今の大ヒットはこれだ 2015


イギリス生活情報誌 
月刊
ミスター・パートナー
〒160-0022
東京都新宿区新宿
2-15-2岩本和裁ビル5F
TEL.03-3352-8107
FAX.03-3352-8605
株式会社 MsEnergy 代表取締役
藤原優昭氏
鳥取出身。商業高校卒業後、自動車販売会社の整備士、タイヤメーカーのカーショップの店長を経験。結婚後、夫人の郷里の熊本に移り、物流会社の部長を経て、2011年、独立、オフィス家具の組立・設置を始める。2013年、「MsEnergy」を設立して事業展開、「日本セラフィムソーラー」で太陽光発電事業も推進。

秀でた知識吸収力で事業推進
信頼をバネにステップアップ

 熊本県嘉島町の『株式会社MsEnergy(エムズエナジー)』のオフィスに一枚の表彰状が掛かっている。2014年10月に大手物流会社が主催し大手オフィス用品会社が協賛して開かれた九州エリア組立技能大会で優勝した時のものだ。組み立てたのはオフィス家具。正確さ、美しさ、速さで他の参加者を圧し、テクニックの高さを示した。
『MsEnergy』は、この大会の前年、2013年に藤原優昭社長が興した会社。オフィス家具、組立からオフィスのレイアウト、オフィス家具や什器、パーティションなどのオフィス関連商品の販売、オフィスの移転、内装、設備工事まで手がけ、九州一円で実績を重ねてきた。
「オフィスの環境は、快適に毎日の業務を遂行するうえで極めて重要な要素です。業務に合わせた効率の良いレイアウトになれば、社員のモチベーションも上がり、業績の向上に繋がります。その点を考慮しながらレイアウトデザイン、什器、家具を提案し、仕上がりの美しさを徹底的に追求してきました」
 業務推進の拠点となるオフィス、社員が多くの時間を過ごす空間のレイアウトには、業務を円滑に進めるためのゾーニング、動線の設定、高いパフォーマンスを生む仕掛け、社員同士の交流によって相乗効果を生むデスクの配置、ミーティングスペースやリフレッシュスペースの確保など考慮すべきテーマがあるが、藤原社長はクライアントの要望に沿う最適解を示すことで信頼を勝ち得てきた。
 同社を設立する前は、藤原社長は物流会社の総括部長として活躍していたが、その会社の取引先の人物からオフィス家具の組立・設置の仕事を勧められ、強い関心を抱き、2011年に独立し、個人事業としてオフィス家具の世界に転じたというゼロから出発だった。
「仕事を始めるにあたってメーカーさんと打ち合わせをした際に、経験はあるかと聞かれて、正直に未経験であると伝えたのですが、ちょうど繁忙期前だったこともあり、運良くその仕事に携われることになったのです。最初はほとんど仕事を回してもらえませんでしたが、仕事を覚えるにつれ、徐々に仕事が回ってくるようになり、半年ほどが経ったころには九州で一番の仕事量をさばくようになっていました」
 この中で、オフィス家具、什器について知識を蓄え、組立、設置の技術を磨いた。さらに、会社設立後、大手オフィス什器会社3社と提携関係を結び、取り引きする中で示される図面や様々な資料、データからレイアウトデザインの手法を覚え、それが現在の業務推進の力になっている。それを家庭用家具にも応用し、通販やホームセンターで家具を買ったものの組立ができない女性や高齢者を対象に組立作業を代行する家庭用家具サービスも並行して進めている。祖父母や両親にプレゼントする家具の移動、組立、設置をサポートする事業にも乗り出し、新たな需要開拓に繋がっている。
 同社にはもう一つ、経営を支えている事業がある。太陽光発電事業だ。社長が早くから構想を描いていた事業で、太陽光発電の機器の販売、設置、施工、管理を担う『日本セラフィムソーラー株式会社』を設立し、『MsEnergy』が営業を担当、全国規模で事業を推進している。扱うソーラーパネルは大手メーカーとの連携による垂直統合生産システムでコスト、品質を改善した高性能な製品で、昨年、東京ビッグサイトで開かれた国際太陽電池展に出展され注目を集めた。
 鳥取出身の藤原社長、商業高校卒業後、自動車販売会社の整備士、カーショップの店長を経験し、結婚後、夫人の郷里の熊本に移り、物流会社の部長を経て起業という軌跡を辿った。転機に共通するのは、一からスタートしながら業務に習熟する知識吸収力と誠実な仕事ぶりを評価する人物が存在し、その誘導でステップアップしていることだ。
「仕事の上で大事なのは信頼されること。それが全てだと思っています。どんなことも正直に言うことを重んじてきましたし、そうあるよう心がけてきました。また、仕事で全国を回り、様々な業種の方と交流したことで得た知識が事業展開に役立っていると思います」
 社長が今構想を描いているのが、食べるのも作るのも好きというパスタの店を出し、行く行くはロイヤリティを低く設定してフランチャイズ展開し、経営者として独立したい人を応援することだという。これまでと趣きを異にする事業への進出を笑顔で語る藤原社長には、さらにステップアップする力が秘められている。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 MsEnergy エムズエナジー
TEL:096-234-7955 FAX:096-234-7956
ホームページ http://www.msenergy.info/

