井形慶子 イギリス
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  掲載クライアント
村林 宜行氏
村林建築工房代表。施主を第一に考えた配慮と、確かな技術で、愛知・三重を中心に、東海エリアで新築・リフォーム事業を手掛ける。打ち合わせから、現場監督まで自ら担当し、家づくりには施主の意向を第一に尊重する姿勢には評価が高い。
住宅を建てる時代から、長持ちさせる時代へ
伝統工法に見る、住宅の安全性と住みやすさとは
良質な住宅を長持ちさせる
リフォーム新時代の幕開け


 「長期優良住宅」という言葉が言われるようになって久しい。2007年ごろから議論されるようになった、住宅の耐久性など、住宅の品質向上とメンテナンスを謳った言葉だ。何世代も利用できる家の総称として、「200年住宅」と呼ばれていたものを解明し、現在は、一定の基準を満たした住宅の総称として認知されるようになった。
「住宅の安全基準は、戦後何度も変更された経緯があり、現在の基準を満たす住宅かどうかというのは、築年数に深く関わってきます」
 そう語るのは、愛知県を中心に、東海エリアでの新築住宅やリフォームを手掛ける、「村林建築工房」の代表、村林宜行氏だ。近年の不況により、新築住宅の市場が頭打ちになりつつある一方で、「より長持ちする住宅」を建てることはもちろん、「今ある家を、長持ちさせる」というニーズも増えてきている。とくに最近は、耐震性向上の依頼が、施主の大きな関心ごとになってきたそうなのだ。
「『長期優良住宅』の認定制度が2009年に始まり、既存住宅の耐震性や耐久性を強化しようという方が増えてきました。特に、昭和56年に住宅の耐震基準が変わったのですが、昭和56年以前に建てられた住宅では、耐震性の強化が必要なものが多いのです」
 というのも、戦後日本の住宅政策では、まず住宅の戸数の確保に重点を置かれていたという背景がある。戦災によって不足した住宅を、質より量で補おうということだ。
「経済成長の最中ということもあって、地震とともに暮らしていた従来の工法を脇において、コストや利便性を追求して建てられた住宅が多いのでしょう。必要な数の筋交いが足りなかったり、あるべき場所に柱が立っていないなど、工法的に無理があるものが多い傾向があります」

新しい技術を活かしながら
日本固有の工法も尊重する


村林氏の分析の通り、現在、同社には築30年以上経過する住宅のリフォームを臨む声は多い。自分たちの住む家の耐震性への心配が高まってきているのだ。
「基本的には、図面を見れば、リフォームが必要かどうか分かります」と、村林氏。しかし、相談される物件によっては図面が残っていないケースもあり、その場合は現場に赴いて耐震調査を行う。
「一口に耐震調査といっても、実は、その基準は『大地震の際に、完全に倒壊するのを防ぐ』程度の、非常にあいまいなものです。現在は、基礎と一体化させるという見方をしますが、それだけが耐震性とも言い切れません。お寺や神社を考えていただければお分かりのように、伝統工法で建てられた古い建物は、今の住宅に比べると耐震性が低そうに思われがちですが、骨組みがしっかりしたものが多く、何十年と使用されているのです」
 単に現代の技術だけでなく、その建物の総合的な機能こそが住宅の価値と、村林氏は考える。
「確かに、建材や建築技術は向上しましたが、住宅というのは本来、住まいやすさと安全性を両立させて建てられるものです」
 技術偏重のきらいのある戦後の住宅建築に、村林氏は懐疑的だ。
「機能面を重視しすぎるあまり柱の数を減らすアイデアや、冷暖房費を押さえるために過剰な気密性・断熱性を与える技術だけが、良い住宅を創れるとは限りません。日本人が築き上げてきた、安全性が高く、風通しの良い伝統工法を尊重しつつ、これからの住宅を考えていきたいですね」
 また、お客様の住まいを自ら住むと思い、建築させていただくなら瑕疵担保も長期優良も必要ない。なぜこれらの制度が施行されたのか、我々建業にかかわる者は、両認識するべきであると思います。これらの制度が本当にお客様の為なのか、建業側の言い訳制度にならない様努力することです。
(ライター/野村光)
 
村林建築工房
TEL/0567-28-9895 FAX/0567-28-9895
   
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