亀岡保夫 理事長
創価大学卒業
内閣府「新たな公益法人等の会計処理に関する研究会」委員、内閣府公益認定等委員会「会計に関する研究会」参与、国土交通省「道路関係業務の執行のあり方改革本部」外部有識者などを歴任。現在、厚生労働省「社会福祉法人会計基準検討委員会」委員長、日本公認会計士協会常務理事。
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非営利法人の会計監査、会計・経営指導を中心に
大光監査法人は、社会貢献を目指して邁進する
経済社会の発展に伴い、社団・財団法人や社会福祉法人など非営利法人のあり方が問われ、
法人事業および会計業務が複雑化、多様化していく中、頼りになるのが『大光監査法人』。
会計専門家として非営利法人のサポートに実績がある同法人の亀岡理事長に伺ってみた。
Q 大光監査法人はなぜ非営利法人のサポートを中心として活動されているのですか?
非営利法人の活動は文化、教育、福祉、平和という、私たちの生活に欠くことのできないものであり、日本の将来にとっても重要な分野を担っています。また、非営利法人には、理事者などが私財を投じて施設などを建設したり、採算を度外視しても社会のために役立ちたいと、熱い思いを抱いて運営されている法人も少なくありません。しかし、その中には、運営面や財政面において対応が充分でないために、不利益を被っている法人すらあります。私ども会計専門家が運営面や財政面でそれぞれの状況に適切に対応したサポートをすることで、非営利法人の方々には、安心して公益活動等に専念していただきたいと思っています。
Q 平成20年12月より新公益法人制度が施行となり、新公益法人への移行を推進していますが、新公益法人とはどのような法人でしょうか? また、新制度の内容を教えてください。
まず、社団法人とは、同じ目的を持った人が集まって目的遂行のために組織を形成し活動している団体に法人格が付与されたものです。また、財団法人とは、特定の人や団体等から設立にあたって寄付を受けますが、この寄付によって受け入れた財産をもとに事業を行っていく団体に法人格が付与されたものです。
平成20年12月より新公益法人制度が施行となりましたが、今までの旧公益法人制度においては、旧民法第34条で規定されていた社団・財団法人(以下「旧公益法人」という。)は、法人の設立と公益性の判断が一体となっていました。つまり、旧公益法人を設立し、活動を行おうとする場合、主務官庁により公益法人として活動してもよいと許可された法人のみが旧公益法人になることができる制度でした。
今回、新公益法人制度では、一定の要件を満たせば誰でも登記をするだけで「法人」を作れるようになりました。これが一般社団・財団法人(以下、「一般非営利法人」という。)です。一般非営利法人として活動する中で、自分たちの活動を「公益」と認めてほしいと思った場合、法令で定めた「公益」の基準を満たすことが必要となります。当該基準を満たしているかどうかの判断は、国の公益認定等委員会・都道府県の合議制の機関が行いますが、当該委員会等によって公益性が認定された一般非営利法人が公益社団・財団法人(以下、「新公益法人」という。)となれます。
なお、新制度施行前から公益法人として活動している旧公益法人は、制度施行によって特例民法法人となり、移行期間5年間(平成20年12月1日から平成25年11月30日まで)のうちに移行申請をして新公益法人か一般非営利法人にならなければなりません。もし、移行申請をしなければ、解散となります。
Q 震災後、災害支援でボランティア団体が積極的な動きをしておりますが、社会福祉法人とボランティア団体の違いを教えてください。
社会福祉法人は、主として、介護、養護、保育、障害者支援施設等を運営していますが、いずれも国民が自立した人間としての尊厳をもち、安定した生活を送るために必須の事業をおこなうために設立された法人です。日本の福祉政策は従来、社会福祉施設経営者等に施設整備のための補助金や運営のための措置費等を補助・負担することにより成り立っていましたが、国の財政上の問題並びに利用者の選択肢が不足している等の理由から、措置制度に変わって公的介護保険制度が平成12年より、支援費制度が平成15年より導入され、福祉サービスにおいても市場経済原理が働くこととなり、社会福祉法人の経営環境も大きく変化しています。
ボランティア団体とは、ボランティアが集まって共通の目的を達成するために結成された団体の総称であり、法人格を有するものもあれば、法人格を有していないものもあります。ボランティアとは、ボランティア活動に携わる人のことです。また、ボランティア活動とは、自発(自主)性、無償(無給)性、利他(社会、公共、公益)性および先駆(先見、創造、開拓)性に基づいた活動とされているようです。ボランティア団体として一般的に特定非営利活動法人(以下、「NPO法人」という。)を想像する人も多いかも知れませんが、NPO法人は特定非営利活動促進法に基づいて設立された法人をいいますのでボランティア団体の一部といえます。
Q ボランティア団体が非営利法人として新公益法人を設立した際の利点はどのような点ですか?
ボランティア団体が新公益法人になった場合、税務上の優遇措置等のメリットを受けることができます。それ以外に、ボランティア団体が法人格を有する組織に変わることで、継続的で安定した事業活動が行いやすくなるということがあげられます。
法人格を有していない団体は、どうしても特定の人に負担がかかったり、また、事業資金を継続して維持することができなかったりするケースも少なくありません。せっかく社会のため、人のために行動したい、困った人を助けたいとの志ある人々が、自分たちのやりたいことを継続的・安定的に行っていくためには新公益法人となることは大いにメリットがあるといえます。
Q 公益法人の設立要件としての基準にはどのようなものがありますか?
旧制度では明確に規定されていなかった「公益性」の概念が、新制度では基準要件として具体的に示され、当該基準要件を満たせば「公益性」のある法人として認められます。したがって、公益性を認めてもらうためには、これらの基準要件を満たすことが必要となります。たとえば、役員体制や事業内容、財産の保有方法、収益や費用のバランス、公益目的事業費割合などがあります。
Q 非営利法人をサポートする大光監査法人の今後の展望をお聞かせください。
経済社会の発展に伴い、行政に対する民間意識の変化、少子高齢化、情報化社会など、私たちを取り巻く環境は大きく変化し、公的関与のあり方についても見直す動きが活発化しています。公益法人等の非営利法人においても例外ではありません。非営利法人の事業内容は非常に広範であり事業の多様性に伴う諸問題に対処するため、今後も様々な改革が行われることとなるでしょう。私どもはこのような環境変化に適切に対応し、非営利法人が広く社会の公益に資するために私どもの力を役立てていきたいと思っています。そして、非営利法人の会計監査、会計・経営指導ならば大光監査法人と、誰もが認めてくださるような監査法人にしていきたいと思っています。
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