株式会社 SOME 代表取締役
染谷智氏
青春時代、英国を一人旅し、ヨーロッパの様々なエンターテインメントに影響を受ける。帰国後、専門学校で音楽を学び、音楽活動や一人芝居に力を注ぐ。テレビ番組の制作会社に就職。仕事の幅を広げたいと考え、2013年「SOME」設立。社名はSomething Of Media & Entertainmentの略。

メディアのヘキサゴン構築
相乗効果を生む事業の連携

 情報をやり取りする通信機器の新製品が次々に開発され、生活空間のメディア化が進む。それに伴いメディアとの接触時間は増え続け、博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所が昨年、東京で実施した調査によると、1日のメディア接触時間量は385・6分、ざっと6時間半だ。メディア環境が大きく変化する中で、変わらぬものがある。良質なコンテンツへの渇望だ。心を揺さぶり、心を満たす言葉、映像、音、情報で構成されたコンテンツだ。
『株式会社SOME(サム)』は、そうしたコンテンツを求めるマスメディアの視聴者、デジタルメディアの利用者の声に応える独自の体制を構築した2013年創業のプロダクション。「エンターテイメントで日本を元気に」をスローガンに、クライアントの伝えたい情報と視聴者が知りたい情報を時代の潮流の中で見極めながら高品質な映像コンテンツを制作、そのノウハウを多様な分野に活用するメディアの総合商社的な存在だ。
 その体制を染谷智社長は「メディアのヘキサゴン」と表現する。ヘキサゴンとは六角形のことだ。「番組・映像制作」を基幹事業に、それから派生する「TVパブリシティ」「イベントプロデュース」「ネットプロモーション」「エンターテインメント制作」「タレントマネージメント・キャスティング」の5つの事業を展開している。
「6つの事業はそれぞれが独立した事業ではなく、現場経験で培った視点とノウハウをもとに、有機的に結びつけ、連携させることによって相乗効果を生み出し、最適なコンテンツ、アイデアを素早く効果的に伝えることができるのが我々の強みだと思っています。メディア各局とのコネクションによって、テレビ番組制作のアイデアを盛り込んだ独自のPR戦略をハイスピードで実現し、コンテンツを全国各地に拡げていくことも目指しています」
「番組・映像制作」は、バラエティ、報道・情報番組、企業CM、インフォ―マーシャルなど幅広く手掛け、NHK、民放を取引先に人気番組の制作に協力している。「TVパブリシティ」は、テレビ番組の中で商品やサービスを自然に紹介するPR手法で、番組制作で培った企画力とマスコミ業界のネットワークをフルに生かす。
「イベントプロデュース」は、台本の制作、イベントの運営、タレントのキャスティングなどで企業や地方自治体などの催しものをサポートする。今年、東京・お台場と埼玉県所沢市で開催された全長300mのウォータースライドを楽しむイベント「スライド・ザ・シティ」の企画、運営に携わったのはその一例。
「ネットプロモーション」は、ネットを駆使したPRに関するコンサルティング、ホームページデザインの制作、イメージモデルのキャスティングなどによってデジタルメディアを活用するPRを支援する。「エンターテインメント制作」は、音楽や舞台の制作、講演活動のほか、演技指導などを通じた人材育成にも取り組む。
