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『九十九興産』 代表 江藤一徳氏
自動車部品関連の会社を経て塗装会社に転職、現場の一線で働き、営業職へ。理想の会社を目指し、2011年「九十九興産」設立。
従業員の頑張りが会社の利益になる。
納得以上の技術、サービスを提供。そして、従業員も笑顔になる。
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長年培ってきた技術力の自信と
他社にないサービスで顧客の満足を
長崎県佐世保市で主に塗装の仕事を請け負う『九十九興産』の江藤一徳代表が独立へと向かう道のりには、困難を克服する強い意志があった。
江藤一徳代表は、20代のころから自分自身の仕事の在り方を真剣に考えるようになり、職人として身を立てたいと思うようになる。「大工としてやっていくんだ」。そう決意した江藤代表は、大工見習いとして雇ってくれる会社を探し、入社するが、入ってみるとそこは塗装を扱う会社だった。しかし、その会社が江藤代表の今に至る道筋になったのだ。江藤代表は現場の第一線で、職人として建築塗装や船舶塗装、発電所の塗装など様々な仕事を行い、次第に塗装の仕事の奥深さに惹かれるようになっていく。
しかし、長年にわたる現場の作業は、江藤代表の身体に不調をもたらす。「このまま現場にいても迷惑をかけるだけだ」と思い、やむなく営業の仕事に転身する。長年職人としてやってきた江藤代表には、慣れない営業の仕事は苦労の連続だった。しかしそれらを克服していけたのは、小中学生時代のいじめの経験があったからだ。江藤代表はスポーツが不得意で争いを好まず、自分から身を引く性格だったのでいじめの対象になりやすかったのだろう。いじめは長く続いた。しかし江藤代表は耐え抜き、我慢強くなり、多少のことでは弱音を吐かないようになった。だから営業の外回りで何度となく門前払いにあっても、心ない言葉を言われ続けても、堪え忍ぶことができた。そんな江藤代表の営業の姿勢は、お客様から信頼を得、高い営業成績を上げるようになってゆく。それが会社に認められ、最終的に専務にまで上り詰める。
もともと江藤代表は自分の会社を持ちたいと思っていたわけではないが、実力が認められると、独立のことも頭をよぎるようになる。そこに取引先を始め、周りの人間が、独立を後押しし、経営者として自分の思っている理想を実現したいという気持ちが強くなり、独立を決意し、『九十九興産』の設立となる。
しかし、従業員を雇っての経営は江藤代表が予想した以上に大変だった。すべてが自分の責任となり、資金繰りから従業員の給与、教育まで重くのしかかってくる。しかし、これも自分を磨く良い経験と重圧を跳ね返し経営者としての勉強を積み重ねている。
また長く現場を知る江藤代表は、従業員の事も理解でき、会社が収益を上げられたら現場で頑張る従業員に還元したいと考えている。皆が自分の仕事と会社を愛してくれ、組織も発展していくというのが理想だ。
期待して仕事を与えてくれる取引先には、「長年培ってきた技術力をもって期待以上の成果で返したい、他社にないサービスを提供して、納得以上の満足を感じて欲しい」というのが江藤代表のポリシー。これから従業員を増やし、法人化するのが第一の目標だという江藤代表の胸には、やりとげるという強い意志が静かに燃えている。
(ライター/本名広男) |
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