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『布創 れん』 代表 沖潤子氏
2008年に「絣の創意工夫展」で金賞、2009年にはグランプリを獲得する。
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和服の良さはそのままに
リメイクで洋服として蘇らせます
『布創 れん』代表の沖潤子さんは、今の店を立ちあげる前に、自分だけでできる仕事をしたいと思い、裂き織りの勉強をしていた。そのとき、たまたま友人から「着物のサイズが合わなくなったが、どうにかならないか」との相談を受け、それを洋服にリメイクしてみた。そして、その着物のリメイクの事が口コミで広がっているのを知り、「着物を持て余している人が意外と多いんだな」と気がつく。それが『布創 れん』を始めるきっかけになったのだという。
着物のリメイクは普通に洋服を作る工程と違い、独自の作業が必要になる。反物の場合であれば、「湯通し」をして、反物から糊を落とす作業から始める。着物からであれば、解いて、洋服にできるかどうかの見極めをしなければならない。また、洋服生地と違い布の幅が狭いので、洋服にする場合は幅を継ぎ足していかなければならない。それを仕上がりのデザインにどのように活かせるかが大切であり、また楽しい作業なのだという。そのデザインは沖さんがすべてを考えてリメイクを行う。
着物からのリメイクは、着物として完成されたたものを一度切って紡ぐ作業なので、素材の良いところを引き出し、洋服としても活かさなければならない。「洋服として仕上げたとき、元の良さが無くなっていたらかわいそうじゃないですか」と沖さんはいう。着物の良さを最大限活かしているからこそ、それが着物のリメイクの人気の源泉になっているのだ。
(ライター/本名広男) |
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