「タレントマネジメント・キャスティング」は、俳優やタレント、歌手、落語家、コメンテーターなどを講演会の講師やイベントの出演者として登録、主催者からの依頼を受けて出演交渉、派遣をサポートする。WEBサイト「キャスリンク」を窓口に拡充を図っている。
 染谷社長は、都心と地方の情報格差の是正にも心を砕き、地方と都心の橋渡しとなることも事業に掲げている。
「現在、エンターテイメント関連の事業は、都心部といった特定の地域でのみ展開されがちですが、エンターテイメントを必要としている人は地方にも大勢いらっしゃるはずです。ただ、導入する方法がわからなかったり、自ら情報を発信したいと思ってもどうすればいいのかアイデアが浮かばなかったりして、実現できていないのだと思います。映像コンテンツなどを駆使して、地方の文化や産物などを都心に、また都心で創られるエンターテインメントを地方にもたらすなどの方法で、お力になりたいと思っています」
 青春時代、英国へ一人旅をし、欧州の様々なエンターテインメントに影響を受け、帰国後、専門学校で音楽を学び、一人芝居に熱中、そうした活動で培われたエンターテインメント精神が起業への意志を形成、多様な事業展開の源泉になっている。
「これからもノウハウを磨き続け、仕事の幅を広げ、日本の隅々まで元気にできるような会社になりたいと思っています」
(ライター/斎藤紘)

株式会社 SOME
TEL:03-6441-3250 FAX:03-6441-3249
ホームページ http://www.some-jp.com/
         http://www.caslink.biz/

トレジャーダイブ 代表
松山大舗氏
1980年東京都稲城市生まれ。元動物看護士。現役の港湾潜水技士であり、起業家。潜水士試験合格アドバイザー。2014年5月『トレジャーダイブ』設立。二級港湾潜水技士、一級小型船舶免許操縦士免許、潜水士免許、送気業務特別教育、ガス溶接技能講習、小型移動式クレーン運転技能講習、アーク溶接特別教育、JISアーク溶接(基本級)、職長・安全衛生責任者講習など、業務に関する資格・免許多数。古物商、動物看護士三級、一級愛玩動物飼養管理士なども取得済。

『面白いほどよくわかる! 潜水士試験講座テキスト』
くわしくはホームページで
1年前はゼロからのスタート
「自分の未来は変えられる」

IT╳潜水士
 何やら禅問答のようだが、これは『トレジャーダイブ』の代表松山大舗氏に、潜水士試験講座の教材を作ったきっかけを伺った時の言葉だ。
「『IT╳潜水士』という組み合わせに未来を感じました。そこから、私のビジネスが始まっています。本当にゼロからのスタートでした。自分のメディアを持ちたい。それがすべてでした。『自ら情報発信をすること』そして、挑戦していくこと。その決意と覚悟があったからこそ、自分自身の芯が定まりました。
 学びながら、同じ志を持つ人たちや先輩たちと交流でき、実践できる。そして、迷った時には相談できる様々な方法があること。その環境を作ることが私の仕事だと感じました。その気付きを得たのは「仲間との出会い」がきっかけです。リアルでの交流は、とても大事だということを体験的にも如実に感じました。
 そして、悩みを解決できる活動はビジネスになります。つまり『人助け』そのものが『ビジネスモデル』になるのです。そのアイディアをカタチにする。実現させるために努力することが自己成長につながりました。そして『今、できることは何か?』を常に考え、それをどうすればカタチにできるかを考えています」

