自覚症状がほとんどなく、病状の進行もゆっくり。気付いた時には大幅に視野が失われている恐ろしい病気、「緑内障」。初期症状に気付きにくいだけに、しっかりと知識を得ておきたい。緑内障の専門医『アイ・ローズクリニック』の安達京院長にお話を伺った。
40歳以上の17人にひとりが失明の危機にさらされている。そんなショッキングなデータがあるのをご存じだろうか。日本における中途失明の原因の第2位となっている「緑内障」。自覚症状がほとんどないまま進行し、発見が遅れれば失明の危険もある怖い病気だ。「緑内障になると目の奥にある視神経が障害されます」と安達京先生。「緑内障で視野が狭くなってきても、最初のうちはほとんど気付きません。気付いた時にはすでに病気が進行していることが多く、しかも一度障害された視神経はもとには戻らないのです」病状の進行がゆっくりなうえ、目を動かして見ているため、片方が悪くなっても反対の眼でおぎなっていたり、近視があると近視のために見にくいと思いこんでいたり、「ある日偶然片目を隠したら、見えないことに気付いて愕然とした、というケースも珍しくありません」有効な対策は、なによりも定期的に目の検査をうけること。40歳を過ぎたら、年に1回は眼科検診を受けることが望ましいという。人間ドックなどで眼底検査が組み込まれているものもあるが、初期の異常は専門医でないと見逃してしまう場合も少なくないそう。「眼底検査と眼圧検査委は短時間で受けられますから、ぜひ積極的に受診していただきたいですね」緑内障で失明する人を少しでも減らすには、早期発見・早期治療が大切。40歳以上はもちろん、若い人でも家族に緑内障の人がいたり、近視が強い場合には、ぜひ早いうちからチェックしておきたい。
『アイ・ローズクリニック』のモットーは「愛と奉仕の精神」。最新の機器が充実し、最高の技術と細やかな心遣いで、患者に寄り添う。「私の理想とする診療は、体も心もすべてを癒していく〝医術〟です。科学的アプローチとともにホリスティックなアプローチも積極的に取り入れていきます」と安達先生。単なる〝治療〟ではなく〝治癒〟を目的とした医療を、患者さんとともに考えていきたいと語ってくれた。
(ライター/石井奈緒子)