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関口倭代(せきぐちかずよ) 上写真から3人目
経歴/高校卒業後、東京・国立 辻製菓専門カレッジ入学
卒業後、地元埼玉で製菓店に勤務
1997年〜2001年 株式会社 横浜ロイヤルパークホテル 調理部ペストリー課勤務
2001年〜2003年 横浜・たまプラーザ「パティスリー デフェール」オープンに伴いスーシェフを勤める
2003年〜2004年 単独渡仏。当時、南仏製菓組合長がオーナーシェフを勤める「パティスリー カッパー」(フランス・ニース)で修業
2004年〜2005年 株式会社 アニバーサリー(東京・青山) 札幌店統括を務める
2006年 洋菓子コンサルティング・プロデュース「サクライル」を立ち上げる
2007年 洋菓子商品開発 株式会社 火の土里を設立
賞歴/1998年 東日本洋菓子作品展(現 ジャパンケーキショー) マジパン部門 大会会長賞(第2位)・1999年 東日本洋菓子作品展(現 ジャパンケーキショー) 小型工芸部門 銅賞・2000年 神奈川県洋菓子コンクール ふれあい21 小型工芸部門 神奈川県知事賞(第1位)・2004年 レジオナル・シュクル(フランス) アントルメ部門 審査員特別賞・2004年 パリにてフランス・ガストロノミー協会(フランス総本部)より優秀賞のメダル・証書の授与
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北海道を盛り上げたい!
パティシエールの店舗プロデュース
洋菓子開発とプロデュースを行う「火の土里」。代表の関口倭代氏はパティシエールとしてフランスで修行、数々の賞に輝く。商品開発のみならず、店舗を丸ごとプロデュースするという大きな仕事にもチャレンジしている。
なかでもプロデュースした北海道の店舗は、200円前半くらいから食べられる食事やスイーツを提供するファストフード的なお店で地元の食材を地産地消で食べられるものだという。はじめに手がけ大ヒットした『和三盆と花豆のプリン』はプリンの新しいおいしさを広め、そして続く第二段として、『パイシュー』を使った料理を手がけた。関口氏は「ベースのシュー生地は甘いもの専用に使われていると思われていますが、塩味にも合うように加工して『パイシュー』を作り、北海道の食材を使いサンドイッチのような軽食でもないお腹にたまるものを提供します」という。
パティシエールとして洋菓子で数々の賞を取ってきた関口氏の経歴からすると、高級店で扱うような高いメニューを想像するが意外にもファストフード風なのは「フランスに修行に行った当時は、一流のパティシエールになることしか考えていなかったのですが、自分で会社を起こして一般消費者が求めているものをと考えたら、美味しくて安いものではないかと思うようになりました」だからだという。
千歳空港内にある店舗の前には、多くのテナントが並び、その導線は何万という客が動く。関口氏は「そういうところで、いかにお客様が立ち止まって興味をもっていただくか。世に出ていない食材が北海道にはまだまだあるのです。そういう食材を『パイシュー』に詰めています。いわば産地の方とお店のオーナーをつなぐプロデュースです」と話す。
今回、商品開発だけではなくコンセプトからスタッフ、ユニフォームのことまでトータルな店舗プロデュースを行っている。そのわけを「店舗をプロデュースすれば雇用が生まれるんですね。また、開発者がいないがために工場が眠っていたり、たちいかなくなっているお店があるというのも現実なんです。私はそれらを結び、ともに発展していきたいと思うのです」と話す関口氏は、北海道へ暖かいまなざしをそそいでいる。
(ライター/本名広男)
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