブリッド油圧ショベルに3次元測定技術で現場の状況を自動的に把握できる3Dマシンコントロール・ガイダンスシステムを国内で初めて搭載、杭や糸などの独特の道具を使って構造物の位置を出す面倒な丁張り作業をなくした。
 山根さんは2011年に、特定特殊自動車の排出ガス基準をクリアした新型後方超小旋回油圧ショベルを四国で最初に導入したのを皮切りに、新世代クリーンエンジンと新油圧システムを融合させたハイブリッド油圧ショベル、コンパクトで燃費、パワー、安全性に優れた新世代油圧ショベルなどを次々に採用、電子情報を活用して高効率、高精度な施工の実現を目指す情報化施工の最前線に立ち続けている。
 職人の気質が骨の髄まで沁みついている山根さんだが、技術の進化も直視する柔軟性も際立つ。後戻りができない重要な工程である基礎工事への情報化施工の導入は、「常にお客様の立場で考え、行動する」という山根さんのお客様目線重視の経営姿勢の象徴でもある。
(ライター/斎藤紘)

山根建設 株式会社
TEL/087-885-7725
ホームページ http://yamane-k.jp/

基礎工事 職人たちと共に

宍戸信照さん
神奈川県出身。『有限会社信和土建』を創建した父親の「仕事は見て覚えろ。ワザは盗むもの」という教えを胸に経験を積み、27歳のとき事業を継承。個人事業主の職人たちと協力し合い施工。
精緻を極めた
仕上がりに宿る職人魂

「建物の基礎の大半は隠れて見えなくなりますが、だからこそきちんとした仕事が必要なのです」
 建築基礎工事を手掛けて30年超、『有限会社信和土建』代表取締役、宍戸信照さんは、この信念に背くことなく、精緻、整然を徹底追求する最高の施工水準を守り抜き、「見えないところをきれいにすると、見えるところが光りだす」と喝破した経営の神様、松下幸之助の名言を絵に描いたような仕事ぶりで信頼を得てきた。
 基礎工事は、建物の形状に合わせて穴を掘り、敷き詰めた砂利を機械で固めた下地に鉄筋を組み、コンクリートを流して土台を形成する仕事。宍戸さんは、穴掘りに機械だけに頼らず、スコップで根気よく掘り進める。機械による掘削では泥が割れたり、不純物が入ったりする恐れがあるからだ。砂利を固めた後、水蒸気の流入を防ぐ防湿フィルムを全面に敷き込むが、それも同じ大きさに揃える。コンクリートの表面をならす作業も京都の伝統工芸師の作ったコテで丁寧に進める。雨が降ってシートが汚れれば、雑巾で拭く手間のかけようだ。
「基礎工事は、図面通り、水平垂直の施工をすることが最も重要です。この当たり前を守るのが結構、至難の業なのです。現場によっては、土の硬さが異なって思うように施工できなかったり、気温や湿度によってコンクリートの固まり方が変わってヒビが入ったり、苦労することは少なくありませんが、お客様から信用されて仕事をする以上、そういった困難は当たり前にクリアしなければなりません」
 建物の欠陥や手抜きを確認する住宅検査専門会社ホームリサーチ社が、優れた建築職人を顕彰するマイスター制度で、その工事現場を審査した認定員は整然とした規則正しい施工状態と評価、宍戸さんは最高レベルの三ツ星の配筋マイスターと転圧マイスターに認定された。
 宍戸さんは、作業効率や仕上がりの美しさの観点から、配筋に使う鉄筋も既製品を使わず、自社加工場で加工する。鋼材メーカーから鉄筋用棒鋼を仕入れ、建物の構造から必要数を割り出し、配置場所や形状を図面に落とし、構造に合うよう加工していく。その数、大小数千本にも上る。継ぎ足しが必要ない7・5mの鉄筋も作っている。
 仕事で決して手を抜かない宍戸さんを支えてきたのが妻の直美さん。事務全般を担当するだけでなく、職人の面倒をみたり、資材を現場に運んだりして、仕事が円滑に進むよう後押しし、文字通り二人三脚で経営を維持してきた。
(ライター/斎藤紘)

有限会社 信和土建
TEL/ 042-763-4443

土木業界を女性経営者が新開拓
堅実で信頼される業務体制を守り抜く。

坂巻美代子さん
山梨県生まれ。23歳の頃から建設現場に責任者として父の手伝いを始め、当時女性では珍しい旧建設省所管の難関国家試験に1回で合格、土木施工管理技士の国家試験を取得し、バックアップ。その後、1986年に『株式会社開発工業』を設立。設立後は、経理などの管理業務を担う。1999年に夫が会長、自身が社長となる。夫婦二人三脚で同社を支えてきた。
夫が築いてきた
信頼を受け継ぐ

「私たちの仕事は土との戦いですが、社員が非常によく働いてくれます。これからも、〝使い易い〟会社であり続けたいですね」
 こう話すのは、創業1986年以来、土木工事一筋に前進してきた会社を牽引する女性経営者の『株式会社開発工業』代表取締役の坂巻美代子さん。土木工事を担う夫との結婚後、会社経営をゼロから学び、女性では当時珍しい土木施工管理技士の国家試験を取得し、創業時の社長、夫との二人三脚で同社を支えてきた。
 同社は、戸建て住宅やマンション建設時の造成工事を中心とする土木工事会社として、ゼネコン各社から、変わらぬ信頼を集めている。東北方面から中国地方までの本州を舞台に、ハイブリッド油圧ショベルなどハイテク機種を含め、現在、累計200台の建機を採用。受注業務のほとんどは、国や公団などの公共事業を請け負うゼネコンからの依頼を受けている。現在いる従業員20人の内、社長を含め5人は、土木施工管理技士の資格所持者。さらに、重機オペレーターに必要な専門の資格保有者も多数おり、狂いが許されない高速道路の拡幅工事や外構工事などで精緻な基盤造りで実績を重ねてきた。何よりの強みは、建機と技術者、オペレーターを自社で提供できるところにあるだろう。ハイレベルな人と建機の一体感が現場の施工技術の向上と、機動性を最大化してきたのだ。
 これには、「土木業界は男社会にあり、社長就任後は女性で勤まるか不安でしたが、皆様が温かく迎えてくれ、業務運営のノウハウ、人との付き合いの仕方を主人と同じように続けてきたことが経営の安定に繋がった。何もない場所を開拓し、そこに街や道路などが形成される。変わりゆくその姿を想像するだけで夢が広がる」各方面から厚い信頼を得ている『開発工業』はこれからも明るい未来を作っていく。
(ライター/田上智美)

株式会社 開発工業
TEL/046-241-3364


[イギリス生活情報誌]月刊 ミスター・パートナー 〒160-0022 東京都新宿区新宿2-15-2 岩本和裁ビル5F TEL.03-3352-8107 FAX.03-3352-8605