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『江ノ島タクシー 株式会社』
代表取締役 飯森均社長
「『速く、安全に、気持良く』をお客様へ御提供することを心がけています」
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最先端技術を積極的に導入し
業界を活性化するリーダー的存在
1952年創業。湘南エリアを中心に、市民の足として親しまれてきた『江ノ島タクシー 株式会社』。
タクシー業界にとって冬の時代が続く中、時流に対応した経営で常に新たな道を切り拓いてきた
パイオニア企業が『江ノ島タクシー』だ。2代目社長である飯森均氏が、その経営理念とビジョンを語る。
『江ノ島タクシー 株式会社』のタクシーを町で見かければすぐにわかる。すべて黒塗り、日産セドリッククラシックSV、トヨタスーパーサルーンなどの高級車だけを配備しているからだ。乗客には心地よい時間を過ごしてもらうために「常に一番グレードの高い車種をご用意しています。広い空間でゆったりとおくつろぎください」と飯森均社長は語る。乗客には見えない細かな配慮が隅々まで行き届いている。規制緩和以降も、毎月の定期点検を実施。絶対の安全を維持するために、点検は自社ではなくディーラーに出す。目先のコストよりも「信頼」こそ経営に欠かせないという姿勢が感じられる。また、乗務員の資質、適性にも目を光らせる。
「人材採用は厳しいですね。テスト走行のほか、接客に向いているか、話し方なども厳しくチェックします。また、採用後も定期的な講習会を実施し、上質な乗務員であることを徹底しています」
タクシーのほか、マイクロバス、観光バス、福祉タクシー、ジャンボタクシーなども展開する。独自のポイントカードによるポイント制の導入や、各種代行サービスも好評だ。また、2012年3月には、車イスごと乗車できるスロープ付きのタクシーも導入予定。「常に最先端の技術をタクシー業に結びつけること」は同社創業以来のモットーである。「先代が戦時中通信隊に所属していまして、これからは通信の時代だと思い、業界でもいち早く無線を導入しました。AVMという車輌の現在位置を把握した上で自動的に車輌を選択・配車するシステムも積極的に取り入れました」。現在のGPSを利用した自動配車システムへ移行したのは、法人としては全国初だという。
「20年ほど前、こんなシステムができればいいなと思っていたものが実現したのです。次は、アンテナを立てずに使えてよりクリアな無線が実現するといいですね。電気自動車についても試験的に導入しましたが、まだ実走行距離の問題など、お客様をお乗せするには課題が残っています」
新たな技術を積極的に取り入れていくハード面の充実と、真心の接客というソフト面の充実。さらなる進化と発展の20年後へと、飯森社長のイメージはどこまでも広がっていく。
(ライター/石井奈緒子) |
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