潜水士とは?
 潜水士という職業をご存知だろうか。様々な海洋プロジェクトを支え、幅広く活躍する高度な専門職の国家資格だ。水中作業で「ものづくり日本」を海から支えている。潜水で行われる様々な作業は危険度がとても高く、一定の知識や技能を持った者にしか従事することができない。そのために必要な知識を問うのが潜水士試験だ。試験は年に4回、学科のみで行われる。

潜水士になるには?
 潜水士試験の合格率は80%といわれるが、専門用語や法律問題、計算問題などが多く、きちんと要点を押さえないと思わぬところでつまずくことになる。松山氏のテキストは、自身の経験を踏まえ、これ1冊だけで試験対策ができるようになっている。約780ページのボリュームに、分野ごとにイラストや図解で分かりやすくまとめられ、さらに効率よく学習できるように試験に出るポイントと出題の方法がピックアップされている。また印刷された冊子版と、スマートフォンやタブレットで見られる電子書籍版の両方が含まれているので、自分のペースや生活サイクルに合わせて効率よく学習することができる。また会員専用サイトの他、独自にSNSを構築し、質問や悩みを直接訊ねることができるのも心強い。

転職だらけの10年間
 松山氏の学生の頃の夢は、獣医師になることだった。受験に失敗した後、専門学校に通い、動物病院に動物看護士として勤務。非常にやりがいのある仕事だったが、問題が多々あり退職。その時癒やしを求め始めたのがダイビングだった。そこで海の素晴らしさに出会った。その後、訪問販売、クリーニング店など転職を繰り返す内に徐々に「海で仕事をしたい」という想いが強くなり、「潜水士」を知る。必要とされる複数の資格を取得し、潜水会社に就職し、港湾工事以外にも環境調査などにも従事した。6年間在籍後、激務から体調を崩したり、家族が大変な時期に一緒にいられないなど多くの問題があり、2014年5月に退職した。

ゼロからのスタート・1年の軌跡
 松山氏は、すでに前年の11月から準備を始めていた。ビジネススクールで学び、起業家やフリーランスの仲間を得て、戦略を練っていた。そして5月10日に開業届を提出。個人事業者としてスタートしたのだった。
 自ら情報を発信し、交流ができ、支援できる自分のメディアを持つこと。夢の実現に向けて、ゼロからスタートを切った。パソコンの知識も経験もなかったが全て独学で、現在の大変充実したサイトを構築した。また、自己資金が無いため「創業補助金」に応募し、補助金200万円を受けてアニメCMや教材コンテンツなどを製作した。このように自分のビジネスを構築していく過程で、人材紹介・派遣、葬儀・生前整理、ビジネスアニメCM製作、補助金・助成金コンサルティング、コワーキング事業などとのネットワークを拡大し、さらに業務提携を結び、事業の間口と奥行きを拡げている。
「自分が成長したい。思うように生きたいと思うのであれば、それを実現するために必要なことを学び、ひとつずつ実践していくことが大事です。さらにビジネスとして具体的なカタチにするにはどうすればよいか、その手段を学ぶことが重要です」自分一人で起業し、ゼロから事業を構築。さらに拡大させていく松山氏の自信に満ちた言葉にはとても説得力がある。常に新しい取り組みを続ける松山氏の動向から目が離せない。
(ライター/後藤宏幸)


トレジャーダイブ
TEL:090-1548-1081
ホームページ http://潜水士.com/
         http://潜水士試験.com/

特定非営利活動法人 たんぽぽ福祉村 代表
池田精機 株式会社 代表取締役
池田敬子氏
東京都墨田区生まれ。機械組立業だった実家との関係から「池田精機」社長に嫁ぎ、経理を担う。長女が難病を発症、通わせた「たんぽぽ学童保育室」の活動に携わり、2000年、『特定非営利活動法人たんぽぽ福祉村』代表に就任。2014年、夫の後継として社長に就任。埼玉中小企業家同友会川口支部会員。

