入居者と家族に安心と喜びを
スタッフの心が寄り添い生命が輝く
本当に幸福な社会の仕組みが、この『菜の香』で実現されている。入居者、家族、スタッフが、安心と喜びをもって生きる場所を創造し続ける寺田きよ子代表に会いに行った。
まず、入居者にとって何より安心がある。介護度が高く、他の施設ではなかなか受け入れられない方こそ歓迎し、高度な技術と経験を持つ専門の介護士、看護士が、真心のこもったケアを提供するからだ。居心地のいい空間で、季節ごとのレクリエーションを楽しむ。良質な食事を美味しくいただく。生きていることが楽しい! そんな思いに満ちているのだ。
また、家族指向(志向)であることも大きい。入居者をとりまく環境を理解し、「その中のその人」であるという視点を大切にする。皆にとってどうするのがよいか? 入居費は一年ごとの更新で負担が軽いことも、家族の安心につながっている。
そしてイキイキと働くスタッフたち。現場の介護士たちが理事となり、よい環境づくりをするため、意見を出し合い実現させていく。そう、彼らが存分に力を発揮できる体制があることが、『菜の香』の大きな特長だ。今後、株の配当などを整え、5年先を見た経営をすることで、よりニーズに応えていく。
何もかもを手作りでスタートさせた『菜の香』の環境は、ここに集う人たちにとって幸福な状態へどんどん成長している。「自然、ナチュラルなものこそ、何より人の生命に影響を与えると思います」と、庭で自家栽培している野菜の様子を見ながら寺田社長は微笑む。住まう人、働く人、そして周りの環境、すべての人が喜びを持って生きられるようにする。これは、介護に留まらない、今、世の中に最も求められている取り組みではないか。 (ライター/中村美奈子 )
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