3次元CADで培ったノウハウで、企業の垣根を越えたイノベーションを起こしていくメニックス株式会社。
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3次元CADによる立体的な設計図で業務効率を改善
最新の技術で地元を活気づける優良企業
滋賀県近江八幡の「メニックス株式会社」は、2次元CADと3次元CADによる機械設計を県下一の規模で行っているプロフェッショナル集団。主に半導体関連装置や液晶関連装置設計、自動機など、産業機械を手がけ、常に最新の技術と知識を用いた革新で業界から注目を集めている。そもそも、手書きによる設計図では毎回ゼロから図面を起こす必要があったが、2次元CADの普及により流用設計が定着化。これにより、標準化された設計内容をベースにカスタマイズしていく方法が一般的となった。そして、同社では他社に先駆けて平成15年より最新の3次元CADによる設計を開始。従来の2次元CADでは平面で立体の設計物を頭で描く必要があるため、どうしても細かい部分の隙間などを把握するのが困難になるというデメリットがあった。その点、図面の時点で立体的に把握できる3次元CADを用いれば一目で確認可能。これにより全体の作業効率も3倍〜4倍にスピードアップしたという。また3次元CADは直感的に設計を理解できるので、設計士が使いこなせるようになる時間もそう長くはかからない。同社は現在、滋賀県内で唯一のオートデスク認定トレーニングセンター(ATC)に認定された「メニックスCADスクール」を運営しており、未来のスペシャリストの育成に励んでいる。今後は3次元CADを生産工程で活用して品質の向上を実現するためのコンサルティングや、地元の工業高校と提携して最新の設備を学生に使ってもらい業務を体験してもらうデュアルシステムを行っていく計画がある。この不況下でも常に未来を見据えた着実な経営と、世の中に必要とされている技術による改革で地元を活気づけていく。「メニックス株式会社」を見ていると、そんなところに不況脱出の鍵があるように思えてくる。 (ライター/小林邦昭)
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