人生の進路変えた娘の難病
女児に発症するレット症候群

 「色々な気づきを与えてくれた娘には本当に感謝しています」。川口市の特定非営利活動法人『たんぽぽ福祉村』の代表池田敬子さんは、難病を発症した長女が学童保育で世話になって以来、障がいを持つ子どもや大人の世話をする活動に携わってきた。夫にがんで先立たれた後、大型精密機械部品の加工を手掛ける「池田精機」の経営も担い、江戸っ子の心意気と明るさで人生の急峻な山を登り続けている。
『レット症候群』という女児だけに発症する進行性の難病がある。広汎性発達障がいの一つで、手が使えず、話さず、歩けなくなり、息止めと腹満、手もみと指しゃぶりといった常同行動(この「手もみ」が診断基準になる)が特徴。数万人に1人の割合で発生するといわれ、NPO法人レット症候群支援機構は、日本に5000人程度の患者さんがいると推定している。
 池田さんの第三子で川口市心身障害福祉センターわかゆり学園の生活介護施設に通う28歳の長女朱里(あかり)さんが3歳のとき、てんかんも併発する「レット症候群」と診断されたことが人生の転機だった。
 東京・墨田区で生まれた池田さんは、20歳でお見合いし、22歳のとき家業の機械組立業で協力関係にあった、ものづくりの町川口市の「池田精機」二代目社長に嫁いだ。結婚後すぐに会社の経理や事務を担い、多忙な毎日が始まった。
「当時の我が家は三世代同居の8人家族。家事はもちろん従業員の夜食づくりなども任されて目の回るような忙しさでしたが、長男が乳児のころは義母が子守りを手伝ってくれていたので少しはゆとりがあり、忙しいながらも家族的経営で和やかな日々を送っていました。それも束の間、義母が脳梗塞を患い、自宅で療養することになったのです。義父も精尿病を抱えていましたので、義父母の通院や介護にも付き添うようになりました。そして、私のその後の人生を何よりも大きく変えることとなったのが、娘が『レット症候群』と診断されたことでした。仕事は誰かに任せることができても、娘の母親は私一人しかおりません。それからは娘のことを一番に考え、周りの方に助けていただきながら仕事をする生活が始まりました」
 朱里さんが就学中は、川口市内で唯一の障がい児のための学童保育室『たんぽぽ学童保育室』に通わせた。この学童保育室が1999年に埼玉県の障がい児放課後事業や一時預かりの生活サポート事業を手掛ける特定非営利活動法人『たんぽぽ福祉村』というNPO法人にとなって以降も世話になり、その縁から朱里さんの卒業後も法人の運営に関わり、2000年に代表に就任した。
 特定非営利活動法人『たんぽぽ福祉村』は現在、障がい児の放課後等デイサービス施設「たんぽぽスマイル」と「HAPPY DAYS(ハッピーデイズ)」、それに2015年4月に完成した重度の知的障がい者が通う生活介護施設「onedafull days(ワンダフルデイズ)」の3施設を運営している。その中で、朱里さんは、「onedafull days」に週2日7月から通所することになりました。
 放課後等デイサービス施設の様子は「HAPPY DAYS」のスタッフたちが綴る「Team HAPPY DAYS~みんなの幸せ日記」から思い描くことができる。昼食作りからカラオケ、ダンス、市民の森や動物園や植物園へのお出かけ、せんべい焼き、シャボン玉遊び、運動会、誕生会……。子供たちが池田さんの大きな包容力とスタッフやボランティアの熱意に支えられながら、日々、楽しく時間を過ごしている。
「病や障がいと闘う子どもを持った母親の先輩として同じ境遇に立つお母様方の助けになりたいのです。どこに行って何をどうしたらよいのか全くわからず子育てに悩み、苦しんで辛かった当時の事を思い出すと、若いお母さんたちに、同じ思いはしてほしくないのです。それが、これまで私共親子を支えて下さったたくさんの方々への恩返しにもなると思いますから」
 一方の会社経営。2014年2月、夫が癌で亡くなり、選択を迫られた。
「60年の歴史がある会社の経営を担うことは大変な仕事。初めは次男に三代目を託すつもりでいました。長男は独立して異業種に就いていましたが、次男は常務として頼もしく事業を牽引していましたから。しかし、歳が若いこともあり、準備を整えてからバトンタッチしたほうがいいと税理士の方に勧められ、私が代表職を務めることになったのです。現場は常務に全て任せていますので、少しでも早くスムーズな代替わりを果たして、私は福祉業に専念したいと思っています」
 会社経営と福祉事業の運営。前向きな大きな心を衝き動かし続けているのは長女への変らぬ想いだ。
「人は私の人生を大変と捉えるかもしれませんが、私は自分の人生から逃れたいと思ったことは一度もありません。一生懸命に生きる大切さや喜びそして命の尊さを教えてくれた娘への恩返しのつもりで、日々頑張っています」
(ライター/斎藤紘)

