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エビハラグループ 名誉会長
海老原 謙氏
香港で生まれ、神奈川県鎌倉市で育つ。産婦人科の医院を開業していたが、1981年に療養型医院『エビハラ病院』を開設、さらに1987年に身体障害者療護施設、(現)障害者支援施設『嶺岡園』、1996年に有料老人ホーム『ハートフル鴨川』を開設して、医療、看護、介護の包括的なサービスを行っている。 |
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医療と介護、障害者福祉で
包括的にケアするエビハラグループ
長期療養から終末期の看取りまで可能な医療施設『エビハラ病院』、有料老人ホーム『ハートフル鴨川』、障害者支援施設『嶺岡園』の3施設からなる『エビハラグループ』は、風光明媚なロケーションにあり、利用者にとり終の棲家として安心して人生の実りの時期を過ごせる施設だ。
「この医療と介護、障害者福祉の3つをグループとして包括したサービスを行うのは、我々独自のアイデアなので全国でも珍しい試みだと思います」と『エビハラグループ』の創始者である海老原名誉会長は語る。
現在国の方針として、高齢者の在宅介護という流れが示されているが、海老原名誉会長は「医療を伴わない介護はありえない」を基本コンセプトに充分な医療サービスを尽くしたいと考えている。
「自宅で過ごしたいという患者さんは多い。しかし、ここで過ごしたいと思っていただくような環境にしていく事が私たちの仕事と感じています。在宅医療の現場では医療・介護の方々が大変な苦労をされていますが、高齢者が増えていく状況下で在宅医療を進めることは現実的でしょうか。働き盛りの家族の方が、介護に手を取られて仕事を退職してしまうような状況はいかがなものかと考えます」
また、介護や福祉施設は医療と密接に連携しなければならないということも海老原名誉会長の持論だ。
「障害者支援施設の『嶺岡園』を利用されている方のほとんどは何らかの形で医療を必要としています。医療と介護や福祉は切り離せないことは当然のことで、『エビハラグループ』のあり方は自然だと考えています。そして高齢者がいかに安らかな終焉を迎えることができるのか、ということが療養型病院のあり方ではないかと考えています」
医療・介護難民問題を解決するものとして、こうした超高齢時代に向けた海老原名誉会長の試みに今後注目していきたい。
(ライター/本名広男)
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