本物の味と美味しさを追求したベーグル
被災地の人たちを喜ばせた真心の味
地元岩手産の無農薬の「南部小麦粉」と、世界自然遺産の白神山地で採れた「白神こだま酵母」等、厳選された素材で作る「手作り工房きくぱん」のベーグルが評判だ。作りたての美味しさを瞬間冷凍し、クール宅配便で全国へと届ける。冷凍庫で3ヵ月保存でき、自然解凍して食べられるため、保存食としてもおすすめだ。2011年の震災後には、この「きくぱんベーグル」が被災地の人たちを励ました。「食料がないとき、取り寄せていた『きくぱんベーグル』に助けられました、というお客さまもいて、お役に立てたことが嬉しかったです」と話すのは、岩手県認定の「食の匠」にも選ばれたオーナーの横沢きくさん。
「地震が起き、停電が続く2日間、冷凍庫のベーグルがダメになってしまうのではないかと心配でした。500個の商品を無駄にしたくはないと思う中、食料のない被災地の悲惨な様子がラジオで流れました。そこで、全商品を被災地へ届けようと思い立ったのです。IBC岩手放送へ持って行っても扱ってもらえず、災害本部へ行っても個人のものは受けつけてもらえませんでした。通行止めの場所まで行けば被災地へ行く車が通るはず。その車に託そう、と思いつき、その場所へ行き、被災地への車を探しました。すると、偶然、IBC中部支社の部長さんが乗られている車が通りかかり、責任を持って現地へ届けます、と快く引き受けてもらえました。実際、IBCの宮古担当の方を通して避難所へ届き、被災地の方たちに喜んでもらえたそうです」と横沢さんは言う。2011年6月2日にイオン盛岡南ショッピングセンター内に、ベーグルサンドとスープの店、「きくぱんカフェ」がオープンした。この機会に、ぜひお試しいただきたい逸品だ。
(ライター/大原一宮)
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