NPO法人 たんぽぽ福祉村/たんぽぽスマイル
TEL:048-297-9521 FAX:048-297-9521

HAPPY DAYS/one da full days
TEL:048-262-7073 FAX:048-262-7074

池田精機 株式会社
TEL:048-222-6146 FAX:048-225-1669 
Eメール:ikedaseiki31114.co.ltd@gmail.com
ホームページ http://www.ikedaseiki.jp/

株式会社 浦エンタープライズ 代表取締役
浦秀晃氏
広島県出身。高校時代は空手、高校卒業後紳士服店に就職し、その後、ボクシングに打ち込む。ボクシングはプロにのぼりつめ、西日本新人王になる。友人の紹介で鉄工所に転職。約8年前、独立して「山秀組」を立ち上げ今治造船の二次下請けに。2014年、一次下請けになったのを機に『株式会社浦エンタープライズ』として法人化を果たす。
今治造船の一次下請け担う
果敢に前進する若き経営者

 32歳の若さで国内造船業界トップの今治造船の一次下請けを担う会社を牽引する経営者がいる。『浦エンタープライズ』の浦秀晃社長。生来の負けず魂をテコに、従業員のために直談判で仕事を求め、きちんとやり遂げる積極的で堅実な仕事ぶりが評価され、一代で二次下請けから一次下請けに押上げた立志伝中の人物ともいえる存在だ。
「4つの大規模ドックがある広島工場で、コンテナ船や大型タンカーの組み立てから溶接、仕上げまで担当しています。無事故、高品質、工期厳守を心掛け、一次下請けの責任を果たしたいと思っています」
 学業終了後、紳士服店や鉄工所で働いたが、鉄工所で知り合った人物が今治造船の仕事をするようになったのを機に造船業に足を踏み入れたという社長、仕事を通じて造船に関する知識や技術を蓄積し、友人、知人に声をかけて仲間を増やしながら道を切り拓いてきた。
「8年ほど前に独立し、従業員が10人程度の会社を立ち上げたのですが、会社経営はまだ無理だろうと随分いわれました。無理だと決めつけて諦めるのは嫌ですし、諦めずに頑張り続ければできないことはない、決めたことはやり遂げる、そんな思いで努力してきました」
 この間、従業員が約30人まで増え、一次下請けになった昨年、株式会社化も果たし、さらに成長する基盤を整えた。
「中国や韓国に押され気味だった造船業ですが、円安による価格競争力の回復もあり、仕事は忙しさを増しています。我々の技術力はまだまだ発展途上ですので、技術を持つ従業員を育成し、中国や韓国に敗けない造船に貢献していきたいと思っています」
 100人規模の会社への成長を目標に、社長の果敢な挑戦が続く。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 浦エンタープライズ
TEL:082-490-4376 FAX:082-490-4376

