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写真は内灘サイクルロードレース 石川県河北郡内灘町河北潟干拓地周回コース
DAVOS TOURING
309 スポルティーフ
カラー:シルバー サイズ:500、520、550mm
重量:10.9kg(完成車)
価格:シマノ SORA仕様
完成車 145,950円(税込)
※写真の自転車の仕様は実際と一部異なります。
株式会社 深谷産業
代表取締役社長 深谷えり子氏
代表取締役会長を歴任した深谷三郎氏の長女。創業者深谷亮次氏は祖父にあたる。平成16年に取締役就任、平成19年、代表取締役社長に就任。現在、自社オリジナルバイクの開発・販売も精力的に展開し、『エディ・メルクス社』を始め、数多くの国内外ブランドを取り扱う。
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100年にわたり自転車文化を牽引
歴史を刻む老舗『深谷産業』
自転車産業の草創期から
一般社会への普及を目指す
自転車で風を切って走るのは気持ちがいい。ランニングのように関節に負担が少なく、気軽に長く乗っていられるので、脂肪を効果的に燃やす高価もありダイエット法としても手頃だ。そんな自転車がここ数年ブームとなっている。しかも、専門店で買うような本格タイプが売れているというのだ。健康やエコへの志向から自動車から乗り換えている人が増え、通勤の足等で使っているという。さらに震災がライフスタイルを考え直すきっかけとなり、自転車の存在にますます注目が集まっている。
その自転車文化を1世紀にわたり支えてきたのが、『深谷産業』だ。創業者の深谷亮次氏が当時自転車産業のメッカ、名古屋で同社の前身となる深谷商店を創業したのは、明治も末の1911年の事。同社は普及型の自転車の開発にとりかかり、1913年にはオリジナルブランドの自転車「月星号」を発売、子どもから大人までのサイズをそろえた自転車としてロングセラー商品となる。
以来同社は2つの大戦を経て、国内の自転車の隆盛とともに発展していくことになる。同社が歩んできた道は、日本の自転車の歴史と重なるのだ。
そして、昭和29年ごろから始まった第一次サイクリングブームで、スポーツ車としての新しい市場が広がりをみせていく。『深谷産業』は日本でのスポーツ車の本格的な製造と普及に注力、日本でのスポーツ車の隆盛を支え、自転車の新たな価値を広げていった。また、諸外国とのロードレース交流など、文化・スポーツを通しての交流という面でも日本社会に多大な貢献を成してきた。
自転車文化を盛り上げる
楽しいイベントを牽引
現在『深谷産業』では、ユーザーの底辺拡大の取り組みとして、イベントへの協賛等を積極的に行っている。
「これらのイベントがきっかけとなって自転車を始める人が増えたり、自転車の魅力が少しでも伝わってくれたら。それぞれの方が自分のペースで楽しんでいただけたらと思います」
と、『深谷産業』現社長深谷えり子氏は言う。
昭和58年から平成24年6月に開催されている石川県内灘町の「内灘サイクルロードレース」は、『深谷産業』が協賛、運営での支援を行っており、平成23年で29回を迎えた歴史を持つイベントだ。平成21年からは「サイクルフェスティバル」も同時に開催され、市民へ広くサイクルスポーツの普及に務めている。このイベントは自転車の町、内灘町のビッグイベントとしてスポーツサイクルファンの間で広く知られ、毎年多くの人々が参加している。
春に続くサイクルイベントとして、平成17年から始められたのが、毎年10月に行われる愛知県渥美半島で開催される「渥美半島ぐる輪サイクリング」。こちらも『深谷産業』の協賛、実質的な運営も担っている。このイベントは太平洋沿いに走る16㎞のサイクリングロードで、自分のペースでサイクリングを楽しむことができる。恋路ヶ浜・日出の石門を眺める雄大な風景が満喫でき、毎年約2000人が秋のサイクリングを楽しみに集う。
サイクルファン垂涎の
2012年のラインアップ
そして『深谷産業』は、昭和60年代に、スポーツバイクのブランドメーカーとして世界最高の品質を誇る「エディ・メルクス社」の日本代理店となり、「メルクスブランド」は、今日に至るまで、主力商品となる。その「エディ・メルクス社」での2012年モデルのラインナップが発表されている。
PRO GEOMETRYシリーズの「EMX-5」は、トップレーサーも認めたレース用デザインで、すべての形状を細部にわたり徹底的にこだわった製品。2010年モデルの46HMカーボンから50HM/HS1Kカーボンにグレードアップ。カーボン繊維を重ね合わせるカーボンフレーム成型時、繊維の目を多方向に配しするCL+製法を採用、最適な強度と耐久性、乗り心地を実現、また、高強度カーボンと高弾性カーボンを適材適所に使用するOSR技術により重量を抑えながらも高い剛性を達成している。テーパーヘッドチューブ(1 1/8-1.5")、オーバーサイズBBなど、プロライダーたちの要求に応えたモデルだ。
また、『深谷産業』は、日本人が乗りやすいスポーツバイクをコンセプトに、国内のパーツをメインに作り出したオリジナルバイク「ギザロ」「ダボス」など、自社のブランド品も販売している。その多くのユーザーから高い評価を受けてきた「ダボス」の2012年のラインアップの「309 スポルティーフ」は、ロードレーサーの軽快さと、ランドナーの重厚感を兼ね備えた高速ツーリングモデルだ。
自転車文化を深化させ
さらに次の100年を目指す
『深谷産業』では、完成品のみならず、パーツを多く取りそろえることも、自転車文化の発展につながっていくとの考えから、より多くの部品を取り扱うようになった。同社は、自転車を更に走りやすくしたり、デザイン性を与えるための、パーツを選ぶカスタムの楽しみ方を提案する。
「ショップで、専門スタッフと話をすれば、自転車の奥深さに触れることができるはず。実際にパーツに触れてみることで、自転車に乗る楽しみが増えていくでしょう。そのために、今後もより多くのパーツを扱っていきたいと思います。ショップが完成品のみならず、数多くのパーツを取り揃えることが、自転車文化がより深まっていくことにつながるのではないでしょうか。
これからは輸入品も増やしますが、オリジナルのパーツを充実させていきたいと思います」と、深谷えり子社長。
「自転車技術とともに大切なのが、家族や教育の場での自転車の学びでしょう。家族で自転車に乗る習慣があれば、子どもは正しい安全な乗り方を学んでいきます。家族や教育の場で自転車の正しい在り方が後世に伝えられ、技術と教育が両輪のように自転車文化を支えていくのです」
そして『深谷産業』は次の10
0年、さらなる自転車文化の深化を目指していくのだ。
(ライター/本名広男)
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