四百年の歴史を誇る長崎伝統のカステラ
古くから日本随一の貿易都市として発展してきた長崎は、坂本龍馬が日本初の株式会社「亀山社中」を設立し、後の「海援隊」に発展させたことでも有名な、龍馬ゆかりの地。その龍馬も愛してやまなかったと言われているのが、長崎カステラだ。かの偉人も、この地に代々伝わる、ふんわり甘いカステラが大好物だったようだ。
長崎にカステラが発祥した歴史は、龍馬が活躍した19世紀をさらに三百年も遡る。南蛮船乗で渡来した商人から、カステラの製法を習った初代長崎代官村山等安。その等安が一五九二年、豊臣秀吉にカステラを献上したことが始まりと言い伝えられている。その伝統の味を四百年の時を経て、今に伝えるのが「長崎本舗」。『糖庵』の名は、長崎から全国にカステラを広めた村山等安にちなんで人々が「カステラ等安」と呼んでいたのを時代とともに白砂糖が用いられた事より「カステラ糖庵」と変化したことに由来するそう。ふんわり・しっとりした食感と濃厚な味わいを誇る。
絶品の味わいを作るこだわりの厳選素材
長崎カステラ『糖庵』は材料の配分から焼き加減まで「本当においしいカステラとは何か」を追求して生まれたカステラの最高傑作。生地作りから焼き上げまでを一人の職人が手焼きで仕上げるのも特徴。大量生産はできないが、その分一つひとつのカステラに 愛情が込められているとのこと。
材料は水飴、卵、小麦粉、ザラメ糖とシンプルなだけに、全てこだわりの厳選素材を使用。琥珀色の麦芽水飴は、さつまいもを麦芽で糖化させた絶品。長崎・島原の鶏卵場から仕入れた新鮮な卵は、カステラの風味と色合いに欠かせない素材。小麦粉はグルテン自体を抜くことで真の旨味を引き出し、さらに独自の混ぜ合わせにより生地にしっとりした食感を生みだしている。そして一番のこだわりがザラメ糖。底ザラメを使用することにより、『糖庵』ならではのしっとり感を引き立たせ、味全体の調和をはかっているのだ。
とっておきのティータイムに、大切な人への贈り物に、長崎伝統の味を召し上がれ。
(ライター/帰山いづみ)