株式会社 インテリジブル 代表取締役
山添賢仁氏
神奈川県出身。大学の理工学部でシステム工学を学び、卒業後、IBMソリューションに就職、コンピュータエンジニアとして技術、知識を蓄積。2007年独立、わかりやすいとの意味の英語を社名にした『インテリジブル』を設立、代表取締役に就任。
情報系システム開発で躍進
人材育成で成長基盤を強化

 市川市の『インテリジブル』は、情報系システムやソフトウエアの開発、企業への導入支援を展開しているソフトハウス。潜在能力がありながら活躍の場を見出せない人材を発掘し、育成して開発の連続性を維持しながら組織全体の能力を向上させてきた代表の山添賢仁氏の「人間プロデュース」に特色がある。
「コンピュータの世界は個の能力に負うところが大きいのですが、一方で開発の連続性も重要です。一つの成果を次の成果に結びつける能力、不備や欠陥を補い合える能力が求められます。採用に当たっては、そうした課題に愚直に向き合えるかどうか個性や魅力を見極めて人材を発掘し、育成する、その点が強みだと思っています」
 1990年代末期に起こったITバブル時代、大学でシステム工学を学んでいた山添氏は、コンピュータ分野の隆盛を見越してIBMソリューションに就職した。身内に事業経営者が多かったことも手伝って、2007年独立し『インテリジブル』を設立した。その後IBMソリューションで経験を積んだ8人のコンピュータエンジニアが合流した。
 コンピュータシステムの販売、運用・開発サポート、人材アウトソーシングやシステムコンサルティング、ホスティング・クラウドなどのサービス、ドキュメント管理、勤務管理、稟議申請、顧客情報管理などのソフトウエアの販売を軸に、幅広い分野で実績を積み重ね、人材育成で全体の能力を高めながら新技術の開発に挑み続けている。
「お客様のコスト面、技術面のパフォーマンスアップをサポートすることを旨に、スタッフと共に情報システム業界のリーダーとなれるよう力を尽くしていきたいと思います」
(ライター/斎藤紘)

株式会社 インテリジブル
TEL:047-401-9403 FAX:047-401-9404 Eメール:info@intelligible.ne.jp
ホームページ http://www.intelligible.ne.jp/

株式会社 ボーンレックス 代表取締役
室岡拓也氏
東京都出身。慶応大経済学部で金融、マクロ経済、計量経済を専攻。卒業後、三井物産入社。事業投資に係るValuation、投資スキーム構築、プラント輸出業務などに従事。その後、『ボーンレックス』を創業。ベンチャー企業、中小企業の新規事業展開を支える「ちから添え」をメイン事業とし、事業構築、資金調達、映像制作、プロモーション等から、法務、会計、税務、社労等プロ業務までを一気通貫でサポートする。
強い想いを実現させる
ベンチャー支援の多角的視点

