『Y・M・S・G』代表取締役の森嶋稔社長は地元山梨県都留市に育ち、7年間鳶職を修業、27歳で独立し鳶職、足場工事、建設業を扱う会社を立ち上げた。それまで勤めていたところでは仕事が少なくなる時期があり、子どもの出産もあってとにかく稼がなければならないと独立した。仕事があれば草むしりでもなんでもするつもりだったという。「仕事がなくなるというのは勤め人にとって不安なもので、そのこともあって、自分の会社では仕事を切らさないようにしています。自分が食うのに苦労していたんで、社員にはそういう思いをさせたくないですね。頑張れば会社も大きくなるんだぞ、というところを見せたいです」と森嶋社長。
独立してからどのようにして仕事を取ってきたかというと、「独立したのは、また誰かに雇われて、という気持ちはなかったからです。独立はゼロからのスタートでした。鳶職としては屈辱だったのですが、草むしりでもなんでもして家族を養っていこうという気持ちでした。仕事をやっているうちにいろいろな出会いもあり、仕事が広がり人を雇うまでになりました。営業は私自身が一人で行っています。でもみんなの応援があるので会社は成り立っているんですよ。社員全員が会社を盛り立てようと思っています。年配の職人もいますが、やりにくさは感じていません」。
通常、起業をして残ることは難しく、5年以上残る会社は約20%といわれているが、森嶋社長が会社を設立して7年目。常にやる気がある職人を募集している。「欲しい人材は、やる気がある人ですね。やる気一本! なんでも克服できると思います。現場仕事の男集団ではありますが、やる気のある女性に入ってもらうのもいいと思います。この仕事は繊細で細かい女性向けのような仕事もありますので。まあ、今は男ばかりなので心配ではありますが」というように、同社は地元で雇用も生んで、これからまだまだ大きく発展していく会社なのだ。
(ライター/本名広男)