珠数大師として知られ永代供養ができる「遍照光院」の「会下山別院」に画期的な次世代型の納骨システムが導入された。従来型の狭いロッカー型ではなく、広い空間で墓参りの感覚での参拝ができる。また故人の遺影や動画が再現され、思い出を偲ぶことができる。
神戸市兵庫区にある真言宗の寺院「遍照光院」は高野山遍照光院の別格本山。珠数大師として知られている。神淡路大震災により、寺院所有建物が6棟のうち5棟が全壊したが、平成10年6月に「柳原本院」が復興、平成22年10月に千光寺が「会下山別院」として新築復興と成った。永代供養ができる寺院として設備が整えられ、「会下山別院」には関西初となる画期的な次世代型の納骨システムが導入された。従来のよくあるロッカー式の納骨壇では狭い空間での先祖参拝となるが、「会下山別院」の『納骨堂』には十分な広さがあり、お墓参りの感覚で、墓石の前で家族そろっての参拝ができる。さらに、遺影や動画を閲覧して在りし日の故人を偲ぶことができるシステムになっており、故人の思い出が再現される。
外観は仏の慈悲を表わす「慈」、「光」の文字が、『納骨堂』にそなえられ、建物を取り巻く緩やかな傾斜の回廊を歩むと、ご先祖様とご対面ができる合掌の間と本堂に導かれる。屋上からの眺めは３６０度のパノラマ、六甲山系、関西空港、紀伊半島などを望むことができる。建物はエレベーター完備で、セキュリティー体制も万全なものになっている。本堂には本尊の千手観音が祀られており、脇には大日如来、不動明王、弘法大師が祀られている。上部の天窓からは自然光がさしこまれ、本堂一杯に優しい光が広がり、照明は幾通りにも変化する。照明を落とせば、天井には寺紋が周囲には十二天が現れ、厳粛な仏の世界に誘われる。
本堂や、仏の間、集いの間では予算に応じて様々な形式の葬儀が行え、本堂以外の場では宗旨、宗派を問わない葬儀を行える。『納骨堂』での期間がすぎたら、合祀墓へ合祀、永代にわたり供養される。少子高齢化の折、こうした試みはこれからの社会への貢献となっていくだろう。
（ライター／本名広男）
