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『レトルトカッター』(下)と『スーパークリップ』(上)
「竜興化学工業 株式会社」
代表取締役 菊池勇一郎社長
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便利グッズだから口コミで広がる
「あったらいいな」を実現する企業
「ファミレスでバイトをしていた時使用していた、レトルトパックを挟んでスライドするだけで、口が簡単に開く便利なカッターを知りませんか」
インターネットの質問サイトやブログでこんな質問が飛びかい、どこにも見つからない幻の製品として話題になったのが「竜興化学工業」の『レトルトカッター』だ。当時は業務用のみで販売されていたため、市販されておらず、店頭には置いてなかった。その便利さを知った人がインターネットで話題にし、口コミで広がり、同社に問い合わせが殺到したため急遽市販されることになった、口コミが生んだ製品なのだ。レトルトの袋には切り口はついているものの斜めに切れたり、変に切れて口が開かなかったりと厄介なときがある。確実・簡単に口を開けられるこの商品は、一度使ったら手放せなくなるグッズだ。
もう一つ好評だという商品が、磁石や粘着シートで冷蔵庫等に付けてメモ用紙等を最大10枚くらいまではさめる『スーパークリップ』。用紙を下に引っ張っても外せないが横にスライドすると簡単に外せる。片手で用紙を差込め、片手で用紙が外せるので非常に便利だ。
どちらの製品も、消費者の〝あると便利〟〝こうだったら……〟という気持ちに応えるために開発されたもの。
こうした製造業冬の時代、「竜興化学工業」では、オリジナル発想のアイデアを、その技術力で便利グッズとして実現できるので、人気を集め安定経営を続けられるのだ。
(ライター/本名広男) |
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