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(左)山下勝弘著『官制大不況は大転換のチャンス』
1,680円 セルバ出版刊
(右)山下勝弘著『平成大混乱・大不況がやってくる』
1,680円 セルバ出版刊
山下勝弘(やました まさひろ)氏
昭和31年生まれ。大阪府出身。関西学院大学経済学部卒業。会計事務所・監査法人勤務後、昭和60年公認会計士第3次試験に合格し公認会計士事務所を開業。平成2年税理士登録。公認会計士・税理士。
「山下会計事務所」では多くの企業の企業再生を支援している。 |
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2016年、日本経済はどん底に
その大混乱から身を守るには?
官製大不況をチャンスに
山田方谷に学ぶ日本再生
「山下会計事務所」の所長である山下勝弘氏は、その多岐にわたる業務のかたわら、多くの著作を執筆している。特に今現在の日本を覆う経済停滞と大不況について10年以上前から警鐘を鳴らす内容を著した書籍は、これからの日本にとって大きな示唆となるだろう。
その著書『平成大混乱・大不況がやってくる』は、2010年に上梓された書籍だが、その内容はますます背筋が凍るようなリアリティを増してきている。本書では日本が平成大津波に飲み込まれて大混乱と大不況に陥り、2016年にはどん底を迎えるということを説いている。
平成大津波ではどのようなことが起きるのか。その大混乱からいかにしたら自分の身を守れるのか。そして日本の再生の道は。本書ではそのための仕組みは完璧に出来上がっているのだと説明する。そのメッセージはどうか本書を手にしてその目で確認して欲しい。
さて『平成大混乱・大不況がやってくる』の中では、経済のどん底からはい上がるためのヒントとして重要な人物の一人が紹介されている。それは備中松山藩(現岡山県高梁市)で債務超過だった藩の財政をわずか8年で建て直した山田方谷だ。藩政改革というと上杉鷹山が想起されるが、鷹山の改革が100年かかったことを思い合わせると、方谷は鷹山を超える人物といえるだろう。著者の山下氏は、新刊の『官制大不況は大転換のチャンス』で方谷を取り上げ、現下の大不況への処方箋を解説する。
本書では現在のこの大不況を、官製大不況だと喝破している。そして景気循環と国債残高、年金制度などの要因が、2016年に経済のどん底をもたらすという。そしてそのどん底からどう再生するか。本書では山田方谷を研究することによりこの官製大不況を乗り切り、さらに飛躍への道が開けるとしている。
山田方谷の教えを現在の官製大不況に対して生かし、民間の一つひとつの企業が経営を立てなおしていけば、日本の民は生き延びて次のステップを迎えることができるのではないか。『平成大混乱・大不況がやってくる』と『官制大不況は大転換のチャンス』を通読すれば、経済破綻を目前とした今、再生の希望を見出すことができるだろう。
(ライター/本名広男)
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