2010年の12月に国内発売となる日産のEV(電気自動車)『リーフ』が、昨年8月に発表された。「燃料費を含めたトータルコストで、同じクラスのガソリン車より安くなるような価格設定(実質価格最安モデルで約299万)を実現した。
エコカー分野をけん引するハイブリッド車(HV)だけでなく、まずボディサイズ。スペックも予想以上に大きく、全長4445mm×全幅1770mm×全高1550mmの、ホイールベース2700mmで、プリウスとほぼ同じ。ヨーロッパ式車両区分だと、VWゴルフなどをイメージしていただくと分かりやすい。
これまで国内で公表された、他メーカーの量産EVは主に軽自動車ベースであったのに対し、『リーフ』はCセグメントと呼ばれるスタンダードな普通乗用車サイズで、大人5人が乗れる広い室内空間をもちつつ、1回の充電で160キロ以上の走行が可能な航続距離を実現しているとのこと。「モビリティの新しい時代、ゼロ・エミッションの時代」をメッセージとして掲げる新開発で、2010年度後半には北米、日本のみならず、欧州でも発売される予定だ。
発表会にて、代表のカルロス ゴーン氏は、「全ての日産の従業員が誇りを感じて良いほど、非常に素晴らしい出来となった。私たちは、エミッションが少ないのではなく、エミッションがゼロとなるクルマを公開するこの日を実現するために懸命に取り組んできた。これは世界中の人々が間違いなくエキサイティングに感じる新しい時代に向けた最初の一歩である。」と、述べた。
2010年秋から追浜工場(神奈川県横須賀市)において、年5万台の規模で生産開始、2012年の後半には米国テネシー州のスマーナ工場で、EVと電池の生産にも着手する。米国では、数年後の本格稼働時には車両を年15万台生産する計画であり、そのころには車種も3タイプに増やす予定だ。手頃な価格でどこまでユーザーのニーズに応えてくれるのか? その結果は来年のこの時期に良い形で現れるように期待したい。