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「東日本大震災後、当たり前にあった安全で安心して暮らせる環境を失ったとき、いかにその当たり前の環境が大切であったのか、いかに幸せであったのかを痛感させられました」と語る吉田信一郎代表。
『株式会社 EARTH』の経営理念は、「EARTHに生きる全ての人々を幸せにする」いつもその思いを念頭に邁進している。
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見えない放射線を正しく測定し、
対象物の素材に合った除染方法を提案
東日本大震災以降、被災地をはじめ日本各地で求められる放射性物質の除染。
『株式会社 EARTH』は一日も早く元の福島県に戻したいとの願いから、
放射性物質の除染・除去の研究開発に取り組み、子供たちが安心して
暮らせる環境づくりを目指す。
昨年、未曾有の大震災により大きな被害を被り、あの時以来、震災・津波・原発・風評被害と四重苦に陥ることとなった福島県。今後、乗り越えていかなければならない課題が山積みながら、少しでも安心できる環境を取り戻そうと、この地で〝除染〟という仕事に全力で取り組んでいるのが『株式会社EARTH』だ。
同社は赤外線を用いた外壁診断や雨漏り調査をしてきた会社で、福島県庁をはじめ、数々の建築物の調査診断を手掛けてきた。震災以降はボランティアで感染症予防の除染活動を行っていたが、県内では放射能問題が大きな問題となっており、同社社員や代表の吉田信一郎氏は自身も幼い子どもを持つ親として何としても福島を放射能から救いたいと思ったという。
そこで、さまざまな人の協力を得て、放射性物質の除染に対する各種特殊技術をマスターし、放射性物質除染事業と感染症予防除染事業を新設。特に放射性物質除染については、土、水、建物、アスファルトやコンクリート、人体など、さまざまな所に付着した放射性物質の除染方法の検証や各種除染剤の実験を専門家の意見を活かしながら行っており、それぞれの場所やニーズに合った除染方法を提案している。
また、除染を通じて放射線量を正しく測定することの難しさや大切さを実感し、測定に必要な遮蔽体の設計・製作、除染作業などで出た放射性廃棄物を一時的に保管する容器の開発なども手掛け、放射能汚染という目に見えない不安への解決に挑み続けている。
(ライター/前田美江) |
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