「旭有機材工業」は、1952年に世界初の樹脂製工業用バルブを開発、以来国内外でトップクラスのシェアを維持し、樹脂製バルブで日本の製造業を支えてきた。
一貫して合成樹脂にこだわり、鋳造用フェノール樹脂でもトップシェアを保持、最近では世界初の高断熱現場発泡システム『ゼロフロンⓇER』を開発した。同製品は、ウレタンにフェノールを組み合わせるという新発想により、高品質の独立微細気泡を形成。従来のノンフロンシステムでは実現が不可能だった熱伝導率0.027W/(m・k)という高断熱性能を世界で初めて実現した。
これにより必要な断熱性を維持しながらフロンシステムと同等の厚さまで断熱材を薄くできるため、マンションやオフィスビルなどの建物の有効床面積が広がる。
同製品はオゾン層を破壊し温室効果ガスでもあるフロンを全く使用しないため、環境への負荷を大幅に軽減し、しかも省エネに大きく貢献する。こうした地球温暖化の抑止と建設分野におけるグリーン購入の拡大に寄与する点が高く評価され、『ゼロフロンⓇER』は第13回オゾン層保護・地球温暖化防止大賞審査委員会特別賞、第12回グリーン購入大賞審査員特別賞を受賞した。
同時期に、日本ウレタン工業協会は、建築物断熱材用吹付発泡剤の「ノンフロン化」を宣言。時代の要請に応えた『ゼロフロンⓇER』は、姉妹製品として今夏に発売された一般木造住宅用の「ゼロフロンフィット」とともに、この数年で大きく市場に浸透していくものと期待されている。
(ライター/本名広男)