MP 超高齢化社会を迎えるとともに入れ歯の重要性は増していると思うのですが入れ歯のメリットはなんでしょうか。
宮野先生 安全であるというのが最大のメリットです。あとはデメリットが多いですね。土台があって、噛んでもおいしくなくなるし、いたくなる場合があり、場合によっては外れる。入れ歯安定剤のお世話にならなければならない。デメリットは多いのですが、今の歯の治療のなかでは、一番大切なことは安全なのです。
MP インプラントを勧められているのですがあちこちで話をきくとなんだかこわくなります。
宮野先生 歯茎の中ににチタンの杭を立てるわけですから磁気を拾ってしまうので、あまりいいことはありませんね。
MP 先生は、歯科医と歯科技工士、患者の連携が大切だといわれていますがなぜでしょうか。
宮野先生 入れ歯製作にあたっては、実際に作り手が直接患者さんと接したほうがいいものができます。「大阪歯科センター」では歯科技工所のなかに歯科医院があるのです。ですから確実なものができます。今は医薬分業になり、入れ歯は歯科医が技工所に外注することになっているので、そういうところの技工士は直接患者の意図が伝わらないために歯がゆい思いをしているかもしれません。
MP 先生が特許をとった新式入れ歯『MTコネクター』の利点を教えてください。
宮野先生 冒頭で入れ歯の欠点を並べましたが、その欠点を克服したのが『MTコネクター』なのです。まず留め金がありません。「床」という土台の部分がありません。0・35ミリと非常に薄く違和感がありません。しかもピーナッツチェック・するめチェックを行います。まず完成直前の仮のロウの段階のときにピーナッツを食べてもらいます。するとロウが割れないでピーナッツが噛み砕けます。完成したときにはするめを食べていただきます。『MTコネクター』はするめが食べられる入れ歯なのです。私は、患者さんがこの『MTコネクター』と一生つきあえるよう精魂込めて作っています。
(ライター/本名広男)