電気工事は慎重を要する作業。この写真は、フラッシュに反応することを危惧して、作業後にポーズを取ってもらったもの。今は一人で動いているが、近い将来は、技術者4~5人の少数精鋭プロ集団として成長させていきたいという。
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フットワークの軽さと確かな技術
〝誠実な対応〟が顧客拡大の要因に
住環境の電気工事全般を請け負う本多電気商会。
その確かな技術と丁寧な仕事ぶり、そして礼儀正しく素直な人柄で
現在事業を拡大中の代表・本多翔平氏に密着取材した。
新築住宅&リフォーム、店舗、エアコンや換気扇の設置、ブレーカー容量の変更、コンセントの配置や数の変更、地上デジタル放送への切り替えサポートなど、住環境の電気工事全般を請け負っているのが、東京都東村山市の本多電気商会だ。代表の本多翔平さんは、なんと2011年で22歳と言う若さ。いくつかの現場に同行し、この若き企業家がどのようなことを考え、どのような態度で仕事に取り組んでいるのかを取材した。
朝10時30分、東京都内墨田区の一般住宅へ愛車の軽自動車で到着。アンテナ設置の見積もりを取るための訪問だ。現場を見て家庭事情を実際に聞き取ることで、見積もりにも精度が出るのだという。車の屋根に何台も脚立を摘み、後ろの座席、荷台はもちろん、助手席にまで工具がびっしりと詰め込まれている。「住宅用、店舗用、新築、リフォームと現場ごとに使う工具が異なるので、大荷物になってしまうのです」と本多代表。大型車では密集した下町の住宅地には入っていくことができないため、敢えて軽自動車を選んでいるとか。
11時。急きょ必要となった工具を取りに、東村山市の事務所へ戻る。
12時10分、移動中にハウスメーカーから携帯に電話。工事の変更依頼に「今近くにいるので、すぐに伺います!」と。打ち合わせ現場に向かうフットワークの良さに脱帽。
13時20分。次の現場に向かう。途中車内で、おにぎり2個とペットボトルのお茶で昼食。
14時10分、杉並区内のフィットネスクラブに到着。控室でクーラー設置の作業。クーラーの取り付け位置を確認してラインを引き、壁にパイプを通すための穴をあけるだけの作業だが、ビルの壁にプラスしてフィットネスクラブの壁が加わり、壁の厚さが20㎝にも及んでいる。室内外からドリルで穴開け作業をする。1時間近くをかけ、貫通したが、コンクリートの粉じんで頭から真っ白に。そして天井裏の配線工事に取り掛かった。「専門業者に頼めば別途料金がかかるのですが、私がやることでコストダウンにもつながるし、仕事の幅が広がると思って引き受けました」というが、この作業は、業務用の巨大配電盤にクーラーの線を設置するもので、実は大変危険なもの。一歩間違えれば命に係わる作業でもあるというが、本多代表は真剣なまなざしで果敢に仕事をこなしていった。
18時50分、やっと作業終了。
本日の取材も、これにて終了となったが、休憩を取る暇もなく、働き続ける本多代表の「自分のキャリアにつながるから何でもやる」というどん欲なまでの積極性に驚くのではなく頭が下がる思いだった。
電気工事という事業を通して自分の技術を高めること、コストを下げれば顧客に喜ばれ、更なる顧客を呼ぶことにつながることを肌で感じている若き22歳の代表だからこそ頑張れるのかもしれない。
「これから店舗の仕事で稲城市で打ち合わせです」と、にこやかに立ち去る本多代表の後姿を見ていると、〝電気のことなら本多電気商会〟〝難しい工事でも本多電気商会なら安心して任せられる〟と言われる日が近いことを確信した。
(ライター/深井みさわ)
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