 「想いをカタチにする」。どんなにすばらしいアイディアでも、情熱だけではなかなか実現できないのが現実だ。ベンチャー企業のうち10年後に生き残れるのは10%だという。アイディアを〝事業〟にすること。ベンチャー企業を、1つのチームとしてワンストップでサポートするのが『ボーンレックス』だ。代表の室岡拓也氏は次のように語る。「事業の立ち上げでは、やらなければならないことが広範多岐にわたります。しかしベンチャー企業や中小企業のリソースは限られており、その中で処理しようとすると、資金、時間、労力が追いつかずにつまずくケースが多い。私たちは、ものづくりはもちろん、資金調達から生産、販売、ロジスティックス、プロモーション、法務・会計・税務まで、起業・事業運営に必要な12分野に最適なチームをつくりサポートしています」。12分野は、室岡氏の三井物産での事業投資の経験と、その前後2つのベンチャーを立ち上げた経験に基づいた事業構想にあたっての要件だ。現在12分野に128社のパートナー企業がサポートにあたっている。例えば「ものづくり支援」では、ものを作ることを受託し、設計からプロトタイプの製作、量産体制の構築、ロジスティックスの手配、さらに許認可が必要な場合はその手配を行う。また「資金調達支援」では、インターネットで資金を調達するクラウドファンディングの活用、中でも世界有数のクラウドファンディング・プラットフォームである"Kickstarter"への起案代行や、各省庁の補助金の獲得など資金面をしっかりとサポートする。
「クライアントが思い描くイメージを、パズルのように具体的にカタチにするのが私たちの仕事です。一つひとつのピースに最適なパートナーを選び、当てはめていきます。ピースが収まるべきところに収まった時にクライアントさんと喜びを共有できるのがうれしいですね。そして、すべてのピースがきれいに収まった時、クライアントの描いた1枚の絵ができあがります」
(ライター/後藤宏幸)

株式会社 ボーンレックス
Eメール:welcome@bornrex.com
ホームページ http://www.bornrex.com/

株式会社 マネジメントオフィス・K 代表取締役
川原一紀氏
鹿児島県阿久根市出身 学業卒業後、集団就職で名古屋に。大手ゼネコンに入社し、デベロッパーとして活躍。会計事務所系のコンサル会社に移り、役員にまで昇進。道徳経営を追求するために2008年に独立、2010年に『株式会社マネジメントオフィス・K』を設立する。
経営改善の起点は心の教育
問題に向き合う人間関係構築

 「人の心の問題を改善せずして企業の改善はありえない」。『マネジメントオフィス・K』の川原一紀社長の経営コンサルティングに貫かれている哲学だ。研修では「人の心の乱れは、組織の乱れ」と、業績不振の企業に共通する問題点を指摘し、道徳心を養う心の持ち方の重要性を認識する心の教育を経営改善の第一歩と位置付ける。
「経営幹部、社員を問わず、企業が抱える問題点に蓋をした状態で経営戦略を立てても、旧弊の中を堂々巡りするだけです。そのことに気づいてもらうことが基本です。その上で、経営者と社員が本音で意見を交わせる人間関係を築き、会社の問題点を忌憚なく指摘し、膿を出し切って、実効性のある業務改善につなげていく、そのプロセスを大事にしています」
 独立する前に勤めていた会計事務所系コンサルティング会社の代表の叱咤が仕事に向き合う心構えの転換点になった。
「代表から、人の善し悪しは人間としての生き方で決まり、企業経営もまた同じことである。人として正しい生き方や考え方が分からないうちは成果は上がらないと指摘され、人の苦しみや悲しみ、人を思いやる心と感謝する気持ちなど道徳心を養い正しく生きることの重要性を徹底的にたたき込まれました。人に物事の道理を説く前に自ら人格を磨くことの大切さが深く心に刻まれました」
 その後、業績を伸ばし、役員に抜擢され、全国で事業を展開する基盤をつくった。しかし、経営に参画できた達成感にも増してお客様と一緒になって経営改善する思いが強く、2008年に独立した。人財育成塾を中心に経営全般の改善、事業承継などの指導で、多くの中小企業から個人事業主まで切れ目なく対応している。
「2009年は421万社あった企業が2012年には386万社に減っています。問題点を先送りしたままでは経営はいずれ行き詰まります。そのことに気づいてもらう一助になればと思っています」
(ライター/斎藤紘)

株式会社 マネジメントオフィス・K
TEL:052-249-5030 FAX:052-249-5031 Eメール:info@management-ok.jp
ホームページ http://www.management-ok.jp/


[イギリス生活情報誌] 月刊 ミスター・パートナー 〒160-0022 東京都新宿区新宿2-15-2岩本和裁ビル5F TEL.03-3352-8107 FAX.03-3352-8605