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『株式会社 ななすみ』
斉藤寿美代表(前列右端)、秋山奈菜子所長(前列左端)
将来的には看護つきのデイサービス「療養通所介護」の実現を目指す。介護をする家族のサポートも、さらに強化していく予定だ。
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利用者との絆を育む、心からの「笑顔」
訪問看護の理想を目指して
ますます進む高齢化社会において、医療の問題は本当に切実だ。現在、日本では高齢者のケアは在宅が中心である。やはり住みなれた場所で、家族とともに暮らしたいと誰もが思うもの。その願いを支えるのが、訪問看護の存在である。山梨県甲府市を中心に訪問看護を行う『株式会社 ななすみ』代表の斉藤寿美さん、所長の秋山奈菜子さんにお話を伺った。
『株式会社 ななすみ』は現在、「訪問看護ステーションすみ」「ケアプランセンターすみ」を甲府市を中心に展開。「訪問看護ステーションすみ」代表の斉藤寿美さんとケアプランセンター所長の秋山奈菜子さんは、お二方とも大学病院で看護師として勤務経験のあるベテランだ。二人が『株式会社 ななすみ』を立ち上げたのは2009年。当時、大きな組織の一員として訪問看護にあたっていたお二方は、より理想とする訪問看護の実現を目指し、独立を決意する。
「在宅で療養されている方はもちろん、介護をなさっているご家族に心から安心できる安全な納得のいくサービスを提供していきたいとの思いで、秋山所長と一緒に自分たちの訪問看護ステーションをつくろうと話し合いました」と斉藤代表。初めは利用者ゼロ、慣れない営業活動を経験するなど、苦労も多かったという。しかし、そのなかで多くの人と出会い、また彼女たちを知る人々の支えを受け、徐々に事業は軌道に乗っていく。
斉藤代表をはじめ、『ななすみ』のスタッフが常に心がけているのは、利用者に笑顔を届けることだという。「在宅で療養されている方々は他人と接する機会が少なく、訪問してくる人が唯一の話相手ということも。だから、利用者の皆さんと過ごす時間は笑顔を絶やさずに、楽しい気持ちになっていただけるよう、スタッフ一同心がけています」
『ななすみ』が多くの利用者に信頼されているのは、「相手を否定しないことを大切にしている」から。不安に悩まされる利用者の心をすべて受け入れ、着実に信頼関係を築いていく。「あの人に早く会いたい」と心待ちにしてくれる利用者の温かい気持ちで、もっと笑顔になれる。そして、更なる看護の原動力になる。たくさんの笑顔が溢れるこの現場こそ、在宅看護の理想の姿ではないだろうか。
(ライター/石井奈緒子) |
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