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『黒龍産業 株式会社』 代表取締役 祢冝田重春氏
昭和39年6月に『黒龍産業 株式会社』を創業、現在、愛知県鋳物中子工業会会長、日本鋳物中子工業会会長、日本鋳造協会理事技術部会を務める。
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鋳造製造の要となる
オンリーワンの技術力
『黒龍産業』は、漁業を営んでいた現社長の祢冝田重春氏が、父親と共に昭和39年6月に設立した。自動車部品、ポンプ、バーナー、ホイール、工作機械フレーム、電車部品等に使用する鋳物製造用中子(鋳物中空部を作るために、主型の中空部にはめこむ鋳型のこと )の専業メーカーだ。シェルモールド方式による中子製造から始めたが、他業種からの参入のため最初は苦労の連続だったという。工夫を続けながら技術のレベルアップを図り、昭和58年にはコールドボックス方式を取り入れる。中子の製造方式にはシェルモールド、コールドボックスの2製法があるが、コスト面、製品精度、小ロット対応において、熱硬化させた鋳型を用いる鋳造法であるシェルモールド製法よりコールドボックス製法の方が優れている。コールドボックス鋳型は化学結合によって鋳型強度を確保しているので、生型造型に比較するとはるかに簡単な装置での造型が可能なのだ。同社は、コールドボックス製法の草分け的存在であり、現在はコールドボックス方式の製造では業界で確固たる地位を築き上げている。同社のコールドボックス製法を中心とした卓越した技術と実績により、営業体制がないながらも、継続して多数の注文を獲得している。生産方式は全て受注生産、在庫・仕掛品はほとんどない。業界自体が長期的不況であり、大手メーカーの海外進出等で低迷している中で、『黒龍産業』は、継続して黒字を続けている。
(ライター/本名広男) |
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