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利用客の要望に対して、最大限に応えていく。感覚をとぎすませて施工する。山崎氏が丁寧に手掛けた曲線的な庭。美しい佇まいを見せる庭の「作品」。随所にこだわりを見せ、完成した庭は個性豊かに仕上がる。
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庭芸研究家のプライドをかけて
型にはまらない庭を作る
曲線を活かした庭作り
その技術は50年以上生きる
山崎学氏が代表を務める『ガーデンプラン山崎』は普通の植木屋ではない。屋上にロックガーデンなど「庭芸」のようなことをしてくれる。庭を作って芸をする研究家として、型にはまらない心安らぐ空間を提供することを目指している。多くの造園家は利用客の要望を聞き、それに沿って庭作りをする。しかし、お客様には庭に関する知識がないので、プロに任せておけば安心というスタンスから、好みとして直線的な庭が多い傾向がある。山崎氏の作る庭は曲線的だ。本人曰く、曲線とデコボコが好きだと胸を張る。限られたスペースが多い日本の庭で曲線を使うことにより、より広く見せる工夫がされているのだ。庭造りにおいて見えない部分の心配りもある。庭は長い年月が過ぎれば当然劣化していくが、それを防ぐための施工を随所に行っている。結果的に歳月の経過によって庭の趣が変わり、完成後50~60年には別の味わいが生まれる。また、方位学や風水を重視しており、あるべきところにあるものを据えることで生活が好転する。それはお客さまに幸せになって欲しいと願う気持ちを重視した結果、自然と曲線的な庭になることと合致する。実際、お客さまから「庭を作ってから運気が上がった」と喜ばれることも少なくない。南東の庭は高い木ではなく、太陽の光を居間に取り込むようにすれば家族が健康でいられる。また、庭の北側に大きな木を植えると吉となり、逆に赤い花の咲く草木は凶になってしまうとされる。あまり宣伝活動をしないが、施工している最中の庭を見た通りがかりの人から仕事を依頼されたり、実際に施工した庭の近隣の家々の住人から依頼を受けたりすることも多い。実際に周辺一帯が山崎氏施工の庭という地域もあるという程だ。今、進めているのは古くなったブロック塀を岩ノ石風に造り遂げていく施工だ。非常にモダンな仕上がりを見せるようになる。一方、数年先をイメージしながら、自身の庭を嬉しそうに手掛けるのは、庭芸研究家として余念のない証拠だ。
(ライター/藤井孝)
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