モノづくりという面でも提供されたオフィスが今の環境に良いのか? 疑問を感じるとともに企業として個人としても考える時期が改めてきたのでは? オフィスの必要性を理解し、より良いオフィスの環境づくりを考えてみよう。
オフィスや店舗の環境改善をトータルプロデュースする『有限会社オフィス・トキ』の代表大塚時功氏は、日々、オフィスが、仕事をする環境に適しているかどうかや、提供されたフロアが自分たちの業務プロセスにあっているか等、疑問を感じる従業員が多くなったと感じている。
「従業員の皆様がそういった疑問を持つことは、モノづくりという面においては、よい変化なのではと思います。オフィスの環境整備の必要性を理解して、熱意をもって良いオフィスを作ることで会社が良くなり、また、社員自身が仕事の能率アップを考えるように自主的に動き出したということも言えます」。
震災後、耐震に関しても人々の考え方は変化しているという。
「東日本大震災から、オフィスビルの耐震について関心を持たれた方は大勢いらっしゃると思います。老朽化したオフィスビルに入られている会社の方から相談を頂いたこともあります。耐震の面で老朽化したビルを心配されている方は本当に多くなりました。オフィスビルの選択の方法もこれから変わってくるでしょう。震災後、心のケアが必要な方も増えていると聞いています。このようなことをふまえて環境に適した良いモノづくりを考えていきたいと思います」。
これからのオフィス環境の整備については「働く人たちのことを考え、オフィスの環境整備の重要性を提言していきたいと思います。オフィスの環境に変化をつけ、創造性を発揮できるような場所を作り、昔の閉鎖的で暗いイメージを改善していく。オフィスも日々進化しなければならないと思います。オフィス整備においては全体の構想が必要です。その場しのぎの対応では、次のステップへの妨げになるでしょう。人が増えたからと空きスペースを急場で作るより、働く環境を考えて作られたスペースのほうが能率的に良い結果が出るものです」とモノづくりのプロとして独自の視点で教えてくれた。
(ライター/本名広男)