|
国内外の日本酒流通コーディネーター
大竹智子氏
文化としての日本酒の普及を目指している。
定期講座は、スクール形式の教室にて月1回×6ヵ月で開講している。
また、1日公開講座やワークショップ、料理と日本酒の相性体験会なども随時開催している。
※定期講座の開講日には、1日体験(有料)・見学(20分・無料)も可能。
(北千住、浦和、川崎など教室あり)
詳しくはホームページをご覧下さい。
|
|
本物の日本酒をテイスティングしたい
「きき酒講座」でお酒の楽しみを広げる
ワインのソムリエと違い、日本酒の『きき酒師』という存在は世間での認知度は低い。それは、ワインのテイスティングでは加点法が広く知られているのに対し、日本酒においては、酒造業界で行われてきた減点法だけが、「きき酒」と見なされてきたこととも関係あるのだろう。たとえば、長年、酒造業界の「きき酒」は、色味を持つものに対しては評価が低くなる傾向にあった。本来、日本酒は多様なものであり、色も多様であるはずだが、こういった評価基準が没個性化につながっていったのだ。つまり、このたった一つの評価基準は、一つの「最高峰の酒」を想定したものであり、その多様性を認めない価値観が、本来多彩であるべき日本酒の世界を狭くして、若者や女性たちに受け入れられない要因となってきたのではないか。
その「減点法」の「きき酒」に対して、日本酒における「加点法」での「きき酒」を提唱しているのが「日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)」だ。そして、その加点法の「きき酒」の技術が開発され普及し始めたのは、ここ20年ほどのこと、というのが実情だ。
これから本物の日本酒を楽しもうという人々にとり、日本酒の味わい方を伝えてくれる『きき酒師』の存在は大きくなっていくだろう。たとえばワインと同じように、食事と一緒に日本酒をいただくとき、どんな香味の日本酒が合うか選べたら楽しいに違いない。それには日本酒の知識と経験、ワインでいうテイスティングの技術が必要だ。そういう技術を自分で持てたら……。
日本酒の味わい方を伝える『きき酒師』の大竹智子氏は、『きき酒師』のうちの上位資格者である『酒匠』から選出された、『SSI研究室 専属テイスター』として、日本各地の地酒の研究を進めている。銘柄や表面的な情報による判定ではなく、ワイン界のように、気候や地理、原料や食文化を背景として生み出される「地酒」の本質的な価値を確立するための研究である。
その大竹氏が主催する「きき酒講座」では、全く初めての方から『きき酒師』を目指す方までに対応する講座を行っている。講座では日本酒の知識と、テイスティング(きき酒)技術を学ぶことができる。講師を務める大竹氏はこの「テイスティング」について「『テイスティング』とは、主観的に味見をすることとは異なり、客観的にそのお酒の性質・特性を判断することを意味します。この『テイスティング』を学ぶと、お酒を選ぶときや、実際に味わう際に、楽しみを大きく広げることができるようになります」という。
講師の大竹氏は、長く飲食業界に携わっており、ホテル・レストランのサービスの現場での経験を持ち、ワインにも精通している。そうしたキャリアからも日本酒を広い視野でとらえることができる。大竹氏は今後、テイスティングに重きを置いた講座を増やし、日本酒のよさを伝えていきたいという。
(ライター/本名広男)
|
|